プロエンジニアが実際に録音してチェック!

マイク試聴レビュー【AKG C314/AKG P420】

マイク試聴レビュー【AKG C314/AKG P420】

2016/10/17


試奏は、佐藤嘉風氏(vo)と乾 修一郎氏(g)という2人のアーティストを招いて、エンジニアの西氏が所有するスタジオ「STUDIOTIKI ROOM」にて行なった。歌の録りではマイクプリにブレント・アヴェリルのMADE FROM NEVE3405 MODULEを使い、ウーレイ1176(コンプ)を通してチェック。一方、アコギの録りではマイクプリをザ・ジョン・ハーディM1に変更して、コンプは通さずにダイレクトにオーディオインターフェイスに送って録音をした。

チェッカー:西 陽仁ニシ ハルヒト
幼少の頃よりクラシックピアノを学び、2008 年に株式会社サウンドシティへ入社。入社当初よりレコーディングエンジニアとして小規模から大規模まで様々なレコーディングに参加し、幅広いジャンルの作品を手掛ける。2014年に株式会社ONEly「STUDIOTIKI-ROOM」を設立し、レコーディングエンジニアとしてだけでなく、サウンドプロデュース、作曲、編曲など多岐に渡り精力的に活動を展開している。

【協力ミュージシャン】
佐藤嘉風[サトウ カフウ]
2004 年に湘南探偵団のメンバーとしてデビュー。バンド解散後も精力的にライブ活動を重ね、今年の3月にアルバム『Kafu Record 』をリリースした。他のミュージシャンからの信頼も厚く、桑田佳祐のソロツアーにコーラスとして参加。乃木坂46など、アーティストへの楽曲提供も行なっている。

乾 修一郎[イヌイ シュウイチロウ]
ラップスティールやバンジョー、ブルースハープもこなすマルチプレイヤー。高校時代から様々な音楽に没頭し、数々のバンドやセッションを経験する。現在はライブやレコーディング、音楽教材やCM音楽の制作など、多方面で活動中。これまでにナオト・インティライミや平井大などの作品に参加している。

 

低域と高域がフラットに伸びる
名器「AKG C414」を受け継いだモデル

AKG
C314

自分が使い慣れているAKGのC414と見た目も重さもほぼ同じで、ショックマウントも同じだったので、「たぶん近い音がするんだろうな」と思ったのが第一印象でした。

実際に録ってみると音質がC414と同じようにレンジが広くて、特に低域と高域がフラットに伸びていてクリアですね。色付けが少なくてスピード感があって、聴いた感じは原音に近いです。ボーカルに関しては表情がわかりやすくて、近くで歌っているような印象を受けました。アコギはいい意味でドンシャリ気味で、上下に伸びている感じがします。

指向性が4パターンから選べるのも便利だし、ローカットも音色が変わることなく不要な低音だけ切ってくれました。C414と同様に歌やアコギに限らず、ドラムのスネアやトップでも使えるし、ギターやベースのアンプを録るのにも最適でしょう。オケとよくなじむ音で録れて、EQ次第でどんな風にでも処理できるオールマイティなマイクです。

AKG C314

●価格:オープンプライス(¥65,800前後)

【SPEC】
●形式:コンデンサー
●指向性:可変(単一指向性/超単一指向性/双指向性/無指向性)
●周波数特性:20Hz~20kHz
●感度:-34dB
●最大入力音圧レベル:135dB(パッドスイッチ・オフ)
●出力インピーダンス:200Ω以下
●外形寸法:56(W)×159(H)×43(D)mm
●重量:302g
●付属:サスペンション付きホルダー、マイクホルダー、ウインドスクリーン、キャリング・ハードケース

●問:ヒビノ㈱ ヒビノプロオーディオセールス Div.
●TEL: 03- 5783-3110
http://www.hibino.co.jp/

EQ処理をしなくても音が前に出てくる
宅録で使うのにピッタリなマイク

AKG
P420

見た目に高級感があって、むしろC314よりも高そうに見えますね。音質は、AKGの定番サウンドをベースにしているんですけど、C314がスタジオで使うフラットなマイクとすれば、こちらは宅録で使うのにピッタリなマイクという感じがします。

録ったままでも使える音というか、ハイがきらびやかに伸びていて後処理したような音で録れるんですね。ボーカルもアコギもEQ処理をしなくても前に出てくるかミックスがしやすくて、初心者も使いやすいと思います。

C314に比べるとミッドが薄いように感じられるのと、若干のコンプ感があって、ダイナミックレンジが少し狭い気もしますが、決して過度な色付けではないし、パッドスイッチとローカットスイッチも付いているので、ジャンルや楽器を問わずに色々なシチュエーションで使えると思います。

この価格でAKGサウンドが手に入るわけですから、コストパフォーマンスはかなり高いですね。

AKG P420

●価格:オープンプライス(¥24,000前後)

●問:ヒビノ㈱ ヒビノプロオーディオセールス Div.
●TEL: 03- 5783-3110
http://www.hibino.co.jp/

【SPEC】
●形式:コンデンサー
●指向性:可変(単一指向性/双指向性/無指向性)
●周波数特性:20Hz~20kHz
●感度:-31dB
●最大入力音圧レベル:135dB(パッドスイッチ・オフ)
●出力インピーダンス:200Ω以下
●外形寸法:54(直径)×166(長さ)mm
●重量:512g
●付属:サスペンション付きホルダー、キャリング・ハードケース
 

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