人工知能(AI)がダンサーをピアニストに

ヤマハ、ダンスでピアノを演奏するコンサート「舞・飛天遊」の一部を動画で公開

ヤマハ、ダンスでピアノを演奏するコンサート「舞・飛天遊」の一部を動画で公開

2017/12/27


ヤマハが、11月22日(水)に東京藝術大学奏楽堂で開催されたコンサート「舞・飛天遊」(主催:東京藝術大学、東京藝術大学COI拠点)に技術協力を行ない、“ダンスによるピアノ演奏”の実現に挑戦した。

同社が研究開発を進めている「ダンス認識ピアノ演奏システム」によって、世界的ダンサーの森山開次(もりやまかいじ)のダンスに呼応して自動演奏機能付きピアノ「Disklavier™」がメロディーを奏で、世界的名演奏家集団のベルリンフィル・シャルーンアンサンブルとの共演をはたし、今回その様子の一部を動画で公開した。

ヤマハが研究開発を進める「ダンス認識ピアノ演奏システム」は、人工知能を活用することで、人間の動きをリアルタイムに音楽表現に変換することを実現。人間に装着した4種類のセンサー(伸縮センサー、筋電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー)の情報をもとに、人工知能が瞬時に動きを解析。動きに関連付けられた演奏データを当社の自動演奏機能付きピアノ「Disklavier™」(ディスクラビア)に送ることでダンスを音楽に変換する。

演奏データには、動きの機微を表現するデータも含まれているため、僅かなタッチの違いも極めて正確かつ豊かな音色で再現することができる「Disklavier™」の存在が不可欠となる。さらに今回は、ニューヨーク・タイムズ紙に“驚異のダンサー”とも称された森山開次の表現力に応えるために、コンサート用グランドピアノのフラグシップモデル「CFX」の「Disklavier™」を特別に使用。同氏のダンスを余すこと無く音楽表現に変換することに挑戦した。

披露された曲目は、松下功(作曲家 / 東京藝術大学副学長)が作曲した《飛天遊》を今回のために再構成した《舞・飛天遊》。コンサートでは、ベルリンフィル・シャルーンアンサンブルも共演に加わり、ダンスと音楽の世界的才能がヤマハの技術とともに「身体と音楽の融合表現」を切り拓き、会場は大きな拍手に包まれた。

ヤマハは2015年より、文部科学省と科学技術振興機構の事業「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)の拠点の一つ「東京藝術大学COI拠点」に参画。今回の協力はその活動の一環として行なっており、新しい演奏表現のあり方を追求するための着実な一歩となったと考えているという。

関係者コメント(敬称略)

ダンサー:森山開次
“ダンスで演奏している”という感覚もある一方で、いつも以上に“踊りを見せる”という部分を意識する瞬間があり新鮮な楽しさを感じました。人工知能が自分のダンスを音楽に変えるというプロセスを通じて、“想いや行動を察知する”という人間の能力の凄さに改めて気付かされました。

ベルリンフィル・シャルーンアンサンブル メンバー代表: ペーター・リーゲルバウアー
我々は《飛天遊》という曲を何度も演奏してきましたが、ダンスとピアノが織りなす《舞・飛天遊》からは全く違った新たな作品性を感じることができました。素晴らしい取り組みに参加できたことを光栄に思います。

東京藝術大学 副学長、作曲家: 松下功
芸術は時代に合わせて変化していくことが求められます。人工知能でダンスを音楽にするという取り組みは、まさにそのためのチャレンジでした。また今回は、演奏家と作曲家のみならずダンサーやエンジニアまでもが音楽表現に直接的に関わりました。音楽作品の制作スタイルとしてもチャレンジングで、新しい可能性とこれまでにない大きな感動を感じた取り組みとなりました。

ヤマハ株式会社 研究開発統括部 第1開発部 部長: 田邑元一
まず、今回の挑戦に様々な形でご協力をいただいた関係各位に深く感謝したいと思います。ヤマハにとっての人工知能は“人間と楽器の架け橋”となるような存在ではないかと考えています。さらに自由にダイレクトに人間の表現を楽器に伝えることができるように引き続き開発を続けていきます。

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