数多くのストリングスシンセサイザーを収録した注目音源

UVI「String Machines 2」をいち早くレビュー!

UVI「String Machines 2」をいち早くレビュー!

2018/07/10


ソフトウェア・インストゥルメントを精力的にリリースし続けるUVIから、新しいソフトシンセ String Machines 2が発売になりました。今年になってすでにほぼ毎月、何かしらのリリースを行なっているUVIですが、今回はビンテージシンセです。同社のラインナップを見ていくとビンテージシンセをベースにしたものが多く、思いも強いようですね。ではどれほどのものか、早速見ていきましょう。

 

String Machines 2

String Machines 2はその名前から察することができるように、ストリングスシンセサイザーに特化したライブラリーです。ストリングスシンセサイザーというのは1970年代、まだデジタルサンプリングが楽器に用いられる前の時代に、アナログシンセサイザーでオケーストラの弦楽器アンサンブルを再現しようとして誕生した鍵盤楽器で、アナログシンセサイザーをベースにしているため実際には本物の弦楽器アンサンブルとは似ても似つかない音でした。しかし、当時のメーカー開発者たちが諦めることなく、挑戦し続けた結果、数多くのモデルが誕生し、音に厚みをつけるアンサンブルエフェクトもこれによって生まれたわけです。

やがて80年代に入り、デジタル革新の波が押し寄せると、この類のシンセサイザーは役目を終え、姿を消していきました。String Machines 2を実際に手にしたり、製品のウェブサイトで公開しているマニュアルに記載されているTime Lineという収録モデルを年代順に収録したカテゴリーで確認するとわかりますが、ほとんどのモデルが1980年代前半までとなっています。しかし最後に2014年製のモデルがあることからもわかるように、この類のシンセサイザーサウンドはすくなからず着目されているのです。UVIは、アナログシンセブームよりも少し前、2012年にはストリングスシンセサウンドの魅力に気づき、String Machinesをリリースをしており、Sting Machines 2はそれを大幅強化したシンセ音源なのです。

■Sting Machines 2 収録モデルは62モデル(前バージョンは11モデル)

Omni 2 • Quadra • CRUMAR T3 • Multiman • Performer • Stringman • EKO Stradivarius • ELECTRONICA EM-25 • ELECTRONICA EM-26 • Rhapsody 490 • Rhapsody 610 • Twin 61 • EMINENT 310 • EMINENT K150 • Morpheus • EXCELSIOR Strings Synthesizer K4 • FARFISA Polychrome • Soundmaker • FARFISA String-Orchestra • FARFISA Syntorchestra • FORMANTA EMS-01 • FREEMAN String Symphonizer • Godwin Symphony 249 • HOHNER String Performer • HOHNER-LOGAN String Melody • HOHNER-LOGAN String Melody II • JEN SM2007 • Junost-21 • Delta • EPS-1 • Lambda • Poly Ensemble 1000 • Poly Ensemble 2000 • Symphony O3 • Trident Mk1 • LOGAN Big Band • LOGAN Piano String Synthesizer • LOGAN Vocalist • Opus 3 • Matrix-12 • PAiA Strings • Russian Opus • RS-09 • RS-101 • RS-202 • RS-505 • VP330 Mk1 • VP330 Mk2 • SCI Prelude • SIEL Cruise • SIEL Orchestra • SOLINA • SOLTON Programmer 24 • TEISCO SX400 • German Box • CE20 • CE25 • SK15 • SK20 • SK30 • SK50D • SS30
 

String Machines 2

上記の中には大変希少なモデルもあるので、よくここまで集めたなと感心します。また、中心モデルと比較すれば新し目のデジタルシンセのシンセスト リングスサウンドもあったり、実機が持つストリングス以外のサウンドも入っていたりしますので、単にシンセストリングスだけではない幅広さもあります。
 

■インストールの方法

String Machines 2はUFSという形式のファイルで、無料のUVI Workstationというソフトの音源ライブラリとして使う形となります。また、コピープロテクションにiLokを使用しているので、購入をしたらシリアル番号とiLok IDを登録して、UVI Workstationと製品をダウンロードとインストールをするという流れになります(インストール後、iLokの認証を行えば使用可能になる)。ここまで書くと繁雑に思えますが、UVIはフランスのメーカーとはいえ、日本語サービスも充実していますので、これらの一連の作業は安心して進められるはずです。

■String Machines 2はどういうシンセか?

