注目のギター録音アイテム試奏レビュー

ラディアル、ルパート・ニーヴ・デザインズ、テレフンケン、トゥーノーツのDIを野村大輔氏が徹底試奏!

ラディアル、ルパート・ニーヴ・デザインズ、テレフンケン、トゥーノーツのDIを野村大輔氏が徹底試奏!

2018/05/15


プロのレコーディング現場では、ギターやベースなどをライン録音する際にDIという機材を使っています。かつてはカントリーマンの製品が主流でしたが、今では各メーカーから様々なモデルが発売されています。ギタリストの野村大輔さんに、話題になっている4機種を試奏してもらいました。

試奏・文:野村大輔
 


 
 

あらゆる現場で使える機能を多数有したプロの評価も高い定番モデル

ラディアル
J48

¥34,000
問:㈱エレクトリ
TEL:03-3530-6181
http://www.electori.co.jp
 

このJ48は、もはや定番と言ってもいいDIで、多くのスタジオやライブハウス、ステージで導入されています。本体にはステレオ・トゥ・モノ・マージスイッチや位相反転スイッチ、ハイパスフィルターなどが装備されていて、どんな現場や楽器でも対応できるような、とても便利な仕様になっています。

実際に試奏した印象ですが、楽器のサウンドを加工することなく、そのままダイレクトに信号を出力してくれるので、録音後に音質の微調整などをする必要がありません。音に余計な味付けがない分、楽器のニュアンスや演奏の雰囲気などを損なわずに録れるのは素晴らしいと思います。まさにミュージシャンにとって、非常にありがたいDIと言えるでしょう。

試しに歪みエフェクトを手前にかましてみたのですが、余計な歪み成分が増えずに気持ちいい音で演奏できました。ノイズも少なくて、定番化しているのが納得できるモデルです。
 

この製品について

[製品概要]
「J48」は、今やDIの代名詞的メーカーと言ってもいいラディアルを代表するファンタムパワー駆動のアクティブDIだ。本体にスイッチング・パワーサプライを内蔵することで、一般的なDIに多い3V程度の内部動作電圧を9Vまで引き上げている。このため十分なヘッドルームを確保し、楽器が持つサウンドを歪ませずに再生できる。また、大きな信号に対しても歪みのない、原音に忠実な音質が得られるのも特徴だ。

[SPEC]
●入出力端子: インプット、ラインアウト、スルーアウト、DI出力、ヘッドホン
●電源:48Vファンタム電源 ●外形寸法:84(W)×127(D)×48(H)mm ●重量:720g
 


高音から低音まで雑味なくキレイに伸び、ノイズが驚くほど少ないのが特徴

ルパート・ニーヴ・デザインズ
RNDI

¥31,000
問:㈱フックアップ
TEL:03-6240-1213
http://hookup.co.jp
 

RNDIは、手のひらに乗るサイズでありながらスチール製のシャーシを採用し、頑丈に作られています。レコーディングやライブステージといった現場でのハードな使用にも十分耐えうる仕様は、プロの目から見ても好感が持てると言えるでしょう。

48Vのファンタム電源で動作し、インプット入力とスルー出力、グランドリフトスイッチを装備しているというシンプルな作りで、+21.5dBという余裕のあるヘッドルームと、スピーカーモードでは最大1000Wまでのアンプからの信号を受けられるのが特徴です。

実際に試奏した印象ですが、中音域に艶があって高音から低音まで雑味なくキレイに伸びています。まさに「ニーヴ」という名にふさわしいクリアなサウンドが素晴らしい! また、ノイズが驚くほど少なくて、録音後にコンプをかけて音圧を上げていっても、ほぼノイズらしい成分が出てこなかったのにはビックリしました。本機をたんなるDIと考えるのではなく、接続するだけで上質なサウンドが完成するアイテムとして捉えると、さらに演奏や録音が楽しくなりそうですね。
 

この製品について

[製品概要]
「RNDI」は数多くのコンソールの名器を作り出したルパート・ニーヴ氏が開発したDIだ。カスタム設計のトランスとクラスAディスクリートFETアンプによって構成され、圧倒的にノイズが少ないのが特徴。上質な分離感と音楽的に優れた倍音効果、そして奥行きを様々な楽器のサウンドに与えることができる。なお、インストゥルメントモードでは+21.5dBuという大きいヘッドルームを誇り、シンセやドラムマシンにも最適だ。

[SPEC]
●入出力端子: インプット、スルーアウト、ラインアウト ●電源:48Vファンタム電源 ●外形寸法:102(W)×159(D)×38(H)mm ●重量:680g
 

 


