初来日公演も決定!

【ライブレポート】全英No.1シンガー・ソングライター、ジェイムス・アーサーの最新ロンドン公演

【ライブレポート】全英No.1シンガー・ソングライター、ジェイムス・アーサーの最新ロンドン公演

2017/03/23


ワン・ダイレクション等を輩出した英オーディションTV番組『Xファクター』出身の異端児シンガー・ソングライター、ジェイムス・アーサーが、ソールド・アウト続出の全英ツアーをスタートさせた。シングル・アルバム共に全英1位に輝いた日本デビュー作『バック・フロム・ジ・エッジ』をひっさげ、5月には待望の初来日公演も決定している。

全英シングル・チャート3週連続1位を獲得したシングル「セイ・ユー・ウォント・レット・ゴー 〜最愛の君へ」は、飾らない言葉で最愛の恋人へ永遠の愛を誓う歌詞も世界中で共感と感動をよび、ミュージック・ビデオの再生数が約3億回、楽曲ストリーミングを合わせた全世界トータル再生数は8億回を超える大ヒットを記録し、“英国のグラミー賞”とも称される<ブリット・アワード2017>でも「最優秀ビデオ」「最優秀シングル」の2部門にノミネート。また、ここ日本でも1月度の全国ラジオ・オンエア・チャートで総合1位に輝き、りゅうちぇるが出演した日本版ミュージック・ビデオも記憶に新しい。

波乱に満ちた人生を送り、オーディション優勝の前後2度にわたる転落を乗り越えて大ブレイクを果たしたジェイムス・アーサー。現在行っている全英ツアーでの現地時間3月21日(火)に開催されたロンドン公演のライヴ・レポート、そして来日公演と日本のファンに向けてのメッセージが公開となった。初の日本でのライブに期待と注目が高まっている。
 

ジェイムス・アーサー ロンドン公演ライヴ・レポート


3月21日(火) シェファーズ・ブッシュ・エンパイア
Live report by Mizuho Sato
Live photo by Chiaki Nozu

イギリスでは昨年10月にリリースされた日本デビュー・アルバム『バック・フロム・ジ・エッジ』を引っ提げて、3月6日からスタートしたジェイムス・アーサーのワールド・ツアー。その中盤にあたる3月20日(月)・21日(火)、彼は2年振りにロンドンで2夜連続公演を行った。

動員数2千人のシェファーズ・ブッシュ・エンパイアでのショーは見事両日共にソールド・アウト。開場は夜の7時からだというにも関わらず早朝から沢山のファンが列をなして並んでいたそうだし、会場に入れば「あと数日で出産予定日なの」という大きなお腹をかかえた妊婦さんがいたりと、文字通り熱狂的なファンが集結し、ライブへの期待は否が応でも高まっていった。また、満員の会場内では、彼の名を一躍有名にしたイギリスの国民的オーディションTV番組『Xファクター』でメンター(師)を務めた元プッシーキャット・ドールズのニコール・シャージンガーや、同TV番組出身であるワン・ダイレクションのルイ・トムリンソン等もVIP席に現れ、ジェイムス・アーサーへの注目度の高さが改めて伺い知れるとともに、フロアのテンションは開演前から既にクライマックス状態。“崖っぷちから戻ってきた男”がステージへ現れるのを今か今かと待つ。

ジェイムス・アーサーは2作品共にアルバム一曲目に力強い曲をチョイスしているが、この夜の記念すべき一曲目も、新作の冒頭を飾るアルバム・タイトル・ナンバー「バック・フロム・ジ・エッジ」だった。ステージ裏から素晴らしい歌声でイントロを披露した後、突如としてジェイムスがステージに登場すると、3階建ての会場は割れんばかりの歓声が起こった。
「ロンドンの人達はクールすぎるって聞くけど、今夜の君達は違うね!」とスタート早々チャーミングな笑顔を見せると、そのまま「プリズナー」を熱唱。ファースト・アルバムからの曲も挟みながら、ヒップホップMCのショッティ・ホローとコラボした「サーモン」では、ラップ・パートもジェイムス本人が完璧に再現するなど、とにかく彼の歌唱力と表現力に圧倒される。

