オリジナルでは通算19枚目となるアルバムをリリース!

人間椅子『怪談 そして死とエロス』インタビュー

人間椅子『怪談 そして死とエロス』インタビュー

2016/02/05


一昨年に25周年を迎えたハードロックバンド、人間椅子がニューアルバム『怪談 そして死とエロス』をリリースした。ここでは、アルバムのタイトルに込められた意味やコンセプト、さらには昨年2度目の出演をはたした「OZZFEST JAPAN 2015」の裏話などについて聞いてみた。ファン必見のインタビューだ!
取材:橋本周大(編集部)

「泥の雨」はアルバムのスタートと言える曲ですね by和嶋

和嶋慎治(Vo,Gt)

──まず、本作のコンセプトについて教えて下さい。

和嶋:人間椅子は25年以上活動を続けてきましたが、ここ5、6年でライブを見に来てくれる人が増えてきたんです。そういうこともあり、他にもいるであろう“名前は知っているけど、あまり曲を聴いたことがない”という人にも間口を広げて、キャッチーな切り口でアルバムを作りたいと思いました。前作は『無頼豊饒』(ぶらいほうじょう)というアルバムだったのですが、タイトルが少しわかりづらかったかもしれないなと。今回は、人間椅子のおどろおどろしいハードロックを基本にしながらも、ただ気持ち悪いのではなく怖さとポップさを重視しました。結局、歌の中で言いたいことは“生きることは素晴らしい”とか“一生懸命やることはすごく良い”といったことで。「怪談」という言葉にすると、キャッチーでもあり伝えたいことが言えるかな、と思いまして。それでこのタイトルにしてみました。

──お二人は和嶋さんから本作のタイトルやコンセプトを聞いた時、どのように感じられましたか?

鈴木:“このタイトルだと曲が作りやすいな”と思いましたね。まぁいつも通りに作っても『怪談』に当てはまるんだけど、より一層わかりやすい。『無頼豊饒』とか言われても曲を作るのに…(笑)

和嶋:そう! “多分作りづらいな”と思った(笑)

鈴木:今回はいつもの人間椅子よりもハードに行けば良いとすぐにイメージできました。ちなみに、いくつか曲を作っていたんですけど、合わないなと思って外した曲もありましたし。良い感じにダークかつハードなアルバムになったと思います。

ナカジマ:僕もまず一番最初に感じたのは親しみやすいということ。和嶋君らしいな、と思って。

──その“和嶋さんらしい”というのは?

ナカジマ:西洋ではなく昔から語り継がれている日本のものに着眼したことや、怖さの中に優しさや温かさのようなものを見出したところですね。

和嶋:最初にコンセプトを決めるとアルバム制作がやりやすいんです。これは大事で、毎回アルバムを作るごとにコンセプトは決めるようにはしています。それと『怪談』というタイトルだと、なんかちょっと売れそうですからね!(笑)やはり、キャッチーさは大事なんだと完成したものを聴いて改めて感じました。曲全体がタイトルに沿って、どこかしらにポップさを持ってるんですよ、どんなハードな曲でも。あぁこのタイトルにして良かったなと。

──では、収録曲はすべてアルバムのために書き下ろしたものなのでしょうか?

和嶋:「泥の雨」は一番最初に作ったのですが、この曲はアニメ『ニンジャスレイヤー』のエンディングテーマ用に書いた曲なんです。この曲を作った時に次のアルバムに入れたいと思いましたし、この曲を作ることによってテーマが決まっていきました。アルバムのスタートと言える曲ですね。他の曲は、もちろん本作のために作った曲で、既存の曲は無いですね。やはりアルバムを作ると、それまでに溜めていたり思っていたことをすべて吐き出す感じで制作するので。基本的に不採用の楽曲は次の作品では使わないです。まれにそうじゃない曲もありますけど。

──アニメのタイアップ曲とアルバムの楽曲を作るのとではアプローチも異なったのでしょうか?

和嶋:そうですね、1曲だけでバンドを表現しないといけなかったので。『ニンジャスレイヤー』は毎回違うアーティストさんがテーマを担当するという企画だったんです。ということは色々なアーティストさんの曲と聴き比べられるわけなんです。なので、人間椅子らしくヘヴィなサウンドと文学的な歌詞を強調したいと思って作ったので、アルバムの曲を作るのとではやや意味合いが違いましたね。

──ところでアルバムの曲順はどのようにして決められたのでしょうか?

和嶋:全体の流れですね。そこは毎回大事にしています。今は配信で1曲を楽しむ時代ですけど、僕らの世代は“1枚通してどれだけ飽きずに最後まで聴けるか”というところが醍醐味だと思っているんです。だから、その上で同じ曲調のものが続かないようにしました。全体としてドラマになっているように聴いてもらえればと。

──その中で「ここの曲順は悩んだ」というところはありましたか?

和嶋:大体、曲順を決めるのはレコーディングの終盤に焦りながら考えているんです。曲名を紙に書いて並べ替えたりしながら(笑)。でも、自然にこの曲順になりましたね。その上で少しだけ悩んだのが、最後の曲ですね。これまで、アルバムの最後はヘヴィロックで終わっていたんです。全体の流れを見たらいつもとは曲調が違うけど、「マダム・エドワルダ」で終わるのが良い流れだというところに行き着きました。

鈴木:最初と最後が決まればポンポン決まりますね。その中で、曲のボーカルが“和嶋、和嶋、和嶋、鈴木”にならないよう“和嶋、鈴木、和嶋、鈴木”といった並びになるよう工夫はしました。そうすれば飽きずにアルバムを聴いてもらえるかなと。

和嶋:実は最初、感覚だけで順番を決めたんです。そうしたら、同じようなサビの曲が続いているということがありまして(笑)。なので曲を頭の中で1回リピートさせながらやり直しましたね。うっかり決めるとそうなるんです。

──ナカジマさんがボーカルを担当されている「超能力があったなら」の曲順はすぐに決まったのですか?

