待望のWindows専用モデルが登場
1台で理想的な録音&ミックス環境が整うオーディオインターフェイス「Apollo Twin USB」
1台で理想的な録音&ミックス環境が整うオーディオインターフェイス「Apollo Twin USB」
2016/05/16
ユニバーサル・オーディオの「Apollo Twin USB」は、プロのプライベートスタジオ級のレコーディング環境を整えることができる、卓上オーディオインターフェイスとプラグインが1つになった製品です。すでに発売中のMac専用モデル「Apollo Twin」に対して、「Apollo Twin USB」はWindows専用モデルとなっています。ここでは、本製品の魅力を紐解いていきましょう。
文:目黒真二/写真:小貝和夫
高速転送のオーディオインターフェイスとプラグインを1パッケージ化
赤線で囲んだ部分がUSB 3.0 SS端子。USB 3.0 SSの速度を出すにはUSB 3.0 SS仕様のケーブルが必要で、本製品にはそのケーブルも同梱されている
「Apollo Twin USB」は、録音からミックスまで全制作工程のメインツールとして使える、「オーディオインターフェイス」と「プラグイン」がセットになった製品です。パソコンとの接続に高速転送の規格「USB 3.0 SuperSpeed」(※)が採用されているため、Windows PCとの間で安定したデータのやり取りが行なえます。
アナログ入力は2系統、アナログ出力はラインアウト、モニターアウト、ヘッドホンアウト、さらにADATデジタル入力も標準装備。Hi-Z端子とヘッドホン端子がフロントに装備されているという宅録向けの心遣いもうれしいところです。
また、付属のプラグインは、世界中のスタジオで使用されている実在のマイクプリやエフェクターを再現したものが多く、それらを使って音作りが行なえます。
※USB2.0の最大転送速度が480Mbpsなのに対し、USB3.0SSは5Gbpsという10倍以上の高速転送が可能
限りなくゼロに近いレイテンシーを実現
Apolloコンソールアプリケーション2.0
Apollo Twin USBは本体内部にDSP(デジタルシグナル・プロセッサ)を備えているため、パソコンのCPUに負荷をかけずに、DAW上で安定したプラグインの処理が行なえることが特徴です。さらに最大の特徴として、Apollo TwinUSBの内部にプラグインを立ち上げて、DAWの前段でエフェクト処理ができます。付属するApolloコンソールアプリケーション2.0で、あたかもミキシングコンソールを操作するかのごとく直観的にプラグインを使えます。ハードウェア上でエフェクト処理されるので、レイテンシー(音の遅延)はほぼゼロになります。
歌やギターを録る時にプラグインの「かけ録り」が可能
プロのレコーディング現場では、EQ/ダイナミクス系/アンプシミュレーター系のエフェクトは「かけ録り」をするのが一般的です。なぜなら、サウンドを作り込んでから録音した方が演奏しやすく、演奏自体に勢いが付くからです。ギターとベースにかけ録りする代表的なプラグインが「アンプシミュレーター(左下画像を参照)」です。また、Apollo Twin USBでは「コンパクトエフェクター(右下画像を参照)」のかけ録りもできますから、ベーシックなサウンドをアンプシミュレーターで作り、歪みのニュアンスをコンパクトエフェクターで調整するといったことも可能です。
Amp Room Half-Stack(ギターアンプ/右)とBass Amp Room 8x10(ベースアンプ/左)はリアルな響きを録音できるアンプシミュレーターだ
カラッとした歪みが特徴の歪みエフェクター、プロコRATをモデリングしたRaw Distortion。Unisonテクノロジーに対応し、リアルな歪みサウンドが得られる
UA 610-B Tube Preamp and EQは、ボーカルやベースの存在感がグッと増す伝説的なマイクプリだ。クリーンからサチュレーションサウンドまで幅広い音作りが行なえる
ボーカルは「マイク」と「マイクプリ(右画像を参照)」が音作りの鍵です。Apollo TwinUSBには、マイクプリのインピーダンスやゲインなどの挙動まで忠実に再現する「Unisonテクノロジー」が採用されており、ビンテージのマイクプリのアナログサウンドを正確に再現し、チューブ特有の暖かみのあるエモーショナルなボーカルトラックを収録することができます。
コンプやEQの名器を再現したプラグインをミックスで使える
Apollo Twin USBにはプラグインバンドル「Realtime Analog Classics」が標準で付属しており、コンプ、EQ、ディレイ、リバーブなど、ミックスに不可欠なプラグインが揃っています。プロの現場で使われている名器を、実機のメーカーとユニバーサル・オーディオが協力してプラグイン化したものなので、言わば「本家お墨付きのサウンド」が得られるツールだと言えるでしょう。
コンプレッサーの1176をエミュレートした1176 SE/LN Classic Limiting Amplifiers (Legacy)。ドラムにかければパンチ感が増し、ボーカルにかければ存在感が得られる
この画像のPultec Pro Equalizers (Legacy)は、ブーストとカットが独立して調整できるEQで、従来のEQでは得られない独特の質感が特徴だ。ドラムトラックやマスターに使用すると、その個性が光る
RealVerb Proはワイドレンジで透明感のある艶やかなリバーブだ。センドでかければ奥行きが得られ、ボーカルトラックにインサートするときらびやかな印象を出せる
しかも、プロのエンジニアが作成したプリセットが豊富に用意されているので、ミックスの初心者でもそれらを利用することで、自分が目標にしているプロ仕様のサウンドをすぐに手に入れることができます。「いくら調整しても前に出てこないボーカル」、「うるさいだけのドラム」、「低音がモコモコしたベース」、「耳に痛いギター」……といった諸問題もRealtime Analog Classicsを使うことで一発で解決し、ミックス後のサウンドが飛躍的に向上するのを体感できます。
Teletronix LA-2A Classic Leveling Amplifier(Legacy)。ボーカルトラックにリミッターとして使い、ゲインを上げていくと、プロの作品で聴ける独特の飽和感が得られる
Precision Channel Stripは、EQとコンプを内蔵したチャンネルストリップだ。ドラムのグループにかけて、ドラムセット全体の鳴り具合や存在感を調整するのに最適なプラグインだ
「Apollo Twin USB」
【価格】オープンプライス(¥110,000前後)
【対応環境】
・OS:Windows 7/ 8.1(64ビット)
・USB 3.0 SuperSpeed空きポート
・ストレージ空き容量:6GB以上
・RAM:8GB以上を推奨
・CPU:Intel Core i3 /Core i5 /Core i7/Xeon processor
・インターネット接続環境
・VST/RTAS/A A X64対応ホストアプリケーション
■メーカー詳細ページ
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