レコーディング定番モデルと最新モデルがガチンコ対決!

【定番機の後継モデルと復刻モデルをレビュー】ヴィンテック・オーディオX73

【定番機の後継モデルと復刻モデルをレビュー】ヴィンテック・オーディオX73

2017/12/16


オリジナル1073と同じ部品を使った究極のレプリカ

ヴィンテック・オーディオ
X73

¥300,000(※専用電源「X-PSU」は別売り)
㈱アンブレラカンパニー
TEL:042-519-6855
http://umbrella-company.jp/
 

試奏:間瀬哲史(Cafe 2st)
定番モデル解説:篠崎恭一(SLOTH MUSIC)
 


奇才ルパート・ニーヴ氏が1970年に発表したニーヴ1073は、今なおレコーディングに携わるすべての者にとって憧れの存在です。今回は、回路レベルにまでこだわり、現在入手可能なパーツを惜しげもなく投入して、細部まで忠実に再現することでオリジナルの1073サウンドを目指した、ヴィンテック社のX73をチェックしました。

まず、ビンテージの1073を彷彿とさせる滑らかで力強いサウンドが印象的です。今回はボーカルにローテン・オーディオのLT-386 EDENというチューブ・コンデンサーマイクを接続してチェックをしてみましたが、チューブマイクの艶っぽい部分が強調されて、まさに“シルキー”という言葉がピッタリな音で録音することができました。
EQに関しても、プラグインなどに見られるいわゆる“EQくささ”がなく、積極的に操作ができて、かつ自然な音質変化が得られました。また、サウンドにあまり良くない影響を与えかねない電源部分を、別筐体に分離している点も好感が持てるところです。

開発者の様々なこだわりがそのままハードウェアとして表現されているX73は、安定度とコンディションに優れている現代のビンテージ機器として、導入する価値が非常に高い製品だと思います。

【製品概要】
「X73」は、ビンテージのニーヴ1073のオリジナルと同じ回路を、部品レベルから忠実に再現した1Uサイズのモデルだ。サウンドクオリティを決定付けるクラスA動作のアウトプット回路には、オリジナルモデルと同様の2N3055 NPNパワートランジスタを使用。また、マイク入力以外に、専用入力トランスを持つライン入力とHi-Z入力も装備している。
 

定番モデル「ニーヴ1073」の特徴

ブリティッシュロックにピッタリのファットでクリーンなサウンド

 

もともと放送局用の機器を製造していたイギリスのニーヴ社が、70年代にウェッセックス・スタジオからオーダーされて製造したのが1073です。

その音質は、まさにブリティッシュなファットでクリーンなサウンドが特徴です。ニーヴ社の製品自体、非常に音が太いという印象がありますが、1073はそれに加えて高域の伸びと倍音の出方が素晴らしく、またそのバランスが絶妙なために、世界中の多くのエンジニアに愛用されています。
初期モデルの製造が50年近く前なので、状態のいい当時のオリジナル機はほとんど残っていませんが、他のメーカーから1073を意識した製品や、本家ニーヴ社からも後継機種と呼べるモデルが多く出ています。今もなおそのような製品が多く出ていることも、1073の需要が高い証でしょう。

「シルクのような音質」と形容されることもあるそのサウンドは、ボーカルはもちろん、キックやベースなどに最適で、太さと存在感を求めるソースに用いることで、素晴らしい質感を得ることができます。
 

レッド・ツェッペリンに代表される70年代のブリティッシュロック・サウンドを支えていたのが、この1073だ。周波数帯を細かく決めるなどの微調整はできないが、あらかじめ音楽的に最適な設定がされているので、素早く音決めが行なえる
 

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こちらは電源ユニットの入ったラックに1073を組み込んだ製品
 

定番モデルはどうして長きにわたり愛され続けているのか?

定番モデルと後継・復刻モデルを紹介する前に、プロのスタジオではどうして「定番」と呼ばれる機材が必ず導入されているのかについて考察してみましょう。エンジニアとしてだけでなく、プログラマーやPAエンジニアとしても活躍している篠崎恭一さんが、わかりやすく解説してくれました。
 

クオリティの高いサウンドでレコーディングやミックスを行なうことができるプロのスタジオは、部屋の鳴りや導入している機材など、それぞれに個性や違いがありますが、その反面、どのスタジオにも定番の機材というものが置いてあります。定番となりうるその理由は様々あるのですが、まず何と言っても「音がいい」というのが大きなポイントとして挙げられます。例えば、マイクならシュアSM57やAKG C414、ノイマンU87、マイクプリならニーヴの1073、コンプでしたらユニバーサル・オーディオの1176あたりは、まさにド定番です。

