操作がシンプルで扱いやすい

素直な音質が魅力のオーディオインターフェイスTASCAM「Celesonic US-20x20」

素直な音質が魅力のオーディオインターフェイスTASCAM「Celesonic US-20x20」

2015/12/23


タスカムの新製品「Celesonic US-20x20」は、最大20イン/20アウトの入出力が可能で、最高24ビット/192kHzの高音質を誇る1Uラックサイズのオーディオインターフェイスです。剛力彩芽や藍井エイルなどの作品を手掛けているエンジニアの遠藤淳也氏と、ギタリストでありトラックメイカーのKOSEN氏に試奏を依頼し、本機の性能をチェックしてもらいました。


プロフィール

遠藤淳也
(エンドウ ジュンヤ)

1996年にスタジオグリーンバードからキャリアをスタート。ヒップホップやR&Bを中心に数多くの作品を世に送り出す。その後、(株)PlickPluckを設立。2011年にはSTUDIO QUESTを設立し、最近では、剛力彩芽、華原朋美、Every Little Thing、藍井エイル、佐咲紗花、ピコ、C&K、Brian The Sunなどの作品を手掛けている。

KOSEN
(コセン)

RIP SLYMEのILMARI率いるバンド「The Beatmoss」のメンバーであり、映画やテレビドラマの劇伴の作曲も手掛けるマルチミュージシャン。現在では、全曲英詞によるダンス/エレクトロユニット「Colorful Mannings」名義で活動を展開している。詳しくは、http://colorfulmannings.com/まで


アコギのタッチの強弱やプレイのニュアンスもシビアに録れます

遠藤氏は、専用のコントロールソフトで操作できるコンプとEQが気に入ったとのこと。同ソフトは操作が非常にわかりやすく、レコーディング時のミキサーの設定や信号のルーティングの切り替えなども行なえる

──まずは今回、遠藤さんがCelesonic US-20x20の試奏を行なった環境を教えてください。

遠藤:KOSENさんの新しいプロジェクトであるColorful Manningsというユニットのセッションで、ボーカルとギターのレコーディングに使ってみました。マイクはボーカルがソニーC-800G、エレキギターのアンプ録りではシュアSM57、アコギはダイナミックマイクとコンデンサーマイクの両方を試すためにSM57とAKGのC414を使って録っています。DAWソフトはアビッドPro Toolsで、そのまま録ったものとCelesonic US-20x20に内蔵のDSPエフェクトをかけ録りしたものの両方でチェックをしました。

アコギの録音では、写真で遠藤氏が手にしているAKGのC 414(コンデンサーマイク)と、シュアSM57(ダイナミックマイク)を使って音質のチェックを行なった

ボーカルでのチェックではソニーC- 800Gを使用。Celesonic US-20x20は、このマイクの特徴であるハイの滑らかな伸びも正確に捉えてくれた

──デザインやツマミと端子のレイアウトはいかがですか?

遠藤:本体は黒がベースで機能的に見えるというか、渋めで好きなデザインですね。フロントパネルでインプット接続とゲインの調整が全 部できるのはいいと思います。あと、この価格帯だとファンタム電源を一括でオン/オフする機種が多いんですけど、これは4つずつオンオフができて、コンデンサーマイクとダイナミックマイクを使い分けられる点が便利ですよね。ツマミもタスカムらしく安定していて、グラグラするような安っぽさがなくていいです。

──マイクプリの音質や、再生音の傾向はどうでしたか?

遠藤:まず、マイクプリがしっかりしています。耐久力があってピークに強そうというか、どんなソースでも受けられる気がしました。なので、これでドラムとかを録ってみたいですね。録り音はもっと明るいのかと思っていたんですが、すごく素直で落ち着いた音でした。ダイナ ミクスもキレイに出ていて、アコギのタッチの強弱やプレイのニュアンスもシビアに録れます。生真面目で、ごまかしがない音なんですよ。価格帯を考えると優秀なマイクプリだと思います。逆に、再生音は若干ハデめですね。前に出てくる感じの音で、奥行きや広がりよりも力強さを感じました。

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