自然なドラムサウンドを追及したATVのドラム音源「aD5」をいち早くチェック!
自然なドラムサウンドを追及したATVのドラム音源「aD5」をいち早くチェック!
2016/01/19
2015年11月に発表され、いよいよ今月末に発売となるATVのドラム音源「aD5」。先日にはプロモーションムービーが公開され、リアルなサウンドが大きな話題を呼んでいる。TuneGate編集部はそんな「aD5」の実力をお伝えするため、ATVの東京オフィスを直撃。同社の取締役 営業部長である渋谷氏にお話を伺ったほか、プロのドラマーによる「aD5」のデモンストレーションを動画で撮影させてもらった。撮影した音色は本記事で初公開となるものもあるので、是非ご覧ください!

ATV「aD5」
ATV 渋谷氏インタビュー
――まず、ATV設立の経緯を教えてください。

ATV 渋谷氏

電子楽器業界のレジェンドと呼ばれる梯郁太郎氏による著書「サンプルのない時代」
渋谷:ATVは創業者である梯 郁太郎が2013年に新たな電子楽器、映像機器を開発したいという想いで設立し、同時に著書である「サンプルのない時代」を出版いたしました。そして、製品開発のスタートから2年を経て、今回、初の製品となる「aD5」をリリースするに至りました。
――ATV製品の第1弾にドラム音源を選ばれたのはなぜですか?
渋谷:梯が最初に起こしたエース電子工業と、その次に起こしたローランドは、いずれも初期にリズム系の製品をリリースしているんです。それに則ったというわけではないですが、やはりパーカッション/リズム系製品は時代を超えて普遍的なニーズがあるということで、ドラム音源を製品第1弾としてリリースすることになりました。
――「aD5」の音源の特徴を教えてください。
渋谷:我々は「aD5」の音源を、音質はもちろん、レスポンスの良さ、ダイナミクスの広さにこだわり、“自然な鳴り”で、プレイヤーが心地よく、気持ちよく叩ける楽器を目指して開発しました。まるでアコースティックドラムを叩いているかのような感覚でプレイヤーには使っていただけると思います。
――「aD5」に収録された音はどれくらいの音質でしょうか?
渋谷:いわゆるピュアオーディオ/ハイレゾクラスに引けを取らない出力品質です。そんなことから「レイテンシーが大きいのでは?」と思われるかもしれませんが、ご使用いただいたドラマーの方からはレスポンスの良さにご好評いただいています。
――トリガーパッドは他社の様々な製品に対応していますが、各トリガーの感度の違いはどのように調節するのでしょうか ?
渋谷:「aD5」にはトリガー・セットアップ・ウィザードが搭載されています。接続したパッドを選択し、ピアニッシモとフォルテッシモで叩いていくだけで、プレイヤーに最適な状態にセットされます。「aD5」の実力を発揮するために、必ず実行していただきたいと思います。
■トリガーの音色選択と感度調節の手順


設定を行なうトリガーパッドを叩くことで、どのトリガーを設定するかを決定する

パッドのメーカー、パッドの種類を選択

その後、画面に「弱く三回叩いてください」と表示されるのでトリガーを弱く叩く。次に「強く三回叩いてください」と表示されたらトリガーを強く叩く。これにより、個々のプレイヤーに応じた感度調整が行われる
――主なターゲットはどういった方を想定されていますか?
渋谷:アコースティックドラムのようなリアルな演奏感が得られるので、例えばスタジオなどで生のドラムを普段から使われていて、自宅で電子ドラムを使った練習をしたいといった方に選んでいただきたいと思います。また、電子ドラムをすでに使われている方で、新たな音源を購入したいという方にもぜひオススメしたいですね。
――先日、PVが公開されていましたが、反応はいかがでしたでしょうか?
渋谷:大きな反響をいただいております。日本では昨年11月に発表会を行ないましたが、海外では大々的な発表イベントを行なっていませんでした。そのため、全世界的に見ると「aD5」は“突如現れたドラム音源”という印象だったようで、ユーザーからは“なんだこれは!?”と、驚きをもって迎えられました。

新たなファームウェアやサウンドなどをアップデートするときはSDカード経由でデータを読み込んで行なう
――今後、「aD5」の展開はどのように予定されていますか?
渋谷:「aD5」は何年後かに後継機種をリリースするのではなく、ファームウェアのアップデートを行ないながら長く使えるということに主眼を置いて開発しました。アコースティック楽器のように“楽器を育てる”感覚で、ユーザー様に使っていただける製品になっています。また、音色も現在は5キットを収録していますが、新たな種類も今後追加していく予定です。追加サウンドは有償/無償どのような形でリリースするか未定ですが、ぜひご期待いただきたいと思います。
プロドラマーによる「aD5」デモンストレーション動画
「aD5」に収録されている5種類のキットから、特にその実力がお分かりいただける3キットをドラマーの稲田氏にデモンストレーションしていただいた。
1.「TruAcoustic」
2.「Legendaly Jazz」
3.「Metal 9000」
デモンストレーター
稲田 渉(いなだ わたる)
バークリー音楽院プロフェッショナルミュージック科卒。在学中は様々なプロジェクトに参加し、レコーディングやライブなど精力的に活動。ブラックミュージックに影響を受け、ゴスペルやR&Bを中心に活動を行う。在学中はKenwood Dennerd,Ralph Petersonらに師事。
帰国後は専門学校や音楽教室での講師を務める傍ら、フリーランスでサポートミュージシャンとして活動している。定期的にWataru Inada Groupとして自身のリーダーライブも行う。現在は東京を中心に国内外で活躍中。
【稲田氏のコメント】
「aD5」は、これまでの電子ドラムと同じ感覚で叩くと“叩きづらい”と感じるほど音の返りが速く、非常に驚きました。これまでレコーディングで電子ドラムを使う機会も多くありましたが、“その時ににこれがあったらなぁ”って思いましたね。
取材を終えて
今回、初めて実機に触れてみたが、ドラマーの微妙な強弱も見事に再現するダイナミクスの幅は、下手なドラマーが叩くとボロがでるレベルであり、より生ドラムに近いものを感じた。非常に低いレイテンシーには驚かされ、ドラマーにとって違和感のないものになっている。
初回は厳選されたサウンドでリリースとのことだが、システム、サウンド共に拡張性が保証されており、長く付き合える魅力的な”楽器”が登場したと言えるだろう。
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