感覚的にコード進行を作るためのポイントを紹介

初心者必見! コード進行の作り方「第18回 宇多田ヒカル風のコード進行作成術」

初心者必見! コード進行の作り方「第18回 宇多田ヒカル風のコード進行作成術」

2016/02/02


コード進行を作っていくためのポイントをご紹介する連載企画「コード進行の作り方」の第18回。今回は宇多田ヒカルのヒット曲を取り上げて、彼女の“コード進行のクセ”を分析し、“宇多田ヒカル風”のコード進行の作成例をご紹介します。

文:内藤 朗


“宇多田ヒカル風”コード進行の特徴

オーソドックスな進行の中にスパイスを加えるワザ

宇多田ヒカルの曲では、コードが2度ずつ進行していく「カノン進行」を応用したコード進行がよく用いられています。カノン進行は、作曲の初心者が使っても名曲風になるというポピュラーかつ使い勝手のいいパターンですが、彼女が使っているカノン進行には、分数コードを効果的に使用することでオーソドックスでありながらもありきたりな響きにしないという工夫が凝らされています。

 

「Fir st Love」のコード進行(Aメロ)

度数(キー:Gメジャー)

|G| |D/F♯| |Em7| |G/D|

|C△7| |Am7/D| |G| |  |


1→5(7)→6→1(5)→4→2(5)→1

譜例は「First Love」のAメロ部分のコード進行ですが、1〜6小節目まではサビのコード進行とほぼ同じになっており、この曲全体がカノン進行をベースに作曲された作品と考えられます。先述したように分数コードが適度にちりばめられている点も特徴で、2小節目に「D/F#」、4小節目に「G/D」という分数コードが用いられていることで「G → F# → E → D」と徐々にベースラインが下降していく進行になり、切なさとドラマチックさを強く感じさせています。

 

宇多田ヒカル風コード進行の作成例

■元となるコード進行

度数(キー:Cメジャー)

|C| |G| |Am7| |G|

1→5→6→5
 

  
/
 

■宇多田ヒカル風のコード進行

度数(キー:Cメジャー)

|C| |G/B| |F/A| |C/G|

1→5(7)→4(6)→1(5)

ポップスでよく使われる元のコード進行を、宇多田ヒカル風のカノン進行に変えてみましょう。この例では、ベース音を「B → A → G」という風に徐々に下げることで滑らかな流れを作っています。また、最後のコードを「G」から「C/G」にすることで、雰囲気を宇多田っぽくしています。

※このページで紹介しているコード進行は参考曲をもとに解説用に作成したものです

 

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