ヤマハ シンセサイザ− MONTAGE 8/7/6(Ver.1.6)

ヤマハのフラッグシップ・シンセサイザー MONTAGEがさらに使いやすくなった!

ヤマハのフラッグシップ・シンセサイザー MONTAGEがさらに使いやすくなった!

2017/10/15


多くのアーティストから高評価を得ているヤマハの最高峰シンセ「MONTAGE」。複数のパラメーターの動きを複雑に組み合わせて、演奏しながらリアルタイムで音作りができるなど、今までのシンセでは実現できなかった機能を搭載しているのが特徴です。OSがVer.1.6にアップし、より使いやすくなったMONTAGEの魅力に迫ってみましょう。

取材:平沢栄司 写真:小貝和夫

MONTAGE 8/7/6
オープンプライス(8=¥390,000前後/7=¥350,000前後/6=¥320,000前後)

「MONTAGE」は、ヤマハのデジタルシンセの集大成と言える、まさに“フラッグシップ”と呼ぶにふさわしいキーボードです。音質の良さや音作りの自由度の高さがプロの間でも高く評価されており、コンサートなどでその姿を見たことがある方も多いでしょう。

生々しいピアノやリアルなエレピなどの大容量PCM波形を活かした「AWM音源」と、デジタルならではのキレのいいシンセサウンドが特徴の「FM-X音源」、高品位なマルチエフェクターを搭載し、最大16パート分の音色を重ねて重厚で豊かなサウンドを奏でることができます。内蔵のシーケンサーを活用して曲作りをするワークステーションタイプではなく、純粋に音作りの追及や、ライブなどでの演奏において光るキャラクターを持った正統派のシンセです。

既存の楽器を再現するリアルなサウンドも魅力なのですが、MONTAGEの真骨頂は、その個性的なサウンドにあります。要となる新機能「モーションコントロール」により、音色の様々なパラメーターを「スーパーノブ」という1つのノブで操作することができ、「モーションシーケンサー」を利用するとそれらを曲のリズムに合わせて刻々と変化させることも可能で、リアルタイムで揺らぎや動きのある有機的なサウンドを生み出せるのです。

また、音色選択時にそれぞれの音質の特徴を活かしたデモ演奏を再生してくれる「AUDITION」という機能が搭載されており、シンセビギナーでもAUDITIONボタンをオンにしたまま音色を切り換えていけば、MONTAGEならではのサウンドの魅力を気軽に体感できます。

なお、このMONTAGEには、OSのバージョンアップにより新機能を取り入れたり、ユーザーの意見を反映して操作性を改善していく“進化するシンセ”という側面もあります。それでは、MONTAGEの多彩な機能の中から注目ポイントをピックアップしつつ、新しいOSで追加された機能を紹介しましょう。

タッチディスプレイとボタンの連携で直感的かつ確実な操作が可能

MONTAGEは、大型のカラー・タッチディスプレイを採用しているので、画面を指で触って直感的に操作できます。しかし、画面を見ながらの操作になるため、演奏中の音色チェンジなど、シビアな場面では物理的なボタンの方が安心という人もいるでしょう。そこで、MONTAGEではボタンでも画面タッチと同様の操作ができるようになっています。

しかも、すでに押されているボタンは明るく光り、現在押すことができるボタンは淡く点灯し、押せないボタンは消灯するので、視認性にも優れています。

/

MONTAGEのディスプレイは、詳細なカラー表示に加えてタッチ操作にも対応しており、様々な操作を直接パラメーターに触れて行なうことができる

/

ディスプレイの右側にあるボタンでもタッチ相当の操作が行なえる。例えば、LIVE SETの選択時には、左側のボタン群が画面上の音色リストに対応している。また、右側のボタンでは各バンクを直接呼び出すことができ、画面タッチで切り替えるよりも素早く任意のバンクへアクセスすることが可能だ

大胆な音色変化を生み出す「スーパーノブ」と「モーションシーケンサー」を装備

白玉でコードを押さえたら、まず「スーパーノブ」を回してみましょう。1つのノブを操作したとは思えないほど、劇的にサウンドが変化していきます。と言うのも、このスーパーノブでは任意のパラメーターを操作するに留まらず、パネル左に並ぶ8つのノブをアサインして一括で操作ができるのです。例えば、フィルターで音色の明暗を変化させつつ、重ねられた各パートの音量バランスを変えたり、さらに各ノブに割り当てたパラメーターを同時に可変させて、異なる音色へと変化させるといったことも、すべてスーパーノブひとつで可能なのです。

