同社は、1950年代にレコーディングエンジニア兼スタジオの設計者であるビル・パットナム氏により、理想の音を求めて録音機材を製造する会社として設立されました。例えば、現在もその音の良さに定評があるLAのオーシャンウェイスタジオも、彼が設計したスタジオのひとつです。他にスタジオ・エレクトロニクスやウーレイも彼が設立したブランドです。

当時の機器は現在でもスタジオで使用されており、多くのエンジニア達が修理を施しながらもビンテージ機器として大切に使っています。ビル・パットナム氏の息子達（ビル・ジュニア氏とジェームス・パットナム氏）は、この事実を目の当たりにし、1999年にユニバーサル・オーディオを再興して、新たなアイディアを加えた復刻版の製品を世に送り出しました。

その後、彼らはそれらの名機達を現代のデジタル環境で使えるようにするツールの開発に挑戦し始めました。そして、ビンテージアナログ機器をデジタルで細密に再現することに成功したのです。現存する本物のビンテージ機材を徹底的に分析し、回路レベルでエミュレートして完成したサウンドは、元のアナログ機器の設計者も認めた品質で、実際に各メーカーからライセンス認証を受けています。

その最新技術をつぎ込んだモデル「Apolloシリーズ」は、ビンテージ系のアウトボードをパソコン上で再現するプラグインが付属されたラック型のオーディオインターフェイスで、今ではプロの音楽制作に欠かせない存在になっています。そして、Apolloシリーズをデスクトップで使用したいという宅録ユーザーの要望に応えて、性能はそのままに小型化した製品が「Apollo Twin」です。Apollo Twinは当初、サンダーボルト接続のMac仕様のみでしたが、Windowsで使えるUSB3.0対応モデルが発売間近となっています。

Apollo Twin （Mac専用）
SOLO=￥75,000前後／DUO=￥95,000前後
Apollo Twin USB （Win専用） ￥110,000前後
※価格はすべてオープンプライス

ビンテージ系のプラグインエフェクトが付属した
オーディオインターフェイス

「ApolloTwin」は、マイクやギターを入力できる2イン／6アウト仕様で、最高24ビット／192kHzの解像度で録音再生ができるオーディオインターフェイスです。中央の大きなノブは、直感的にアナログ感覚で様々な操作ができます。

画期的なのは、同社独自の「ユニゾンテクノロジー」により、有名ビンテージ機器の本物のアウトボードのサウンドを再現できる点です。これらのプリアンプやエフェクトは、すべて内蔵のDSPで処理しているので、パソコンの動作が不安定になることもありません。エフェクトのかけ録りがスムーズにできるうえに、録音時の音作りもプロスタジオと同様の感覚で行なえます。

なお、本機には“リアルタイム・アナログ・クラシックス”UADプラグインスイートがバンドルされていますので、例えば610-B Tube Preamp and EQや1176SE/LNなど、プロ御用達のアウトボードのプラグインが購入後にすぐに使えます（AU／VST／RTAS／AAX64対応のDAWソフトで使用可能）。

レコーディングとミックスの両方で使える
プラグインコレクションを追加で購入できる

「Apolloシリーズ」は、同社の膨大な数のプラグインコレクションから、必要なものを追加・購入することもできます。例えば、マスタリングの世界では伝説となっているハードウェアのステレオコンプを再現した「Manley Variable Mu」や「Neve 1073 Preamp＆EQ Plug-In Collection」などが人気です。

他にも、音のキャラクターを変えずに音色をコントロールできるジョージ・マッセンバーグの「Massenburg Design Works MDWEQ5 Parametric EQ」など、ミックスとマスタリングのどちらでも使いやすいプラグインも豊富に揃っています。

その他に、バーティゴ社の「Vertigo Sound VSC-2 Compressor」というコンプレッサーのプラグインは、dbxの160やSSLのバスコンプと同じテクノロジーが採用されており、正確なミッドレンジのコントロールやパワフルなステレオ処理が可能です。