ムッシュかまやつを追悼するパフォーマンスも!

真心ブラザーズ、『東西たっぷり真心届けます!2017』を10人編成バンドMB’sにて開催!

真心ブラザーズ、『東西たっぷり真心届けます!2017』を10人編成バンドMB’sにて開催!

2017/03/06


カメラマン:eri shibata
ライター:島田 諭

3月4日、真心ブラザーズが東京・中野サンプラザにおいてスペシャル・ライブ「東西たっぷり真心届けます!2017」を行った。

これは、ボーカルとギターをそれぞれ務める真心のYO-KINGと桜井秀俊に、ベース、ドラム、キーボード、コーラス、ホーン・セクションを加えた10人編成バンド、MB’sによるパフォーマンス毎年恒例のライブ。恒例とはいうものの、年末だったり年明け直後だったり2月だったり、そして今回は3月と、ちょっとバラつきのある開催タイミングは絶対的なものでなかったりする。また、「東西」のフレーズがタイトルに用いられていることからもわかるとおり、今年は2月18日に大阪・なんばHatchでも行われた。

では、肝心の内容はというと、序盤のMCコーナーでYO-KINGは「普段やらないような曲をたくさんやるライブです」といい、この言葉を受けて桜井は「初めて(真心のライブへ)来た人はつらいかも」と、笑みを浮かべながら観客を気遣った。たしかに、どのアルバムにも収録されていない1991年のシングル「同級生」や、永瀬正敏がすべてのアートワークに起用された2001年のシングル「流れ星」と「橋の上で」と「この愛は始まってもいない」、すなわち「別れの歌三部作」が披露されるなど、レアな選曲と構成は「東西たっぷり真心届けます!2017」の特徴のひとつではあった。

ただ、それ以上に、そして純粋に、パフォーマンスそのものに驚かされた。とにかくボーカルは感情豊かでアンサンブルは抜群で演奏はタイトで、圧巻だった。とくに、この上なくスリリングに展開したライブ終盤の「STONE」や「ENDLESS SUMMER NUDE」や「EVERYBODY SINGIN’ LOVE SONG」は、真心のエンタテインメント性をさらに強く感じさせるフレッシュなものだった。

そしてアンコール。当初の予定になかったザ・スパイダース「バン・バン・バン」が最初に披露された。このライブの3日前となる3月1日に亡くなったムッシュかまやつを追悼するパフォーマンスだった。真心は大学時代、テレビ番組「パラダイスGo!Go!」の企画コーナー「勝抜きフォーク合戦」に出演したことでデビューのきっかけを掴んだわけだが、その審査員だったムッシュは熱心に真心をプッシュしていた。だからYO-KINGはムッシュを「大恩人」といい、桜井は大声で「ありがとう、ムッシュ!」と叫んだわけだけれども、その言葉と「バン・バン・バン」の歌と演奏はじつに明るく、彼ららしい追悼であった。

これは、真心の音楽に悲しみや苦しみをふっ飛ばしてしまう不思議な力があるということである。そう、それこそが真心ブラザーズというアーティストの本質で、だから、真心のライブはいつも明るくて、楽しい。しかも、さらなる表現力がパフォーマンスとしてしっかりアウトプットされているのだから真心、ただいま絶好調といっていいのではないか。ならばどうしたって新曲に期待してしまうわけだけれども、はたして、制作は行われているのだろうか。

なお、真心は5月6日(日)に東京・EX THEATER ROPPONGI、5月20日(土)に大阪・なんばHatchでイベント「マゴーソニック2017」を開催。今年はOKAMOTO’S、NONAREEVESの小松シゲル、MB’sのMOUNTAIN HORNS、Low Down Roulettesの岡部晴彦が登場。シャッフルでさまざまな編成バンドによるパフォーマンスを披露する内容になるという。また、食事を楽しみながらいつもとは違う雰囲気で真心のライブを楽しむ「ジャズ・クラブ・ツアー『cozy moment』」も決定済み。こちらのスケジュールは、6月3日(土)に大阪・ビルボードライブ大阪、6月4日(日)に愛知・名古屋ブルーノート、6月10日(土)に東京・ビルボード東京、6月18日(日)に福岡・Gate’s 7となっている。

この記事の画像一覧

(全8枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

PAGE TOP