スタジオ・モニターヘッドホンの新定番モデルをプロがチェック【第7回】
ヤマハ「HPH-MT」シリーズを黒須克彦が試聴!
ヤマハ「HPH-MT」シリーズを黒須克彦が試聴!
2016/02/20
クロス カツヒコ
「すべての帯域がよく見えるうえに、曲の制作においてもテンションを上げて作業ができる」
今回は、MOTUのdp 9で現在制作中の楽曲を使って、RMEのFireFace800(オーディオインターフェイス)のヘッドホンアウトに本機をつないでサウンドをチェックしました。他にも、普段リファレンスにしている音源をdp 9やiTunesに読み込んで聴いたりしてみました。使った音源は、自分が参加しているQ-MHzの最新アルバムや、ブライアン・セッツァー・オーケストラ、スパイラル・ライフ、バックヤード・ベイビーズの作品です。
見た目はスタイリッシュで、ルックスはとても印象がいいですね。モニタリング用のモデルなんですが、リスニング用として街を歩く時に着けていても違和感がないと思います。 第一印象としては、装着感がとてもいいですね。特にイヤーパッドの質感が優秀で、耳に自然にフィットするので、ミックスとかで長時間装着しても疲れない感じがしました。
サウンドの印象は、中域はしっかりありつつも、高域と低域が見えやすくて、特に高域のヌケが良かったですね。僕の好みの音質です。バンドアンサンブルで言うと、ハイハットの音がしっかりとしていて、リズムが見えやすいですし、歌もよく聴こえてきました。iPodでもチェックしてみましたが、低音成分、特にベースラインがクリアに抜けてくるんですよ。
あと、UNISON SQUARE GARDENの楽曲をYouTubeで聴いてみたんですけど、今まで気づかなかったベースのフレーズがしっかり聴こえてきたのには驚きました。YouTubeでも、そこまで再生できるというのは、うれしい発見でしたね。
今回試聴をしてみて、HPH-MT7Wは、モニタリングとリスニングを両立できるヘッドホンだと思いました。すべての帯域がよく見えるうえに、楽曲の制作においても気持ちが盛り上がって、テンションを上げて作業ができるので、宅録をしている人にはオススメしたいですね。ジャンルを選ばず使えるでしょうし、入門機としても最適だと思いますので、楽器屋さんに行ったら、まず最初にこれを試してほしいです。
写真のブラックモデルも用意されている
耳にナチュラルにフィットする大型のイヤーパッドを採用。厳選された合皮を使うことにより、快適な装着感と非常に高い遮音性を実現している
HPH-MT7は、同社のモニタースピーカーで高く評価されている“原音を忠実に再生する”というコンセプトを引き継いでおり、「CCAWボイスコイル」を採用することでクリアかつレンジの広い音を実現しているモニターヘッドホンだ。耳に優しくフィットする肌触りのいい合皮レザーを採用した大型のイヤーパッドにより、すぐれた遮音性を実現。なお、ブラックとホワイトの2種類のカラーが用意されている。
■SPEC
●形式:密閉ダイナミック型 ● 再生周波数特性:15Hz~25kHz ●インピーダンス:49Ω ●最大入力:1,600mW ●出力音圧レベル(1kHz):99dB SPL/mW ●ドライバ:Φ40 mm、CCAWボイスコイル ●ケーブル:3mストレートコード(3.5mmステレオミニプラグ) ●重量:360g ●付属品:6.3mm ステレオ標準プラグ変換アダプター、キャリングバッグ
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