それらの定番機材を使えば何もかも音が良くなるという訳ではありませんが、「この楽器をこの機材に通した音が最高」という実例が非常に多いのです。

スピーカーやヘッドホンなどのモニタリング機器に関しては、聴いて楽しい音でなく、演奏やミックスの時にリズムや帯域が見えやすい、フラットな音を持つものが使用されます。代表的なものは、スピーカーではヤマハNS-10M、ヘッドホンではソニーMDR-CD900STなどで、それらを置いていないスタジオを探す方が難しいほどです。

また、定番になりうるもうひとつの理由として、「操作性が非常にシンプル」という点も挙げられます。プロのスタジオは時間単位で使用料金が加算されるので、手早く音を作れるというのも実は重要なポイントなのです。また、シンプルな操作性は、多くのエンジニアが出入りするスタジオにおいて、誰でもすぐに使えるというメリットもあります。

定番機種は、そのような理由で需要が高く、姉妹品や後継・再現モデルの他に、プラグインも出ているので、今では宅録環境でも導入しやすくなっています。また、「シンプルで音がいい」というのは、宅録においても大きなメリットです。定番モデルや後継モデルの導入は、プロのサウンドに近づくための一番の近道と言えるでしょう。
 

クオリティの高いサウンドでレコーディングやミックスを行なうことができるプロのスタジオは、部屋の鳴りや導入している機材など、それぞれに個性や違いがありますが、その反面、どのスタジオにも定番の機材というものが置いてあります。定番となりうるその理由は様々あるのですが、まず何と言っても「音がいい」というのが大きなポイントとして挙げられます。例えば、マイクならシュアSM57やAKG C414、ノイマンU87、マイクプリならニーヴの1073、コンプでしたらユニバーサル・オーディオの1176あたりは、まさにド定番です。

それらの定番機材を使えば何もかも音が良くなるという訳ではありませんが、「この楽器をこの機材に通した音が最高」という実例が非常に多いのです。

スピーカーやヘッドホンなどのモニタリング機器に関しては、聴いて楽しい音でなく、演奏やミックスの時にリズムや帯域が見えやすい、フラットな音を持つものが使用されます。代表的なものは、スピーカーではヤマハNS-10M、ヘッドホンではソニーMDR-CD900STなどで、それらを置いていないスタジオを探す方が難しいほどです。

また、定番になりうるもうひとつの理由として、「操作性が非常にシンプル」という点も挙げられます。プロのスタジオは時間単位で使用料金が加算されるので、手早く音を作れるというのも実は重要なポイントなのです。また、シンプルな操作性は、多くのエンジニアが出入りするスタジオにおいて、誰でもすぐに使えるというメリットもあります。

定番機種は、そのような理由で需要が高く、姉妹品や後継・再現モデルの他に、プラグインも出ているので、今では宅録環境でも導入しやすくなっています。また、「シンプルで音がいい」というのは、宅録においても大きなメリットです。定番モデルや後継モデルの導入は、プロのサウンドに近づくための一番の近道と言えるでしょう。
 

手前はギターアンプの録音で必ずと言っていいほど使用されるシュアSM57(ダイナミックマイク)。奥は、アンプやアコギ、ドラムのオーバートップなどでも使われるAKG C414(コンデンサーマイク)だ
 

左のシュアSM57と並んでギターアンプのレコーディングで使用される、ゼンハイザーMD421(ダイナミックマイク)。アンプ以外にもスネアやタムなど、ドラムでも使うことが多い。通称「クジラ」と呼ばれている
 

世界中のスタジオでボーカルレコーディングに使用されている、ノイマンU87というコンデンサーマイク。非常に幅広い帯域を捉えることができ、シンガーやプレイヤーのニュアンスを余すことなく収音できる
 

こちらもモニタリングでは定番の密閉型ヘッドホン、ソニーMDR-CD900ST。ギターやキックなどの音の立ち上がりがとても速く、リズムに合っているかどうかの判断がしやすいため、特にミュージシャンが歌や楽器をレコーディングする際に使用される
 

上はユニバーサル・オーディオ1176(コンプ)。世の中に流れている音楽で、これを通していないものはないと言っても過言でない定番機だ。下はニーヴ1073という、これまたスタジオではスタンダードなマイクプリ。もともとはコンソールに組み込まれていたが、マイクプリ部を抜き出して使っている場合が多い
 

世界中のスタジオにセットされているヤマハのモニタースピーカーNS-10M。周波数特性がフラットで、音楽を制作するうえで不要な味付けがない

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