テレビアニメ『うしおととら』第3クールのエンディングテーマ

LUNKHEAD「決戦前夜」インタビュー

LUNKHEAD「決戦前夜」インタビュー

2016/05/12


LUNKHEADが5月11日にニューシングル「決戦前夜」をリリースした。この「決戦前夜」は、テレビアニメ『うしおととら』の第三クールエンディングテーマにも起用されており、妖怪達と戦う主人公の心情がダイレクトに伝わるLUNKHEADらしいナンバーだ。ここではメンバーの小高芳太朗(ボーカル/ギター)、山下 壮(ギター)、合田 悟(ベース)を迎えて、『うしおととら』に対する思いやカップリング曲「ユキシズク」の誕生秘話などについて聞いた。
取材:橋本周大(編集部)

実は当初「決戦前夜」ではなく「うしおととら」というタイトルにしようとしてたんです。

──まず、今作のコンセプトについて教えてください。

小高:ずばり『うしおととら』です! 表題曲の「決戦前夜」がテレビアニメ『うしおととら』のエンディングテーマになっているので。

──メンバーの皆さんは実際に、原作となる漫画『うしおととら』はご覧になったことはあったのでしょうか?

小高:もちろん。僕の大好きな漫画なんです。少年漫画雑誌で連載されていた当時、主人公の蒼月 潮(あおつき うしお)とは同世代で、男としてスゴく憧れていました。漫画の舞台が日本で、普通の中学生だった主人公が妖怪と戦う運命に巻き込まれるというストーリーに引き込まれました。

山下:僕は少年時代に漫画を読まなかったのであまり知らなかったんです。それでも、ファンの多い作品ということはもちろん知っていましたよ。

合田:僕はリアルタイムで漫画は読んでいないのですが、今回のアニメタイアップが決まってからコミックを全巻購入しました。読み始めたらすぐハマりました。その時、年末の忙しい時期だったんですが、家に帰ったら朝方まで読んでました。止まらないんですよ。特に色恋沙汰の部分が面白くて。

小高:登場する女の子全員が潮のことを好きになる(笑)。

合田:そうそう、あとは絵が特徴的で引き込まれるんです。

小高:それと、出てくる人物がみんな何かを背負いながら生きているストーリー展開が悲しくて。登場するキャラクター全部に魅力がたくさんあるんですよ。

──表題曲の「決戦前夜」というタイトルはどのように決められたのでしょうか?

小高:実は当初、好きなセリフやシーンを歌詞に書いたので、「うしおととら」というタイトルにしたかったんですよ。ただ、それはダメですって言われて(笑)。

山下:でも、メンバー内で “この曲は「うしおととら」だよな” って話をしてました。

小高:それで改めて “じゃあ他に何が良いかな?” って改めて考えた時に、歌詞の内容が最後の敵・白面の者と戦う前の心情を描いているので「決戦前夜」に決めました。ちなみに、正式なタイトル決めの時に3~4つ候補を出すように言われていて、でも僕らは「決戦前夜」以外ありえないと思い1つしか出さなかったんです。そうしたら意外にもあっさりとOKでした。

──作曲は大隈知宇さんとお聞きしましたが。

小高:そうなんです。「決戦前夜」は、僕らではなく作曲家さんに作っていただいた楽曲で、これはバンドとして初めてなんです。なので、出来上がった90秒サイズのデモバージョンをもらって、曲全体の構成(1番、2番、ラスサビ)を僕らでアレンジしました。メロディとテンポさえ変えなければコードを変えても良かったので、だいぶ自由にさせてもらいましたね。歌詞に関しては、まず90秒サイズの曲に対して歌詞を書いて、全体の構成を考えてから2番の部分を書きました。

──作曲家の方による楽曲ということで、これまでのレコーディングとは異なった点はありましたか?

小高:そうですね、かなり勝手が違いました。

山下:レコーディング前のプリプロをいつもより慎重に重ねました。その都度アニメの制作チームに出来を報告したりとか。スゴく丁寧な作り方で、これまでなかなかここまで1曲に時間をかけるというのはなかったです。

──小高さんはボーカルレコーディングでどのような部分に気をつけられましたか?

小高:自分ではあまり意識をしていなかったのですが、自然と力が入っていましたね。カップリング曲の「ユキシズク」と比較するとだいぶ荒ぶっていて、『うしおととら』への愛が詰まっていると思います。この曲はこういう風にしか歌えないです。

──ギターはどの部分に注意して弾かれたのですか?

山下:フレーズなどの作りこみ方です。いつもよりも時間を掛けつつ、その中でもLUNKHEADらしさを出すということを大事にしました。あとはボーカルが入ったテイクを聴いてからレコーディングをしたので、荒ぶっているテンション感というかイメージを大切にしながら弾きました。

──では、ベースは?

