高速伝送が可能なUSB3.0接続対応モデル

【徹底レビュー】ZOOM「UAC-8」(豊富な入出力を備えた多機能オーディオインターフェイス)

【徹底レビュー】ZOOM「UAC-8」(豊富な入出力を備えた多機能オーディオインターフェイス)

2015/10/20


  • 製品概要

 「UAC-8」は、信号の高速伝送が可能なUSB3.0接続に対応している18イン/20アウトのオーディオインターフェイスだ。入出力が豊富なのに加えて、オプティカル端子やワードクロック用の端子も用意されるなど、プロのレコーディング現場にも対応できる仕様になっている。最高24ビット/192 kHzのハイレゾ音質の録音/再生が可能で、同社のレコーダー「Hシリーズ」の開発で培った技術を投入した高性能なマイクプリアンプを8基搭載。本機を単体のマイクプリとして使用することも可能だ。また、専用アプリ「UAC-8 MixEfx」により、パソコンで詳細な設定を行なうことができる。
 

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価格:オープンプライス(¥67,500前後)
問:㈱ズーム
TEL:0570-078206
 

レビュー


USB3.0接続のため、パソコンの種類を選ばずに使用でき、手軽に高音質が得られる。また、クラスコンプライアント・モードスイッチをオンにするとiPadなどにも直接つなぐことが可能だ

ヘッドホン端子が2基装備されており、例えばプレイヤーとオペレーターなど、2人が同時にモニタリングすることができる

専用アプリ「UAC- 8 MixEfx」が用意されており、内蔵の空間系エフェクトの設定やファンタム電源のオン/オフ、ヘッドホンアウト2用のミックスの作成など、パソコンで様々な操作が行なえる

 今回は、実際にギターとベースをレコーディングしてUAC-8の音質をチェックしてみました。まずギターは大型真空管アンプをフルドライブさせ、シュアSM57とゼンハイザーMD421という2本のマイクで狙う、筆者が普段行なっているレコーディングと同じセッティングで録ってみました。録音したギターのサウンドはとてもクリアかつタイトで、音が前に出てくる印象です。こういうところにも信号の伝送速度の速いUSB3.0の恩恵があるのだと思います。今回はアンプをかなり大きめの音量で鳴らしたのですが、内蔵のマイクプリは余裕で受け止めてくれました。片やベースはフロントパネルのHi-Z入力にシールドを挿してラインで録ったのですが、非常にフラットな特性で、楽器自体のキャラクターが素直に録音できました。これは本機がDIとしても非常に優秀であるということの証です。

 また、本機の特徴的な機能として、「アップサンプリング」があります。これはサンプルレートが44・1kHzか48kHzの時に、4倍のサンプルレートで内部処理を行なうというものです。これにより、アナログ↓デジタル変換時にはエイリアスノイズを低減させ、デジタル↓アナログ変換時にはクリアな再生音を実現しています。これは高級オーディオ機器にも使用されている技術で、確かにキメの細かい緻密な音像になる印象を受けました。

 その他には、クラスコンプライアント・モードによってiPadなどにつなげて使うこともでき、最小限の機材で8基のマイクプリを使えるマルチレコーディング環境が構築できるなど、様々なシチュエーションで活用できるモデルです。

チェッカー:大西 航(エンジニア)


 

SPEC

・接続:USB 3.0/2.0
・最大録音・再生チャンネル数:録音18チャンネル、再生20チャンネル
・音質クオリティ:最大24ビット/192 kHz
・入出力端子:インプット(XLR/TRSコンボ)×8、マスターアウト(L/R、TRSフォーン)、ラインアウト×8、ヘッドホン×2(標準ステレオ)、デジタルイン/アウト(ADATオプチカル、S/P DIF)、ワードクロック、MIDIイン/アウト
・電源:付属ACアダプター
・外形寸法:157.7(D)×482.(6 W)×46(H)mm ・重量:2.02kg
・付属品:USB 3.0ケーブル、スタインバーグCubase LE7(ダウンロードライセンス)

 

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