THE YELLOW MONKEYのギタリストEMMA(菊地英昭)によるソロプロジェクト
brainchild's(ブレインチャイルズ)『STAY ALIVE』インタビュー
brainchild's(ブレインチャイルズ)『STAY ALIVE』インタビュー
2018/04/06
THE YELLOW MONKEYのギタリストEMMA(菊地英昭)によるソロプロジェクト、brainchild's(ブレインチャイルズ)。2018年12月3日で始動10周年を迎えるという中、メジャーとしては初となるアルバム『STAY ALIVE』が4月11日にソニー(アリオラジャパン)からリリースされた。ここでは、EMMAさんと第7期のボーカルを務める渡會さんの2人に、新アルバムにかける意気込みと制作エピソードを聞いてみた。
取材:東 徹夜(編集長)
EMMA:リハに入り出したのは去年の6月くらいですかね。
──どのようなコンセプト、方向性にしようと?
EMMA:コンセプトは特になかったのですが、このメンバーでやれるだろうという曲のデモを作って。まずは、それをみんなに聴いてもらうところからでした。
──6月の時点では何曲くらいあったのですか?
EMMA:収録曲の半分くらいだったかな。
──渡會さんは、そのデモを聴いたときの印象はいかがでしたか?
渡會:全体像はまだわからなかったですけど、自分としては何かしらのテーマは設けたいなと思っていました。
──ファンの方はどうしてもザ・イエロー・モンキーのサウンドを意識してしまうと思うのですが、その辺りは?
渡會:最初に誘って頂いてミニアルバムを作ったときに、「これはイエロー・モンキーでやろうと思っていた曲なんだよね」って言われたことがありまして(笑)。デモではEMMAさんが歌われているんですけど、僕の頭の中では完全に吉井さんが歌っているんですね。で、「これはやべぇーな、完全に似ちゃうな」と思ったんです。でも、僕もイエロー・モンキーが好きで聴いていた世代ですし、無理に引き離そうとしても血として遺伝子に組み込まれているし。なので、もう無理に違いを出すのはあきらめようと思って。それからは、開き直って「吉井さん、大ファンです!」という感じで寄せに行ったり、あえて真逆な感じにしてみたりして、ごちゃ混ぜにして楽しんでいる感じです。
──では、アルバムの1曲目「Better Day to Get Away」についてお聞きします。この曲は作詞が渡會さん、作曲がEMMAさんということですが、具体的にはどのようなプロセスを経て完成させた曲なのでしょうか?
EMMA:基本的には僕の作ったメロディーにワッチ(渡會)が歌詞を付けてくれたんですが、ワッチ流に歌いやすいように譜割を変えてくれたりもしていて。
渡會:実は、この曲に関しては最初から「これ、1曲目にしようと思っている」って感じでデモをもらったんですよ。それからウソ英語みたいな鼻歌を付けて「このくらい言葉を突っ込んでもいいですか?」とか、「サビのメロディーでは、こんなリズムの言葉で大丈夫ですか」というような確認をしたり。そんなやり取りを何度かさせてもらいながら作っていきました。
──作詞に関してはどのようなアプローチを?
渡會:頭から始まるギターのリフが、勢いはあるんだけど、何となく暗い印象を受けるなと思ったんです。鬱屈した状態から解放するというか。
──EMMAさんからは、歌詞の世界観について何か要望はあったのですか?
EMMA:そこはなかったね。
渡會:歌詞の内容については、暗いことを歌わないようにとか、前向きな内容で締めくくれるようにとか。今まではそんなことを考えていたんですけど、今回はそれを止めようと思って。暗くてもいい、それはそれで投げっぱなしみたいな。あるいは、聴いてもらった人の中で捉え方は自由でいいなと思ったんです。さっきもお話した通り、ギターリフが少し暗い印象を受けたので、歌詞の世界観も意図的に少し暗いものになっています。
──EMMAさんは、この楽曲は頭のギターリフから作られたのですか? それともコード進行とか?
EMMA:気に入る曲って、だいたい両方いっぺんにできちゃうんですよね。なので、この曲もギターリフを弾いていたら、そのままサビにいっちゃったという感じです。イメージ的には、先に出来ていた「TWLIGHT」という曲を意識していて。アンプのリバーブを付けたまま弾けるリフというのが1つテーマになっていたと思います。
──渡會さんというフィルターを通ったことで、最終的に完成した楽曲はデモとはかなり違うものになったのでしょうか?
EMMA:そうですね。Aメロはいい意味で裏切られたところがありましたね。サビは想像していた感じで出来てて、Aメロはもっとカッコ良くなっていました。
──EMMAさんは曲作りはエレキでされるのですか、それともアコギで?
EMMA:両方ありますね。その日に手に取ったものというか(笑)。
──ちなみに「Better Day to Get Away」はエレキですか?
EMMA:これはガットギターですね。実は「ガット」という仮タイトルが付いてて。このリフもデモの時点ではガットで歪ませて弾いていたんですよ。
──この曲で特にこだわった点を挙げるとすると?
EMMA:やっぱりスピード感ですかね。アルバムの1曲目に使おうと思っていたので、サウンド面、曲の印象など「引きずり込んでやる」というものが作りたくて。なので、展開はちょこちょこあるんですけど、割と1つのテーマで「ガッ」と押し寄せてくるような塊が出るように考えました。
──渡會さんはいかがですか?
渡會:1曲目と聞いていたので、何かしらキャッチーなことをしたいなと思って、とりあえず単語を連呼しました(笑)。ただ、そういうギミックを設けながらも、情景をうまく盛り込みたいというのもあって。なので、EMMAさんがbrainchild'sの7期をやる上で掲げている“大人のロック”みたいなテーマを考えながら、ちょっと知的な部分も入れ込んだりしたところがこだわりですかね。
──レコーディングでは、何回くらい歌われたのですか?
渡會:基本的に歌入れの本チャンは3〜4テイクですね。ただ、準備はかなりしています。
EMMA:歌い込んでくるよね。
渡會:歌詞をフィックスするための作業のひとつでもありますから。
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