小型の筐体を持つエフェクター「Skylineシリーズ」をはじめ、ユニークな製品を多数発売しているHOTONE（ホットトーン）。同社が、スマホなどから好みのエフェクターを本体にBluetooth経由で読み込んで使うという画期的なエフェクター「XTOMP」を発表しました。エフェクターを知り尽くしているMUCCのギタリスト、ミヤに本機の音質や操作感をチェックしてもらいました。

取材・文：井桁 学
写真：小貝和夫

6つのコントロールノブを搭載している亜鉛合金製のスリムなボディを持つXSTOPは、iOS／Androidの無料専用アプリ「XTOMP」からBluetooth経由で、エフェクターやアンプなどのデバイスを本体に転送して使うという、まさに今の時代ならではの発想で開発されたペダルエフェクターです。アプリには歪み系やモジュレーション系、空間系などの誰もが知っている有名モデルの他に、キャビネットシミュレーターやチューブアンプなど、50種類を超えるデバイスが用意されており、それらの中から1つだけを読み込んで使うという、ビギナーでもわかりやすい仕様になっています。

XTOMPアプリからデバイスを選んで本体に転送すると、各デバイスのパラメーターが割り当てられた本体の操作ノブが点灯します。最初の転送には1分ほどかかりますが、1度転送したことがあるデバイスならば、その後は数秒で転送が完了します。

そして、特筆すべきなのが本機の音質の高さです。XTOMPには高性能なDSP回路が採用されているうえに、複数のデバイスを同時に使う他社のマルチエフェクターと異なり、本機ではDSPパワーを1つのデバイスだけに使うため、非常に高いクオリティのサウンドで演奏や録音をすることが可能です。

ちなみに、デバイスは今後も随時追加されていくことになっています。

①デバイスは歪み系や空間系などのエフェクターの他に、ギターアンプやキャビネットシミュレータ－、さらにはビットクラッシャーやリングモジュレーターなどの飛び道具系も用意されている。また、スタンダードなモデル以外に、Hermida Audio TechnologyのZendriveを再現した「Zen Garden」など、ブティック系のエフェクターを選ぶことも可能だ。②各エフェクターをロードする時にトゥルーバイパスとバッファーバイパスという、本体のスイッチをオフにした時の動作を選択することができる。③各デバイスのどのツマミが本体のツマミに割り当てられているのかも、アプリ上で確認することができる。④キャビネットシミュレーターが4モデル用意されているのもX TOMPの特徴だ（画像はエングルPro E412VSBを再現した「Engle 4×12」）