ビヨンセが、現地時間3月14日(日)に開催された第63回グラミー賞にて、最優秀R&Bパフォーマンス賞、最優秀ラップ・パフォーマンス賞、最優秀ラップソング賞、最優秀ミュージック・ビデオ賞の計4部門で受賞した。これでビヨンセのグラミー賞受賞数は28回となり、女性アーティストとして最多数受賞の新記録を樹立した。これは、歴代最多受賞者の指揮者のゲオルク・ショルティ（31冠）に続きプロデューサーのクインシー・ジョーンズと並ぶ2位タイの記録となるが、シンガーとして28冠は歴代最多の記録である。

記念すべき28冠目となった「最優秀R&Bパフォーマンス賞」を受賞した「ブラック・イズ・キング」(’20)は、ビヨンセの故郷でもあるアメリカ・テキサス州で奴隷が1865年6月19日に完全に解放されたことから、＜ジューンティーンス＞（June Nineteenthの混成語）として祝われている同日に配信された。「これからも、困難の中でも私たちが喜びを分かちあい、お互いを称え続けることを祈っています。私たちの美しさ、力、勢力を忘れないでください。」とメッセージを込めた楽曲だ。受賞スピーチでは感謝を述べ、今年グラミー賞初ノミネート＆初受賞を果たした愛娘のブルー・アイヴィーへも愛の言葉を送った。

「最優秀R&Bパフォーマンス賞」受賞スピーチ全文和訳
「ありがとうございます。なんてことでしょう、とても光栄です。すごく興奮しています。本当にありがとうございます。一人のアーティストとしていま生きる時代を反映することは私だけではなく、全ての人の役割だと信じています。とても大変な時期です。だから私は、私と世界に対して常にインスピレーションを与え続ける全ての美しきブラック・クイーンとブラック・キングを鼓舞し、勇気づけ、祝福したかったのです。とても胸が一杯です。私は9歳の頃からずっと活動してきていて、こんなことが起こっているなんて本当に信じられません。夢のような夜です。本当にありがとうございます。娘が今これを見ているんです。二人の娘と息子です。みんな見ているよね。ブルー、おめでとう。あなたがグラミーをとったのよ。とても誇りに思うわ。あなたの、あなたたちみんなの母親であることが本当に光栄なの。私のベイビーたち、本当に誇らしいわ。あなたのことを愛しているわ、あなたは私の支えよ。皆様、今夜は楽しんでください。ありがとうございます。」

最優秀ミュージック・ビデオ賞を受賞した「ブラウン・スキン・ガール」は自身がナラ役の声優を務めたディズニー映画『ライオン・キング』(‘19年)のインスパイアード・アルバム、『ライオン・キング：ザ・ギフト』に収録されている。ビヨンセが初プロデュースを担ったことでも話題となった同作のリリースから約1年後の2020年7月31日には『ライオン・キング：ザ・ギフト（デラックス・エディション）』をリリース。オリジナルのアルバムからセレクトされたビヨンセが歌唱する14曲に、グラミー賞4部門にノミネートされていた「ブラック・パレード」、同曲の別バージョン「ブラック・パレード（エクステンデッド・エディション）」、そして新たなリミックス曲「ファインド・ユア・ウェイ・バック(メロ-X・リミックス)」の3曲を追加収録。映画へのトリビュートとアフリカン・ミュージックへの敬意を称えた“アフリカへのラヴ・レター”という意味を込めた同アルバムには、夫であるジェイ・Zや、ファレル・ウィリアムス、チャイルディッシュ・ガンビーノ（俳優名：ドナルド・グローヴァー）、ケンドリック・ラマー等、彼女と親交のある豪華アーティストや、アフリカン・アーティストが参加。「ブラウン・スキン・ガール」に参加していたビヨンセの愛娘ブルー・アイヴィー・カーターは、わずか9歳にしてグラミー賞を初受賞するという快挙を成し遂げ、史上2番目に若いグラミー賞受賞者となった。

＜ビヨンセ グラミー賞ノミネート＆受賞結果＞
★最優秀レコード賞 ビヨンセ「ブラック・パレード」ノミネート
★最優秀レコード賞 ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「サヴェージ」ノミネート
★最優秀楽曲賞 「ブラック・パレード」ノミネート
★最優秀R&Bパフォーマンス賞 ビヨンセ「ブラック・パレード」受賞
★最優秀R&Bソング賞 「ブラック・パレード」ノミネート
★最優秀ラップ・パフォーマンス賞 ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「サヴェージ」受賞
★最優秀ラップソング賞 ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「サヴェージ」受賞
★最優秀ミュージック・ビデオ賞 ビヨンセ「ブラウン・スキン・ガール」受賞
★最優秀ミュージック・フィルム賞 ビヨンセ「ブラック・イズ・キング」ノミネート