話題の音場再生技術「EXOFIELD」を搭載

とはいえ、「WiZMUISIC30」最大の魅力といえば、やはり“スピーカーそのものと錯覚してしまうくらいリアルなサウンドフィールド表現”だろう。オペレーターがひとりひとり個別に測定を行い、実現させてくれるサウンドは、これまでにあったヘッドホン音場調整、前方定位をアピールする製品とは格別の効果をもたらしてくれる。

◉「EXOFIELD」技術のイメージ

高価だがぜひ手に入れたいと思う商品

今回の取材では、測定場所のひとつとなっているJVCマスタリングセンター赤坂にて様々なテストを行ってもらったのだが（これが初めての経験ではなかったのにもかかわらず）実現力の高さに驚いてしまった。目の前に置かれたリファレンススピーカー（JVC製ウッドコーンスピーカーのスペシャル調整モデル）で聴いた音と全く同じ音場、音色のサウンドがヘッドホンでありながらも楽しむことができるのだ。試しにと、スタジオに設置されたジェネレックのサウンドでも調整してもらったが、こちらもスピーカーで聴くのとそっくりなサウンドを作り上げることができた。「EXOFIELD」技術、そして「WiZMUISIC30」の懐の深さには、驚くばかりだ。
 

たしかに、30万円という価格はおいそれと手を出せるものではないかもしれない。しかしながら、音楽を聴くだけでなく作る側でもある人にとっても、上質な“スピーカー”リファレンス環境を手軽に持ち運べること自体が、とてつもない魅力に感じるはず。その対価を払ってでも手に入れたくなる、素晴らしい製品だ。