Perfumeらしさが凝縮されたテクノポップ・ナンバー
Perfume「レーザービーム」を解説
【ヒット曲から学ぶ作曲テク その7】
Perfume「レーザービーム」を解説【ヒット曲から学ぶ作曲テク その7】
2015/10/01
こちらのページではJ-POPのヒット曲を例に、その曲に隠された作曲テクニックを紹介する。「Aメロ/Bメロ/サビ」のそれぞれからオイシイ箇所をピックアップしているので、これを読んで曲作りに役立ててほしい。今回はPerfume 「レーザービーム」を取り上げて解説していく。
参考曲:Perfume 「レーザービーム」
4つ打ちのビートとシンセを主体にしたテクノポップ・ナンバー。基本的な曲構成は、2種類のAメロとサビの反復、そして間奏のみとシンプルだ。むやみに凝った展開を入れずに打ち込みならではのグルーヴを出し、サビやシンセのフレーズで強烈なインパクトを残すダンス系楽曲のマナーを守って作られている作品と言えるだろう。 楽曲の中で少し変化を付けたい場合は、トラックを抜き差ししたり、リズムパターンを変えたりして、ブレイク的にバリエーションを付けてみよう。
解説その1:Aメロ(1回目)
1回目のAメロを素直にして、2回目につながる流れを作る
8小節で構成されている1回目のAメロのコード進行。2小節を反復させているような感じで、そのシンプルさが4つ打ちのトラックと相性抜群だ。歌のメロディは、コード進行に合わせて2小節で1つのフレーズになっており、それを少しずつ変化させながら進んでいるので注意して聴いてみよう。前半4小節はマイナー調で、「Am(Ⅰm)→ Em(Ⅴm)」というシンプルな進行を繰り返し、後半は「F→C」で一瞬メジャーに転調したような明るさを感じさせつつ、最後を「E7」にして先頭のコードである「Am」に戻るという流れを作っている。
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最後を「Ⅳm→Ⅴ7」にすると、必然的に「Ⅰ」に戻る雰囲気が出てコード進行をループさせやすい
解説その2:Aメロ(2回目)
2回目は微妙にコードを変えてAmで解決させる
2回目のAメロの8小節ひと回しのパターンは、1回目と同じことを繰り返すのではなく、コード進行を工夫している。 1回目のAメロでは、7&8小節目を「Dm→E7→(Am /2回目のAメロ)」としたが、2回目では「Dm7・Em7→ Am」と8小節目で解決させているのがポイントだ。さらに、4&5小節目のコード進行にもヒネリがあって、1回目は「Em(ミ)→ F(ファ)」という動きだったが、2回目は「F♯m7(♭5)(ファ♯)→F△7(ファ)」にして色気を演出。メジャー7thを使ったことで、その甘い響きがさらに際立っている。
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上のように、「m7(♭5)」から半音下がるパターンはなめらかに下降させるコード進行の定番のパターンなので、覚えておくといいだろう
解説その3:サビ
キュートさを感じる表拍を強調した歌メロのリズム
歌メロはすべて表拍に乗せてフレーズが始まり、ハネたりしない点がポイントだ。裏拍から始まるフレーズも、言葉のスタートやアクセントは直後の表拍に当たる音になる。シンセやシーケンスのシンコペーションを多く含む伴奏のアレンジとは対照的だ。 また、音使いはメジャースケールの4度と7度を抜いた、いわゆる“ヨナ抜き”と呼ばれる日本的なスケールの音使いになっており、これによってどことなく醸し出される和風のテイストがキュートさを感じさせる効果を生んでいる。
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