──サウンドはどのように決めていったのですか？

さかい：僕は初めにすべてのパートを自分で録音して、そこから各パートを自分のプレイをそのまま使うか、ほかのミュージシャンに任せるかというのを選んで決めていきます。

──シンセのサウンドが印象的ですが、音を選ぶ基準はどんなものがありますか？

さかい：たくさんあるんですが、やっぱり自分がドキドキワクワクするものかどうかが第一ですね。

──今回で一番活躍した機材や音源を挙げると何ですか？

さかい：ピアノは全部生音を使っているんですが、シンセだと「Drowning」でProphetの最新モデルを使っていますね。これはおススメですよ、高いけど（笑）。ちょっと弾いただけで曲が浮かんでくるような、そのぐらい個性が強いシンセサイザーですね。

──そんな風に、新しい楽器や機材を使ってみて曲が浮かぶことは多いですか？

さかい：メチャクチャありますね。僕は楽器からインスピレーション受けるほうが多いです。

──普段から空いた時間に楽器を探されたりするのでしょうか？

さかい：そうですね、3カ月から半年に1回くらいは楽器屋さんに行きますね。頻繁に通ってもそこまでモデルが変わったりしてるわけじゃないから、ホントは年1回くらいでいいかなとも思いますけど。あと、買った楽器を愛してあげるといい音になっていきますよ。デジタルでもそれは変わらないですね。

──今回、初回盤の特典CDにはこの秋から年末にかけて行なわれるライブツアー「さかいゆうTOUR “POP TO THE WORLD”」のリハーサルテイクが収録されていますね。こちらの聴きどころを教えてください。

さかい：これはリハで録った音を本当にそのまま使っているんですが…あまりこういうことやっているミュージシャンもいないですよね。

──珍しいと思います。

さかい：どのぐらいの人がミュージシャンのリハを聴いて楽しめるか統計を取ったことはないですけど（笑）、例えば僕がさかいゆうというミュージシャンのファンだったら、リハの音をメチャクチャ聴きたいと思うんですよ。

──なるほど、そうかもしれません。

さかい：そういう人のための特典なんです。だからメチャクチャ好きな人だけが買えばいいと思いますよ（笑）。それでライブに来てもらって “あぁ、本番と変わらないんだな” とか “ここはこんな風に仕上げたんだな” とかそんな風に思ってくれたらいいかな。

──そういうコアな楽しみ方ができる特典なんですね。

さかい：僕がファンだったらこの特典は本当に嬉しいですよ。むしろこればっかり聴いちゃうかもしれない（笑）。

──では最後に、ツアーへの意気込みをお願いします。

さかい：うーん…意気込みって聞かれると毎回困るんですよ（笑）。ライブでは僕、逆に元気をもらってますからね。ライブがさかいゆうの音楽の真骨頂だと思っているので、常に本気で臨んで、自分の全てを出し切るように演奏しています。寒い季節だからみんなの毛布になるようなライブにしたいと思いますね。…このくらいにしておこうかな（笑）。