老舗テレフンケンの誇りを感じるナチュラルながらも暖かみのある質感

テレフンケン
TD-1 1ch passive direct box

オープンプライス(¥27,000前後)
問:㈱宮地商会M.I.D.
https://miyaji.co.jp/MID/
 

手のひらに乗るキューブ型の形状で、軽いので持ち運びもしやすいですね。特にライン録音が中心のスタジオや、プリプロダクションの現場とかに持って行くと重宝しそうです。

仕様としてはかなりシンプルで、インプット入力とスルー出力、ライン出力、グランドリフトスイッチ、−15dBのパッドスイッチが搭載されているだけと、かなり潔い設計になっています。逆に、それだけ音質に自信があって、余計な機能を載せてサウンドを崩したくないという、確固たる信念が伝わってくるようです。

実際に試してみた感想は「お見事!」としか言いようがなく、低音から高音までスムーズに伸びています。音像もしっかりしていますし、音の輪郭がハッキリと伝わってきます。いい意味で味付けがあって、ナチュラルながらも暖かい質感が得られるのが最大のポイントでしょう。バックトラックとの馴染みも良さそうですし、アコースティック楽器の録音でも効果を発揮すると思います。
 

この製品について

[製品概要]
「TD-1 1ch passive direct box」は、名門テレフンケン社が開発したパッシブタイプのDIだ。しっかりした筐体にイギリス製のOEP/Carnhillトランスを搭載し、リッチでウォームなサウンドを実現。また、内部の基板は100%手作業で組み立てられているうえに、すべての回路には製品寿命と伝導率を最大限に高めるために金メッキが施されている。まさにDIのニュースタンダードとも言える注目のモデルだ。

[SPEC]
●入出力端子: インプット、ラインアウト、スルーアウト ●外形寸法:100(W)×100(D)×50(H)mm ●重量:482g
 


 

 

ギター用プリアンプにDIが融合したクリーンサウンドに特化した注目のペダル

トゥーノーツ
Le Clean

¥49,800
問:日本エレクトロ・ハーモニックス㈱
TEL:03-3232-7601
http://www.electroharmonix.co.jp
 

この「Le Clean」は、「クリーンサウンド用プリアンプ+DI」という構成になっています。まず本体にはAとBの2つのチャンネルがあって、それぞれ独立したツマミが装備されています。特にBchはツマミも多く、艶のあるクランチから透明感のあるクリーンまで、かなり細かく音作りができました。

ユニークなのは、2つのフットスイッチをオフにするとDIになるという点です。DI使用時にはアナログのスピーカーシミュレーターのオン/オフが選択できて、ギターアンプを実際に鳴らしてマイクで拾ったような音質で録ることができました。サウンドは「Le Clean」という名前の通りかなりクリアで、高音域の伸びに特徴があります。最近のレコーディング現場では、高音域がしっかり出る方が喜ばれることが多いので、本機が活躍する場面は多いと思います。とにかくクリーンサウンドをいい音で録りたいというギタリストにはオススメです。

 

この製品について

[製品概要]
「Le Clean」は、クリーンサウンドに特化したペダル型の真空管プリアンプだが、2つのスイッチを両方ともオフにするとDIとして機能するという非常にユニークな製品だ。アナログのスピーカーシミュレーターを搭載しており、DI機能を使っている際にも奥行きのある音色でライン録音ができる。プリアンプとしては2ch仕様で、両方の接続を直列と並列で切り替えることができ、自由に音作りが行なえる。

[SPEC]
●入出力端子: インプット、エフェクトセンド/リターン、ラインアウト、スルーアウト、DI出力、ヘッドホン ●電源:専用ACアダプター ●外形寸法:124(W)×189(D)×50(H)mm ●重量:750g
 


試奏者プロフィール

 

野村大輔(ノムラ ダイスケ)
レコーディングやライブのサポート、作・編曲、ギター講師、執筆活動など幅広い分野で活動しているギタリスト。ブルースをベースにしたプレイスタイルが持ち味で、歌メロの良さを引き出すギターアレンジを得意としている。

 

今回の試奏方法

試奏は、サーのCLASSIC ANTIQUEというエレキギターと、アコギはピックアップ付きのマーティンD28で行ないました。ギターからDIの各モデルにつないで、MOTUの828(オーディオインターフェイス)経由でティアックS300というスピーカーを鳴らして、ソニーのヘッドホンMDR-CD900STでも聴きました。録音後にコンプをかけて、音圧を上げた際のノイズの有無も確認しています。
 

DIとは?

エレキギターやエレキベースなどのハイインピーダンスの楽器を、そのままミキサーや録音機器に接続すると、高音域が削れたりノイズが増えたりと、音質が変わってしまいます。そこで、楽器とミキサー/録音機器との電気抵抗のマッチングを取るために必要になるのがDI(ダイレクトボックス)です。皆さんが使っているオーディオインターフェイスには「Hi-Z入力端子」が付いていると思いますが、それもDIと同じ役割を果たしています。

DIには多機能のものからシンプルなものまで様々なモデルがあり、サウンドにも各社で違いがあります。楽器の音を素のまま出力するようなナチュラルなものから、程良く味付けをして音を出力するものなど、用途に合わせて選ぶことができます。
 

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