合田:今までの楽曲は、良い意味でノリを重視するところがあったんですが、今回は一音一音を “これはダメだ、これはOK” といったように音をジャッジしながら、音を丁寧に置いていくようにプリプロを進めたというのが自分の中では大きかったですね。

小高:『うしおととら』の主題歌ということで、やはり僕らを知らないアニメのファン達も聴くと思うんです。例えばベースだと、いつもだったらスケールアウトするフレーズを “LUNKHEADらしいからOK” ではなく、“この音はダメだ。違う形に変えよう” ってやり直したりもしました。ただ、あまりにもLUNKHEADらしさを削って上品にしても、べーシスト合田 悟の魅力がなくなってしまうので、バランスを上手くとれるよう綿密にプリプロを重ねました。結果、合田らしいサウンドだけど、LUNKHEADを知らない人の心にも届くように出来たと思います。もちろん、これはギターのフレーズでも同じことが言えますね。

──合田さんはベースを弾いている時はどのような思いでしたか?

合田:弾いていて楽しかったですし、プリプロらしいプリプロって久々にやれたので、本当にバンドとしても良い効果をもたらしてくれました。

小高:僕らが作った曲ではないので、“どのようにしたら僕ららしくなるのかな?” ということを考えられたのは良かったです。ドラムでも、桜井さんが “アニメの雰囲気と同じようにドスが効いた感じで叩いた方が良いかな?” って言ってくれたりして。でも、僕は “いや、意識し過ぎずにいつも通りの桜井さんで良いですよ!” って答えましたけど。なので、ドラムに関しては桜井節全開の仕上がりになりました。
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ニューシングル
「決戦前夜」

¥1,204(税込)
TKCA-74356


01.決戦前夜
02.ユキシズク
03.決戦前夜 [TV OA ver.]
04.決戦前夜 [Instrumental]
05.ユキシズク [Instrumental]

ライブスケジュール

・LUNKHEAD ONEMAN TOUR〜決戦前夜 大阪編〜
6月11日(土)梅田シャングリラ
【OPEN】17:30【START】18:00

・LUNKHEAD ONEMAN TOUR〜決戦前夜 名古屋編〜
6月12日(日)名古屋ell.SIZE
【OPEN】17:30【START】18:00

・LUNKHEAD ONEMAN TOUR〜決戦前夜 東京編〜
6月18日(土)LIQUIDROOM ebisu
【OPEN】17:00【START】18:00

・チケット料金:前売¥4,000(ドリンク代別)

LUNKHEAD(ランクヘッド)

1999年、愛媛県立新居浜西高校に通っていた四人が、それぞれバンド活動を行う。その四人が高校卒業記念ライブで初めて「LUNKHEAD」として集まり、1度だけのライブを行なう。卒業後、小高と石川が上京する。
2000年、4月 山下、合田が上京。四人が東京で揃い、改めてバンド「ランクヘッド」を結成する。ライブハウスのオーディションに落ちながらも、ライブ活動を始める。
2004年、1月21日、メジャー第一弾となるシングル「白い声」をリリース。新人、ノンタイアップながらオリコン50位を記録(雑誌取材数30本以上、パワープレイ等も15本を越えた)。また、このシングルのリリースにより、インディーズ作品2作とも再びチャートイン。各方面での高い評価と熱い応援で話題となる。
2008年、3月5日、初のベスト盤「ENTRANCE~BEST OF LUNKHEAD age18-27~」をリリース。バンド結成10年目に突入。4月2日、メジャー10枚目のシングル「素晴らしい世界」発売。
2010年、4月1日、オリジナルメンバー石川龍が脱退を発表。4月8日、下北沢GARAGEワンマン「WORLD IS MINE」を最後に、Dr.石川 龍が脱退。サポートDr.に桜井雄一(ex.ART SCHOOL)を迎え、9月17日より全国ワンマンツアー「そりゃないわっツアー」をスタート。(全9ヶ所)
2011年、1月12日に新体制でレコーディングに臨んだ「シンドローム」をリリース。続いて2月9日に7thアルバム「[vivo]」をリリース。3月27日、メンバーの「歌い続ける」という強い思いから「起志快晴のみかん祭」@新木場STUDIO COASTを決行。
2013年、1月23日、2枚目のベストアルバム「ENTRANCE2 ~BEST OF LUNKHEAD 2008-2012~」リリース。9月18日、約1年7ヶ月ぶりのNEW ALBUM「メメントモリ」をリリース。10月13日からは、TOUR2013「メメントモリ」スタート。(全17カ所)
2014年、メジャーデビュー10周年ということでroad to一世一代のみかん祭を各所にて開催。8月2日には、6年ぶりにROCK IN JAPAN FESに出演。
2015年、10周年イヤーの集大成を飾った。4月1日、徳間ジャパンより10th ALBUM「家」発売。9月22日にはワンマンTOUR 2015 FINAL「野音でYeah!!!! ~日比谷野外大音楽堂~」開催。同日、初のアコースティックアルバム会場限定盤「Very Best of Acoustics」を発売。
2016年、1月17日、LUNKHEADアコースティックワンマンツアー追加公演~SAPPORO of Acoustics~開催。3月19日、「千客万来のみかん祭」@shibuya TSUTAYA O-EAST開催。

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