もうひとつの注目ポイントが、パネル左下にある「MOTION SEQ」というボタンです。これを使って、MONTAGEの有機的な揺らぎや繊細な動きを伴うサウンドを生み出す機能「モーションシーケンサー」のオン/オフを切り換えます。点灯している音色ではモーションシーケンサーが作動し、スーパーノブや各種パラメーターが刻々と変化して音色に独特の動きを加えられます。オン/オフしてモーションシーケンサーの効果を聴き比べてみましょう。

/

8つのノブとスライダー、そしてスーパーノブを操作すると、リアルタイムで音色がコントロールできる。また、スライダー下のシーンボタンに最大で8種類まで設定を保存して瞬時に呼び出すことも可能だ

/

スーパーノブ

/

MOTION SEQボタンをオンにして点灯している時は、モーションシーケンサーにより、色々なパラメーターが時間軸に沿って刻々と変化するようになる

/

こちらはモーションシーケンサーのエディット画面をディスプレイに表示したところ。パラメーターを選び、その変化カーブを設定して音の動きを作っていく

進化したFM音源「FM-X」を搭載し、他のシンセではできないサウンドメイクが可能

MONTAGEは、80年代に世界を席巻したヤマハの名シンセ「DX7」の血統を受け継ぎつつも進化した「FM-X音源」を内蔵しています。

DX7の音色を再現するに留まらず、新たに追加されたパラメーターやフィルター、そしてモーションコントロールにより、音作りの可能性が広がっています。FM音源は音作りが難しいと言われますが、MONTAGEでは音作りの肝となる「アルゴリズム」と呼ぶ仕組みと、音色を決める要素のひとつ「オペレーターの出力レベル」の確認と簡易エディットができる「VIEW画面」を用意。8つのスライダーで直感的に音色を微調整したり、アルゴリズムを変更して劇的に音色を壊すことで思いもよらない新しいサウンドに巡り会えるなど、気軽に音作りに挑戦できる点も本機の魅力となっています。

/

LIVE SETのFMバンクには、FM音源ならではの音色が並んでいる。ちなみに、FM-X音源を使っているパフォーマンスには「FM-X」アイコンが付く

/

FM-X音源のパフォーマンスには、各パートのアルゴリズムとオペレーターレベルを簡易的にエディットすることができる画面が用意されている

 

パソコンと連携できるソフト「MONTAGE CONNECT」を用意

シンセに内蔵されているシーケンサーはアイディアを素早く記録するために使い、曲の仕上げはDAWソフトで行なうという人も多いでしょう。そこで、MONTAGEには専用のソフト「MONTAGE CONNECT」が用意されています。内蔵シーケンサーに録音したソングをリストアップし、そこからドラッグ&ドロップするだけで、演奏データをDAWソフトのトラックに一括で読み込めます。

また、音色(パフォーマンス)のリコール機能もあるので、演奏データと音色をDAWソフト側から一元管理することができます。

/

MONTAGE CONNECTの画面。VSTプラグイン版を使えば、DAWソフトでプロジェクトを開くと同時にMONTAGE CONNECTも起動するので、本機をソフト音源のような感覚で使用できる

 

 

SPEC

●鍵盤数:8=88鍵バランスドハンマー鍵盤、7=76鍵FSX鍵盤、6=61鍵FSX鍵盤(※全機種イニシャルタッチ/アフタータッチ付き) ●音源方式:Motion Control Synthesis Engine AWM2(8エレメント)、FM-X(8オペレーター)、88アルゴリズム ●最大同時発音数:AWM2=128音(ステレオ/モノ波形いずれも)、FM-X=128音 ●マルチティンバー数:内蔵音源16パート ●波形メモリ:プリセット=5GB相当(16ビットリニア換算)、ユーザー=1.75GB ●パフォーマンス数:約1,800 ●フィルター:18タイプ ●エフェクター:リバーブ×12タイプ、バリエーション×76タイプ、 インサーション×76タイプ、マスターエフェクト×15タイプ、マスターEQ(5バンド)、 1stパートEQ (3バンド)、 2ndパートEQ(2バンド) ●ライブセット数:プリセット=128以上、ユーザー=2,048 ●外形寸法:8=1,450(W)×170(H)×460(D)mm、7=1,244(W)×131(H)×396(D)mm、6=1,037(W)×131(H)×396(D)mm ●重量:8=29kg、7=17kg、6=15kg

問:㈱ヤマハミュージックジャパンお客様コミュニケーションセンターシンセサイザー・デジタル楽器ご相談窓口
TEL:0570-015-808

この記事の画像一覧

(全10枚) 大きなサイズで見る。

関連する記事

PAGE TOP