和嶋:この曲はテイストが違うので、最初は前半の終わりぐらいにしようとしたんです。ただ、ライブのように終盤に一旦空気を変えて最後に行くというような流れの方がしっくりきたので10曲目にしました。

──作曲者がボーカルを担当するというのは最初から決められていたことなのでしょうか?

和嶋:やっぱり、基本的には作った人が歌うというのが一番良いと思うんですよ。

ナカジマ:これは今回のアルバムに限ってではなく、人間椅子の楽曲というのは毎回作曲者がボーカルを務めているんです。

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『怪談 そして死とエロス』
初回限定盤(CD+DVD)


¥3,704(税抜)
TKCA-74333


1 恐怖の大王
2 芳一受難
3 菊花の数え唄
4 狼の黄昏
5 眠り男
6 黄泉がえりの街
7 雪女
8 三途の川
9 泥の雨
10 超能力があったなら
11 地獄の球宴
12 マダム・エドワルダ


〈DVD収録内容 全5曲〉
・阿呆陀羅経
・ねぷたのもんどりこ
・夜叉ヶ池
・黄金の夜明け
・見知らぬ世界
(2015年7月24日に渋谷TSUTAYA O-EASTにて行なわれた『屋根裏の散歩者~「現世は夢」ライブDVD発売記念ツアー~』のライブより)

『怪談 そして死とエロス』
通常盤(CD)


¥2,685(税抜)
TKCA-74337


1 恐怖の大王
2 芳一受難
3 菊花の数え唄
4 狼の黄昏
5 眠り男
6 黄泉がえりの街


7 雪女
8 三途の川
9 泥の雨
10 超能力があったなら
11 地獄の球宴
12 マダム・エドワルダ

怪談 そして死とエロス リリース記念ワンマンツアー

2/19(金) 大阪心斎橋 BIGCAT
2/21(日) 四国高松 Olive Hall
2/23(火) 熊本 B9
2/24(水) 博多 Be-1
2/26(金) 名古屋 Electric Lady Land
2/29(月)広島 CAVE-BE
3/1(火)神戸 Chicken George
3/4 (金) 仙台 enn 2 nd
3/6 (日) 青森 Quarter
3/8 (火) 宇都宮 HEAVEN'S ROCK
3/11(金) 札幌 cube garden
3/13(日) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
3/14(月) 秋田Club SWINDLE
3/16(水) 千葉 LOOK
3/19(土) 赤坂 BLITZ

人間椅子

1987年 もともと高校の同級生であったギターの和嶋慎治と、ベースの鈴木研一によりこのころ結成。コンセプトは、当時よくコピーしていたBLACK SABBATHなどの70年代ブリティッシュ・ハード・ロックのサウンドに、あえて日本語の歌詞を載せるというもの。
バンド名は、江戸川乱歩の小説からとった。
ドラマーは流動的であったが、鈴木の大学の先輩の友人であった上館徳芳(北海道出身)で固まる。メンバー2人の出身地である津軽地方の方言を取り入れたり、 津軽三味線の奏法を導入したりと、既にこの頃基本的サウンドもでき上がる。
1989年 平成元年、TBSテレビ系列の「平成名物TVイカすバンド天国」に出演。演奏もさることながら、鈴木のネズミ男に扮した奇抜な衣装が評判を呼ぶ。
1990年7月、メルダックより「人間失格」でメジャーデビューをはたす。
1992年 この年発表の「黄金の夜明け」を限りに、上館徳芳が脱退。
1993年 「羅生門」発表。後藤マスヒロがサポートメンバーとして参加。
1995年 インディーズレーベルであるフライハイトより、「踊る一寸法師」を発表、ドラマーは土屋巌となる。
1996年 月刊アフタヌーンに好評連載中の漫画「無限の住人」のイメージアルバムが、ポニー・キャニオンよりシングルともども発売される。このアルバムのツアー前に、土屋巌が脱退。正式メンバーとして、後藤マスヒロが再加入することになる。
1998年2月、トライクルより通算7枚目にあたる「頽廃芸術展」を発表。録音は、メンバー2人の地元である青森県弘前市のライブハウス、Mag-Netと亀ハウスで行われた。7月、メルダックより旧譜4枚が揃って再発、これを機に再びメルダックと契約を交わす。
2003年11枚目のオリジナルアルバム、「修羅囃子」発表。 12月、渋谷O-Westでのライブを最後に、後藤マスヒロが脱退。
2004年6月、ドミンゴス等で活躍中のナカジマノブが、新ドラマーとして加わる。9月、オリジナルアルバム「三悪道中膝栗毛」発表。精力的にライブ展開。
2006年2月、オリジナルアルバム「瘋痴狂」発表。
2007年8月、オリジナルアルバム「真夏の夜の夢」発表。
2010年12月、満を持して初のライブアルバム「疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!!」(DVD付)を発表。音源、映像とも、その年の7月に行なわれた東名阪ワンマンツアーの白熱した模様を収録。
2011年8月、震災後の現実へ歩み出す意味を込めたアルバム「此岸礼讃」を発表。
2013年5月12日、世界的ロックイベントであるOZZFEST JAPAN 2013に出演。敬愛してやまないBLACK SABBATHと同じステージに立ち、渾身のパフォーマンスを繰り広げ、大好評を博す。8月、その勢いのままにオリジナルアルバム「萬燈籠」発表。
2014年 6月、バンド生活25年を記念し、前作から一年と経たずに自身22枚目(ベスト盤含む)にあたる「無頼豊饒」発表。

 

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