新進気鋭! ロリータギター弾き語りシンガーソングライター
橋爪もも『夜道』インタビュー
橋爪もも『夜道』インタビュー
2018/06/29
昨年10月、30万部を売り上げた書籍『文庫X』のイメージソング「願い」でメジャーデビューをはたした橋爪もも。そんな彼女がミニアルバム『夜道』を6月20日にリリースした。今作はBSジャパンのドラマ『逃亡花」の主題歌「自由」を含む6曲が収録され、全曲『後悔』をテーマに制作したという。“ロリータギター弾き語りシンガーソングライター” として話題を呼ぶ彼女のインタビューは必見だ。
取材:橋本周大(編集部)
──最初に、橋爪さんのことを皆さんに知っていただくために、音楽的なルーツについて教えてただけますか?
橋爪:家族が音楽をよく聴く人たちだったんです。まず、父がTHE YELLOW MONKEYさんを家で流していて、中でも「球根」が大好きで。あの曲ってロックですけど、結構ダークめな曲じゃないですか。
──確かに、曲調に哀愁が入り混じっているというか。
橋爪:そこからダーク色が強い曲を好むようになっていったんです。ある日、隣の兄の部屋からL'Arc-en-Cielさんの「花葬」が聴こえてきたんです。それで「何だこの世界観は!?」って(笑)。そこからズブズブとダークな世界にハマっていった矢先に、さだまさしさんに出会ったんです。
──スゴい対照的ですね。
橋爪:そうなんです。ただ、さだまさしさんの引き込むような物語調の歌詞作りというのが、今も自分の中に根付いていて。スゴくメンタルな部分を書いたり、ひと言で聞いたらパッと理解できないような歌詞も書きはするんですけど。やっぱり根底に起承転結があって、あるいは伝わらなくても自分の中に物語っていうビジョンがあってという曲作りはさだまさしさんに影響を受けています。
──THE YELLOW MONKEYやL'Arc-en-Cielがルーツとなると、ヴィジュアル系にもハマった時期はあったのでしょうか?
橋爪:バンギャルさんのようにドップリ浸かっていく、というほどではありませんでした。でも、初めて行ったライブはDIR EN GREYさんで。「羅刹国」を歌わず、「体を掻きむしってる!」って衝撃を受けたのを覚えています(笑)。
──初ライブからかなりスゴいバンド見てますね!
橋爪:そもそも「ライブ=怖い」というイメージがありましたし、ライブハウスにも恐怖みたいなものを想像していましたね...やっぱり怖かったです(笑)。でも、それと同時に自分の中で憧れになりました。ただ、デスボイスであったり、激しいパフォーマンスは憧れではあるけれども、自分自身が活動を始めてみると、そういったお客様のテンションを上げるようなパフォーマンスは「自分にはきっとできない」と気付いたんです。そこから自分のやりたいことが明確になっていきましたね。
──では、弾き語りを始めるまでの経緯を教えてください。
橋爪:小学生の頃から歌うのが好きで、次第にバンドを組んでみたいとも思ってきたんです。それで中学生の時に、当時流行っていたネットでバンドメンバーを募集して。そうしたら変な人が釣れてしまいまして(笑)。
──どのような方だったのですか?
橋爪:実際にお会いしてみたところ、「歌を聴いてみたいから」ということでカラオケに行ったんです。そうしたら「このメイド服を着てくれないか?」と。「ヤバい!」と思って逃げました。高校生になって学内で初めてバンドを組んだんです。その時、初めて人前で歌う楽しさを体感しました。
──当時はギターを弾かれていたのですか?
橋爪:まだ一切弾けずボーカルのみでした。それから高校を出た後に、将来のことを考えて音楽と同じくらい大好きな服飾の道に進んだんです。ただ、ずっと心の中に「歌うをやりたい」というモヤモヤっとした気持ちがあって。そんな時に東北の震災が起きて考えが変わったんです。ここでいきなり死んだ時に、「何も悔いはありませんでしたか?」と聞かれたら、「はい」と即答できるはずもなくて。やっぱり歌を歌いたいと改めて思ったんです。
──そうだったのですね。
橋爪:タイミングよく、当時アルバイトをしていたのがカラオケのある居酒屋さんで。お客さんに「歌ってくれよ」と言われて、本当はダメなんですけど店長がOKを出して。そうしたらそのお客さんが「僕のやっているイベントに出ない?」って。個人でイベントをやられている方だったんです。それで初ライブを2週間後にやることになりました(笑)。初めて人様からお金をとって演奏、歌うというのはこの時が初めてでした。
──弾き語りスタイルで出演されていたのですか?
橋爪:オケで歌うこともできたんですけど、やっぱりバンドで出たくて。でも、メンバーを呼ぶツテもないので、アコースティックギターを2週間練習しました。ちなみに、戒めのために当時のライブDVDは今でも見ます(笑)。
──その時使われていたギターというのは?
橋爪:モーリスの深い緑のアコギです。
──自身の衣装製作もされているそうですね。
橋爪:はい、オリジナル曲をやり始めて、応援してくれている人達に応えようという意識が芽生えてからは、自分の持っている技術は全て取り込もうと。それからアーティスト写真やジャケット写真の衣装は自分で製作しています。
──BELLRING少女ハートやSTARMARIEといったアイドルグループの衣装も手掛けられているとお聞きしました。
橋爪:ここ1年ぐらいはちょっとやれていないんですけどね。キッカケはライブ会場に衣装を着て行き、手作りだと言うと「えースゴい! 作って欲しい」と言ってもらえるようになって。その営業が身を結び、口コミで広まって依頼をいただきました(笑)。
──今回のアーティスト写真もとても印象的で、特にハサミのネックレスがとても綺麗です。
橋爪:中心にカメオがあしらわれていて、とても可愛いんです。衣装を製作するようになってから、個人で作られている方のアクセサリーを取り入れるようになって、ハサミのネックレスも個人作家さんの作品を購入したんです。
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