ライブ&ドキュメンタリー映像作品も同時リリース
BIGMAMA「SPECIALS」インタビュー
BIGMAMA「SPECIALS」インタビュー
2016/03/08
お客さんと一緒にシンガロングできる楽曲が欲しくて作ったのが「SPECIALS」
金井:昨年リリースした通算6枚目のアルバム『The Vanishing Bride』が、自分たちにとって最高傑作だったと心から思っているんですね。音楽的に何か成し遂げたこと、音楽シーンにおいて唯一無二の存在となることができたんじゃないかなと。ライブもそれに呼応して、ものすごく手応えのあるものになったんですね。で、10周年ではあるんですけど“やっとここまで来たな”というよりも、ハッと気付いたら10年経っていたという感じで(笑)。あくまでも自分たちにとっては、その時その時を一生懸命やってきた結果という感じなんですよね。とはいえ記念すべきことだし、バンドとして10年も続いてるのはすごいことだと思うので、そこは応援してくれているファンや、支えてくれているスタッフに向けての作品を作りたいなと。それにふさわしい曲って何だろうと考えたときに、表題曲として「SPECIALS」がすぐに思い浮かびました。
──すでにライブでも披露している「SPECIALS」は、どのようにして生まれた楽曲ですか?
金井:昨年末にホールでのイベントがあって、それって普段自分たちが主戦場としているライブハウスやフェスとは趣が違ってたんですね。そういう、オーディエンスが客席からしっかりとパフォーマンスを観るような場所でも、耐えうる曲をちゃと作ろうっていう意識が芽生えて数年経つんですけど、曲の中でのオーディエンスとのコミュニケーションが濃いのって、そういう曲なんですよ。「SPECIALS」はまさにそうで、一度聴いただけでお客さんがすんなり覚えてくれて、一緒に“シンガロング”してくれるようなタイプの楽曲が欲しくて作った楽曲なんです。僕らなりのシンプルイズベストな曲というか。すごく手の込んだ料理の後に出す、素材だけを生かした味みたいな感じ(笑)。
──カップリング曲「A Chocolate Ghost」はどのようなイメージで作られたのでしょうか?
柿沼:最初は“普通に良い曲を”という流れでアレンジを考えていたんですけど、やっているうちに遊び心が爆発してしまって。曲の後半でリズムを2ビートにしたら面白いんじゃないかと。実際やってみたら、ものすごく楽しかったですね(笑)。
金井:割と最初の段階から、キーワードとして“遊び心”っていうのはあったんですよ。表題曲がシンプルでストレートな分、カップリング曲では何をやってもいいんじゃないか、思いっきり実験してもいいんじゃないかと思って。メチャクチャマニアックなアレンジなんだけど、聴いている人には“面白い!”って思って貰えば良くて。難しいことを簡単そうに演奏するっていう、そういう“大人の遊び心”もBIGMAMAの持ち味というか、チャームポイントだと思うんですよね。
──作曲のクレジットは「BIGMAMA」名義になっていますが、普段、曲はどのように作っているのでしょうか。
金井:大抵は、僕か柿沼が大まかな曲のアウトラインを考えて、それをもとにセッションしながら詰めていきます。例えば「SPECIALS」は、楽曲の脳みそというかメッセージの部分は僕が考えて、柿沼には作曲の段階の骨組みのところ、構成の部分を相談しました。そして、1コーラス分でき上がったら、それをPro Toolsに録音してそのまま進めるかボツにするかを、一度持ち帰ってから決めるというパターンです。
──しばらく寝かしておいてから仕上げることもありますか?
金井:たくさんありますね。“これはちょっと早いな”と思う曲もあるし。
柿沼:あるいは、その曲のサビが別の曲のCメロになったりすることも結構多いですね。なので、アイデアを持ち寄るときは、それがどんな風に展開していくか予想もつかないところが面白かったりします。
金井:時期によって、曲の作り方も変わってきましたね。自分の中でイメージがはっきりとあって、それをなるべく忠実に形にしたいときもあれば“美しい曲”とかそういう言葉だけのザックリとしたイメージだけ持って行って、それをバンドで形にしていくときもあります。なので“こういう作り方にしよう”といったように、あまりルールを決めないようにはしているんですよ。色々な作り方をしてきたので、言葉から始まってもセッションから始まっても、どんなやり方でもバンドとして1曲に仕上げる力は身についたと思いますね。
──楽曲の最初のモチーフは、どのような時に思い浮かぶことが多いですか?
金井:ゼロをイチにする作業は、楽曲を持っていないことが多いですね。メロディやリフが浮かぶ瞬間っていうのは、こうやって話しているときかもしれないし、何か食べているときかもしれないし、本を読んだり映画を観たりしているときかもしれない。ただ、それがちゃんと姿形を現すのはギターを持って、ちゃんと奏でてみたときということが多いです。
──楽曲のアイディアは、ボイスレコーダーに吹き込んでおいたり?
金井:しますね。誰にも聴かせられないようなアイデアの断片が、iPhoneにはたくさん入っています(笑)。
柿沼:たまに、深夜に音声ファイルが届くこともあります(笑)。本人的に“これはいい!”と思ったんでしょうね。
金井:柿沼は、音の運び方とかコードのバリエーションなど、僕とは違うものを持っているし、バンドの中で唯一メロディを書けるメンバーなので、作曲のときに相談することは多いです。やっぱり長く曲作りをしていると、自分だけだと凝り固まってしまう部分がどうしてもあるんですよ。そういった時に、別の視点をくれるというか、僕が設計者で彼が現場監督みたいな(笑)。そういう関係性が築けているからこそバンドが長く続いているのかもしれないです。
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