簡単に解説しますと、独立したアンプEQ、フィルターとフィルターEQ、アルペジエーターを持つ2つのオシレーターレイヤーのシンセです。それぞれのオシレーターで、シンセモデルを選ぶ感覚で波形を設定し、LFOとステップシーケンサータイプのモジュレーターでモジュレーションをかけ、最終段のディレイやリバーブを含む一連のエフェクトで音を仕上げて感じとなります。
 
String Machines 2

 

【メインページ】
String Machines 2を開くとこの画面が表示されます。2つのオシレーターが画面上半分に表示されていて、下半分はアンプリチュードとフィルターです。オシレーターは個々に設定することが可能ですが、全部のパラメーターを同時に表示すると画面が大きくなってしまうので、スイッチでOSC1と2を切替える形です。2つのオシレーターは全く同一で、合計62モデル、842の音色を選んで構築していくわけですが、同じ音色を選んで、違うパラメーター設定で変化をつけたり、全く異なるシンセモデルを重ねて、UVIの言うオリジナルのハイブリッドシンセを作ることも可能です。

また、この画面で注目しておきたいところは、オシレーター選択に1+2があるのと下にBALANCEノブが用意されていることです。1+2は2つのオシレーターレイヤーを同時に設定する際に使用し、BALANCEノブは2つのレイヤーバランスをとることが可能です。このノブをMIDIコントローラーで操作できるようにしておくと幅のある演奏ができるでしょう。
 

String Machines 2

 

【エディットページ】
メイン画面には収まりきれなかったシンセパラメーターがここに用意されています。メイン画面のアンプリチュードとフィルター同様、オシレーター毎の設定になりますが、オシレーターといっても実機の音色をベースにしているものもあるので、これらの設定を変えて重ねるだけでも、相当なバリエーションが生まれます。UVIはサンプリングと敬遠する方もいるようですが、サンプリングの方が実機の質感をダイレクトに感じられるし、オシレーター自体の音がしっかり出来上がっているので、その先の音作りの作業時間が短く済む利点もあると思います。
 

モジュレーションページ

 

【モジュレーションページ】
ここはモジュレーションの設定になります。左半分はUVIシンセでお馴染みのステップモジュレーターと呼ばれる16ステップのシーケンスモジュレーターで、アルペジエーターやステップシーケンサーのように棒グラフをマウスドラッグすることで音に動きをつけて、オシレーターボリュームとフィルターに適用する深さを決めていきます。これならばサイドチェーンを使うことなく、ゲート効果を作る際にも便利ですね。右半分はLFOで、LFO波形を選び、オシレーターパラメーターを設定するだけのシンプルかつ効果的な仕様になっています。
 

エフェクト
エフェクトUVI

【エフェクトページ】
オシレーター1と2の出力ミックスを仕上げていくのがこの画面になります。クロスオーバーポイントを設定可能な3バンドEQ、歪み、コーラス、フェイザー、アンサンブル、ディレイ、リバーブと並び、ここで注目しておきたいのがENSEMBLEです。これはRoland RS-505に装備されたアンサンブルエフェクトを忠実に再現したものでコーラスとは違った質感を持った、シンセストリングスには絶妙に合うモジュレーションエフェクトです。また、コーラスのTHORUS、リバーブのSPARKVERBは単体のプラグインとしても販売している代物。どれも定評の品質であるのが魅力です。そしてUVI Workstationの”fx”ボタンで隠れたパラメーターやエフェクトにもアクセス可能です。

アルペジオ
【アルペジエータページ】
UVIではお馴染みのデュアルアルペジエーターの画面。String Machines 2のオシレーターごとに用意されたアルペジエーターで、これによって複雑なサウンドバリエーションが実現します。
 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

ここまで見てきた通り、本製品はビンテージシンセをベースにしていますが、アンサンブルエフェクト以外、実機のパラメーターは存在しません。しかし、その温もりが十分に感じられるのは圧倒的なサウンドの量です。シンセストリングスのサウンドアーカイブという側面だけでも価値がありますが、それを利用して新しい音を構築したり、オシレーターのところに実機の写真が出てくるだけで、ワクワク度が全く違います。前バージョンのユーザーなら間違いなく手にした方が良いと思います。

なお、ここまで機能を中心に紹介してきましたが、オフィシャルのYouTubeチャンネルでは、デモビデオがアップされているので合わせてチェックされると良いでしょう。さらにオーディオデモも充実しているので、音質に関する参考はそちらで…

String Machines 2はシンセストリングスをベースにしながらもリードからアンサンブルまで幅広くつかえる温故知新なシンセ音源です!

価格:11,000円(税抜、国内販売店)/ 99ドル(UVIストア) イントロプライス:8,000円(税抜、国内販売店)/ 74ドル(UVIストア)2018年7月11日まで アップグレード価格:39ドル(UVIストアのみ、String Machines/Vintage Vault/Vintage Vault 2ユーザー対象)2018年7月11日まで
 

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