自由度の高い音作りと使いやすさを両立

UVI 「Relayer」のディレイの実力を徹底試奏

UVI 「Relayer」のディレイの実力を徹底試奏

2016/01/29


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¥17,280(税込/国内UVIセールスパートナー価格)
問:UVI Japon
http://www.uvi.net/jp/



Relayerは直観的に扱えるディレイプラグインで、シンプルなディレイからリズミックな効果まで素早く作ることができる。また、ディレイタイムを自由に設定でき、DAWソフトのテンポに同期させることも可能で、スウィングするような効果も生み出せる。モジュレーションやタイム、パンの他に、2つの内蔵マルチエフェクトでディレイ音を加工できるのも特徴だ。

試奏レビュー

まずはディレイの効果がわかりやすいリズム単体のトラックにRelayerを立ち上げてみました。タイムやフィードバックなどの重要なノブは画面の左右に配置されていて、基本的な設定はそれだけで行なえます。面白いのはディレイ音に様々なキャラクター付けをする「カラー」と「マスターフィルター」で、これによってディレイ音をラジオ風にしたり、リバーブ音にディレイをかけたような効果を簡単に作ることができました。

しかし、このプラグインの本領は、リピートノブを上げてマルチタップディレイとして使用する時に発揮されます。画面中央の棒グラフ状のエリアを操作することで、最大32のタップ(ディレイ音)それぞれのタイミングや音量、パン、2種類のエフェクトが個別に設定でき、まるでアルペジエーターのような感覚で音作りができます。その自由度は高く、減衰したディレイ音が次第に大きくなっていくような効果を作ったり、シンプルなループをリズミカルに激変させるなど、曲にフックを加える飛び道具的なエフェクトも簡単に作ることができます。

なお、プリセットには基本的なものから過激な効果まで多数用意されており、調整をする際もディスプレイに効果がリアルタイムに表示されるので、「どこを触ると音がどう変化するか」がハッキリとわかり、迷うことなく操作できました。他にもライブやDJプレイに重宝しそうな、ボタンを押している時のみエフェクトがかかるインプットゲート機能や、インサートエフェクトとして使う時に便利なドライ音とウェット音のボリュームノブが独立している点など、操作性もよく考えられており、多機能と使いやすさを両立したプラグインだと思います。

試奏:CUTT(ミュージシャン)

 

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リアルタイムに表示されるゲインとパンのディスプレイ。画像は、ディレイ音が8回、1小節かけて減衰しながら発音され、最初は左右に開いていたパンが徐々に閉じていく様子だ。

 

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プリセットはカテゴリーに分かれていて、リバーブやダブリング、ワープなど、従来のディレイの概念にとどまらない効果を得られる。

 

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多くのタップを一括して操作するのに便利なトランスフォーマーボタンを装備。すべてのタップの音量の大小や、左右の反転、クレッシェンドを作るといった設定を簡単に行なうことができる。

Relayerの主な仕様

●操作子:タイム、フィードバック、リピート、シンク、インプットゲート、モジュレーション(デプス、レイト)、ウェット、ドライ、カラー、マスターフィルター(ハイパス、ローパス)
●対応フォーマット:Audio Units、AAX、VST
●システム条件:Windows 7以降Mac OS X 10.7 以降(OS X 10.11 El Capitan対応)
※iLokアカウントが必要


 

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