タカハシヒョウリを直撃! アナログテープ録音を駆使した待望のメジャー1stアルバム
オワリカラ『ついに秘密はあばかれた』インタビュー
オワリカラ『ついに秘密はあばかれた』インタビュー
2016/05/20
歌詞を書く時は、多少意味がわからなくても僕の中でしっくりくる言葉をチョイスしています。
タカハシ:もともとメンバーはそれぞれ違うバンドで活動していて、下北沢の屋根裏などで対バンをしてたんですよ。そして、これはバンドあるあるなのですが、就職する22歳ぐらいで結構多くのバンドが解散するんです。それで僕を含め他のメンバーのバンドもなくなったんです。でも僕はずっと音楽をやっていきたいという思いがあったので、自分のやりたいことが実現できるバンドを組もうと決心したんです。僕はメンバーそれぞれがスゴい主張しているレッドツェッペリンとかが好きなんですが、そんなバンドがやりたくてオワリカラを8年前に結成しました。
──というと、タカハシさんがバンドを始めたきっかけもツェッペリンなのですか?
タカハシ:いえ、バンドを始めるきっかけは洋楽のロック、特にニルヴァーナです。当時僕は中学生でニルヴァーナは既に解散していたのですが、初めて聴いた時 “ロックバンドってカッコいい! ”って単純に思ったんです。それまで僕は漫画家になることを志していまして。実際に雑誌などに投稿をしたりしていました。でも、ある時 “俺には根気が無いから漫画家の才能がない ”ということに気づいたんです(笑)。その同時期にニルヴァーナに出会って音楽に目覚めたんですが、他にはゆらゆら帝国やBLANKEY JET CITY、サニーデイサービスなんかの日本のロックも好きでした。ただ、高校生になっても趣味が合う人が現れなくて宅録をやってまして。その後、ライブハウスに出入りするようになって仲間とも出会って。念願のバンドも結成しました。
──そうだったんですか。では、今回の待望のデビューアルバム『ついに秘密はあばかれた』について教えてください。
タカハシ:『ついに秘密はあばかれた』は「カルトでポップ」ということを掲げていて、制作し始めたのは約2年前。前半6曲と後半6曲でレコーディング時期が異なっていて、イメージとしてはアルバム2枚分を今回1枚に集めた感じです。後半の6曲の方が古くて、一昨年にレコーディングしたんですけど、当時はメジャーデビューもまったく決まっていない頃でした。僕らは今までインディーズで4枚アルバムを出しているのですが、オワリカラに合った音というのがなかなか発見することができなくて。もちろん過去の作品は良いものだと思って作っているんですけど。今回、ライブ感を持った音を出したくて、 “改めて自分で新たな発明をしよう ”と決心して後半6曲をレコーディングしたんですね。結果、この6曲はオワリカラの一番ディープなところを表現でき、今まで開けられなかった引き出しを開けることができたと思っています。
──なるほど。では、具体的に「今夜のまもの」はどのようにして作られたのでしょうか?
タカハシ:僕は曲を作る時、歌詞とメロディの両方が同時に出てくることが多いんです。言葉とメロディが同時に出てくるんです。もちろん全部の曲がそういうわけではないのですが、「今夜のまもの」、「へんげの時間」、「世界灯(ワールドライト)」なども、“俺ワード” というか僕のオリジナルワード達を思い浮かべてそこから拡げて作りましたね。パートは “こんやのまものはわたしがここでくいとめてみせましょう” という部分がパッと浮かんで、サビは割と最後の方に出来ました。曲を作る時は一人でギターを弾いたりメンバーとセッションをしながらすることが多いです。
──歌詞はどのようなことをイメージして書かれたのですか?
タカハシ:実は、僕自身「今夜のまもの」って何なんだろうと思っているんです(笑)。内容としては、日頃のちょっとした憂鬱だとか退屈といったものを表現しています。
──色々な情景が描かれた歌詞ですよね。
タカハシ:歌詞を書く時は、僕の中にしっくりくる言葉をチョイスするんです。この曲で挙げると「ジャングル」だとか。それがメロディと絡み合った時に感じる気持ち良さを大事にしています。聴いてる人が “これってどういう意味なんだろう?” って脳で考えてしまって、曲のスピード感と言葉にズレが生じてしまうのがスゴく嫌なので、意味がわからなくても “音楽と合わさるとなんか良い” というスタンスで歌詞を書きますね。
──レコーディングで歌う際にはどのようなことを心掛けましたか?
タカハシ:「今夜のまもの」は、マジシャンというか詐欺師っぽさです。歌詞の “お兄さんお姉さん” って昭和のペテン師っぽいじゃないですか。それと、サイレント映画で喋る活動弁士の口上をちょっとイメージしながら歌いました。
──ギターは何を?
タカハシ:Fenderのストラトキャスターです。僕は左利きなので右利きのストラトを逆にした、いわゆる “ジミヘン持ち” をしているんですが、左利きのギターって中々良いものに巡り会えないので、右利きから探した方が早いんですよね。でも、SGやテレキャスってカッタウェイが上にあるので物理的に左で弾けなくて。ただやはり、ストラトの音が好きだということが愛用している一番の理由です。
──音作りはどのように?
タカハシ:今回のレコーディングではアンプを3〜4台使っているのですが、この曲はVOXを使っています。エフェクターはIbanezのチューブスクリーマー「TS10」で、アンプのサウンドキャラクターを変えずにゲインを稼げることがポイントです。
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