操作法からアレンジのやり方までを動画付きで紹介
ビートルズの曲を自動伴奏してくれるKORG「Liverpool」の使い方
ビートルズの曲を自動伴奏してくれるKORG「Liverpool」の使い方
2015/12/07
数々のユニークな製品を開発しているコルグが、レノン・マッカートニーの手掛けた楽曲の演奏データを100曲収録しているキーボード「Liverpool」を発表しました。リアルな伴奏に合わせて演奏が楽しめるだけでなく、押さえるコードに応じてビートルズの楽曲をオリジナル曲に自動でアレンジしてくれるという、この注目のモデルを早速チェックしてみました。
試奏・文:平沢栄司
写真:小貝和夫
■KORG「Liverpool」
パネルにプリントされたユニオンジャックが目を引く「Liverpool」は、ビートルズファンにはたまらない自動伴奏機能を持つキーボードです。自動伴奏とアレンジ機能を持つキーボードや音楽ソフトは他にもいくつかありますが、このLiverpoolの場合は内蔵されているネタがとにかく強力です。「イエスタデイ」や「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、「カム・トゥゲザー」、「エイト・デイズ・ア・ウィーク」など、ビートルズの名曲の数々が「○○風」ではなく、ソックリそのまま収録されているのです。おなじみの曲を選択してコードを押さえると、まさに“あのサウンド”が伴奏としてプレイバックされます。あとは、右手でメロディを演奏するだけで、ビートルズとの夢のセッション(!)が実現します。
収録されている100 曲は、全世界のチャートを席巻した誰もが知っている代表的な名曲からマニアックな曲まで、ファンも納得のラインナップとなっている
また、鍵盤の真上にある、演奏にバリエーションを付けるボタンを押すと、思わずニヤリとするイントロやエンディング、フィルインが奏でられ、1 本指でしか鍵盤が弾けないような演奏スキルに自信がない人でも、キーボードの演奏が楽しめます。
このLiverpoolの一番のお楽しみは、自分で演奏したコード進行に従って、ビートルズアレンジを基本にしたオリジナルの伴奏が作れるという点にあります。伴奏のバリエーションを選んだり、テンポを変えたり、音色を差し換えたりすれば、ビートルズ風ではあるけれどオリジナリティが感じられる伴奏が奏でられるのです。試しにJ-POP的な今風のコード進行やテンションコードなどを弾いてみましたが、ガラリと曲の雰囲気が変わる点も本機の面白いところです。コードを検出する能力も優れていて、押さえたフォームからテンションノートなどを正しく拾って伴奏に反映してくれるため、ストレスをまったく感じません。
スピーカー内蔵なので、面倒な接続なしで演奏できる。ギターを弾く時の伴奏代わりにしたり、思いついたフレーズを試したい時にすぐに使えるのは便利だ
スペック的には、プロキーボーディストの間でも評価の高い同社のアレンジャーキーボード「microARRANGER」に準じているため、音質や演奏アレンジのクオリティは高く、ホームキーボード的なチープさは皆無です。
Liverpoolは、“ビートルズ”というキーワードを抜きにしても、「外付けシンセ音源+MIDIキーボード+作編曲支援ツール」として使い勝手がいい、非常に優秀なキーボードです。
Liverpoolでビートルズとセッションをしたり、オリジナル曲を作成する手順
1. 「LIVERPOOL STYLES」を選ぶ
まずLIVERPOOL STYLESのボタンを押すと、各ボタンの上に表記されているアルファベットの頭文字を持つ曲目がディスプレイに表示される
2. 自分が演奏したい曲を選ぶ
ここでは、I - L ボタンを押してディスプレイに表示された曲目の中から「レット・イット・ビー」を選んだ
3. 選んだ曲を再生する
イントロから伴奏が始まるようにするためINTROボタンの「1」をオンにした後、STARTボタンを押すと、あの有名なイントロが再生される
4. 鍵盤を弾いて演奏を楽しむ
左手で「レット・イット・ビー」のコードを押さえれば原曲通りのアレンジで伴奏が演奏される。右手でメロディを弾けばビートルズとのセッションを楽しむことができる
5. フィルやブレイクなどを入れる
Aメロの最後のタイミングでFILLボタンの「1」を押すと特徴的なフィルインが演奏される。そして、左隣のVARIATIONボタンを押せば伴奏が別のセクションのアレンジに変わる
6. オリジナルと異なるコードを弾く
左手で押さえるコードを、原曲とは異なるマイナーコードやテンションコードなどにすると、Live r poolがそのコードを解析して、瞬時にオリジナルの伴奏が再生される
7. テンポやピッチを変えてアレンジする
トランスポーズでキーを変えたり、あるいはテンポを変えたりすることも可能だ。それらのアレンジを組み合わせることで楽曲のオリジナリティがアップする。自分なりの「レット・イット・ビー」やオリジナル伴奏を作る時に活用しよう
8. 各パートの音色を差し換える
各パートの音色も自由自在に差し換えることができる。例えば、ベースをシンセベースにすると、同じアレンジでも別の曲のような雰囲気になる
9. 演奏を本体にレコーディングする
本機にはシーケンサーが内蔵されているので、コードの演奏やフィルインなどの操作を記録することができる。また、演奏を1ステップずつ打ち込んで伴奏パートを作り込むことも可能なので、鍵盤の演奏が苦手な人も安心だ
【SPEC】
・鍵盤:61鍵ナチュラルタッチ・ミニ鍵盤(べロシティ対応)
・最大同時発音数62ボイス( 62オシレーター)
・プリセット:662 + 33ドラムキット ・シーケンサー:16トラック、最大記憶容量56,000ノート
・入出力端子:インプット(ステレオミニ)、アウトプット(標準フォーン/L /MONO、R)、ヘッドホン(ステレオミニ)、ダンパーペダル、アサイナブルペダル/スイッチ
・記憶メディア:SD/SDHCカード、マルチ・メディア・カード(MMC)対応
・外形寸法:873(W)× 277(D)× 91(H)mm
・重量:4. 2 kg
問:コルグお客様相談窓口
TEL:0570- 666- 569
http://www.korg.com/jp/
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