そして、彼のデビュー・シングルとなった『Xファクター』優勝曲「インポッシブル」が演奏されると、会場は大合唱の渦に包まれた。「インポッシブル」は2016年現在、英『Xファクター』歴代優勝者の中で最も売れたシングルでもあるが、それはデビュー後に再び挫折を経験し表舞台から一時姿を消したジェイムスを、実は沢山のファンが待って、そして支えていたことの証明でもあり、ジェイムスとファンがその絆を確認し合うことにもなったこの曲での大合唱は、ライブ前半のハイライトシーンだった。

ファースト・アルバムから、ジェイムスがお気に入りだという「ゲット・ダウン」、そして「リカバリー」が演奏された後、会場は一転して暗くなり、一筋のスポットライトがジェイムスへ向けられる。静まり返った会場で「次は、僕にとってかけがえないのない存在である、妹についての曲」と静かに歌い始めたのは、新作からのセカンド・シングル「セーフ・インサイド」。過去の過ちをバネに大きな成長を遂げて妹への愛情を歌うジェイムスを、まるで温かく迎え入れるかのように会場は大きな拍手と歓声に包まれた。

「まさかに二度もナンバーワンをとれるとは思いもしなかったよ。二度目にナンバーワンに輝いた半年前、あまりにも嬉しくて“永遠にナンバーワンでいてくれ”と願ってみたりもしたけれど、沢山の素晴らしい曲がどんどん発表されるから、もちろんそんな夢は叶わない。クリーン・バンデットのこの曲もその一つでさ、悔しいけどいい曲なんだよね。」とギターを持ちながら披露したのは、クリーン・バンドデッドの「ロッカバイ」。ポップなダンス・ミュージックとジェイムスならではのロック・ギターが絶妙に融合されたアレンジにオーディエンスも狂喜乱舞だ。前述の「インポッシブル」しかり、『Xファクター』時代からカヴァーにも定評のあるジェイムスだから、5月の日本公演でもカヴァー曲は楽しみの一つになるはずだ。

その後、そのまま燃える尽きてしまうのではないかと思ってしまうほど力強く「フェニックス」を歌い上げたジェイムスが一旦ステージを離れると、すかさず会場は「モア!モア!」と割れんばかりのコールで溢れかえる。ほどなくしてバック・メンバー、そしてジェイムスが再びステージに姿を現わし、次のシングルと噂されている「キャン・アイ・ビー・ヒム」を演奏すると、最後はやはり待ちに待った「セイ・ユー・ウォント・レット・ゴー 〜最愛の君へ」だ。アコースティック・ギターを抱えながら、サビの部分でジェイムスが「一緒に歌ってくれるかい?」とマイクを会場へ向けると、この夜一番の大合唱が起こった。パフォーマンス中、何度も「サンキュー」と感謝の言葉を伝えていたジェイムスだったが、「セイ・ユー・ウォント〜」では会場のあまりの一体感ぶりに「この感激は鳥肌ものだよ。心から感謝しています!」と思わず感極まるようなシーンもあり、感動的な余韻を残してこの日のライブは終了したのだった。

ジェイムス・アーサーは、メディア出演時に愛想をふりまいたり、気のきいた事を言うわけではないし、ルックスも手伝って、もしかしたら一見とっつきにくい印象をもっている人もいるかもしれない。しかし、波乱に満ちた人生を経て辿り着いた現在の彼が見せるステージでの謙虚さや歌声と歌詞から伝わってくる優しさが、卓越したライヴパフォーマンスと相まって、イギリスはもちろん全世界の人々を魅了しているのだと、強く確信した一夜だった。

●ジェイムス・アーサー初来日公演
James Arthur Japan tour 2017
5月22日(月) 東京: 赤坂BLITZ
5月23日(火) 愛知: 名古屋クラブクアトロ
5月24日(水) 大阪: BIGCAT
(問)ウドー音楽事務所 http://udo.jp/concert/JamesArthur


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