15周年企画コラボベストアルバム
ORANGE RANGE『縁盤』インタビュー
(YAMATO/NAOTO)
ORANGE RANGE『縁盤』インタビュー
2016/08/05
沖縄県出身・在住の5人組ロックバンド、ORANGE RANGE。彼らがバンド結成15周年を記念したコラボベストアルバム『縁盤』をリリースした。アルバムのタイトルには、縁(えん/ゆかり)によって強く結ばれてきた絆(きずな/ばん)という意味が込められているという。ここでは、バンドのメンバーを代表してYAMATOとNAOTOの2名に、今作のコンセプトや制作でのエピソードを中心に話を聞いた。
取材:黒田隆憲
──まずは、ベストアルバムであり、コラボアルバムであり、再録アルバムでもある今作『縁盤』を作るに至った経緯を教えてください。
YAMATO:今回、デビュー15周年ということで色々準備を進めてきたんですけど、ただのベストアルバムだと過去に2枚出しているし、違った形でやりたいなと。その一つが、「過去の曲を今のORANGE RANGEがやったらどうなるんだろう?」というアイデアから再録することが決まったり、今までのベストと同じ選曲になってしまってはつまらないので、公式サイトでファン投票を募ったりしました。コラボに関しては、僕らが数年前から企画している「縁舞」というイベントがあるんですけど、世代を問わず色んなジャンルの人たちとツーマンをやっているんですが、そのエッセンスも取り入れたいということから、こういう形のアルバムになりました。
──単発の企画アルバムではなく、ここ数年のORANGE RANGEの活動の集大成的な内容になっているわけですね。今回の収録曲の中で、特に思い入れのある楽曲というと?
NAOTO:「以心電信」はシングルになっていないんですけど、ファン投票では上位に上がっていた曲なんです。それだけみんなに好きでいてもらっている曲になったので、愛着はありますね。このアルバムの目玉になるんじゃないかと思って、僕はマストで推しました。
YAMATO:僕は「キリキリマイ」ですかね。デビューシングルということで、かなり思い入れがあるし、右も左も分からないまま上京してレコーディングしたので。それをまた、一発録りという形で、今のライブの雰囲気を封じ込めることができたので、原曲とはまったく違う音質になっているところとか、注目してもらえたら嬉しいです。
──コラボレーションの相手はどのように決めましたか?
YAMATO:「縁舞」で一度共演した人もいますし、高橋幸宏さんのように、僕らがずっと憧れて尊敬していた方にオファーしたケースもありました。あるいは、僕らの母校である中学生を迎えて一緒にやったりもしました。様々な形ではあるんですけど、この大きな振り幅も、ORANGE RANGEらしいのかなと。
──本当に、「縁」を大事にしてきたORANGE RANGEならではの、財産のようなアルバムになっていますよね。今回、リアレンジする上で心がけたことは?
YAMATO:NAOTOがアレンジを担当した曲は、原曲にわりと忠実で、そこから音数を減らしていった形のデモを持ってきてくれました。YOHが担当した「GOD69」と「鬼ゴロシ」は、かなり尺も違うし展開もどんどん変わっていくので、別モノとして楽しめる曲になりました。
NAOTO:アレンジする前に、昔の音源を聴きながら色々考えるんですよ。最初は「変えよう」と思っていたんですけど、聴くと「悪くないな」と(笑)。別に、なにもいじらなくても良いんじゃないかと思えてきたんですよね。最近はどんどん音数を減らす傾向にあるので、それだけやれば良いかなと。雰囲気とかそのままで十分だし、歌詞も読み直してみると、「いいねえ」って感じなんですよね(笑)。
──自分たちの曲をリアレンジしてみて、何か気づいたことはありますか?
YAMATO:今歌ってみると、キーが合っていないまま勢いで作っていた曲が、初期は多かったのかなって思いましたね(笑)。でも、その勢いが結果的に受け入れられたとも思うので、そうなるとどれが正解かはわからないですよね。すごく不思議な感じでした。正しいキーに直して歌ってみても、そんなに良くなかったりして。あとは、やっぱり初期のアレンジはすごく音数が多くて、ゴチャゴチャしてたなあって思います。年を重ねて、どんどんシンプルにして行きたくなるんですけど、当時求められていたのは、このゴチャゴチャした感じだったんだろうなとか思ったり。結果、今の自分たちの気分に寄せてリアレンジしたんですけど、やりながら色々考えさせられました。
──ギターサウンドに関してはいかがですか?
NAOTO:それも、今の方がシンプルになりましたね。若くて知恵がつき始めた頃は、コードのボイシングなど色々凝ったりしましたけど、今はそういうことじゃないよなって思います。ただ、音色自体はそんなに変わっていないですね。自分のギターサウンドはわりと早い段階でかたまったので、そこからはずっと同じ楽器、同じ機材を使っています。
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