昨年より行なってきた企画 “project『Love』” の最後を飾るアルバム
DOG inTheパラレルワールドオーケストラ『HEART』インタビュー
DOG inTheパラレルワールドオーケストラ『HEART』インタビュー
2017/05/03
ヴィジュアル系バンドDOG inTheパラレルワールドオーケストラが、ニューアルバム『HEART』を4月26日にリリースした。本作は、昨年夏より行なっている企画 “project『Love』” の最後を飾る作品で、“殻を破って自分達の新たな一面を発見したい” と語る彼らの熱い気持ちが詰め込まれた意欲作。ここではメンバーを迎えて、楽曲制作の秘話やレコーディングでの苦労話などについて聞いてみた。さらに5月からスタートするツアーへの意気込みについてもコメントしている他、これまであまり語られることのなかった使用機材などについても言及。ファン必見の内容だ。
取材:橋本周大(編集部)
──まず、本作『HEART』のコンセプトについて教えて下さい。
春(ボーカル)
春:僕らは今まで一つのテーマを設けず、自由気ままに活動をしていたんですが、「カッコ良いバンド10周年を迎えたい!」、「何か一つの答えを見つける、殻を破りたい」という思いのもと、去年の7月頃から1年をかけて “project『Love』” という企画を行なっているんです。その企画は全国47都道府県でライブをしながらも、たくさんのCDを出していくという内容で。そのリリースの最後を飾るのが今回のアルバム『HEART』なんです。
──タイトルの『HEART』にはどういった意味が?
春:愛を感じるためには “心” がないと感じられないなと。今まで僕らに触れてくれた人、そしてこれから触れてくれる人の “心に触れられるようなアルバム” になってくれたら良いな」という思いから僕が付けました。“project『Love』” だから、無難に考えたら『LOVE』だと思うんです。実際『LOVE(仮)』として話を進めていましたし。
──なるほど。
春:でも、ツアー中にメンバーと話し合って「『HEART』だよね? こっちの方が良いよね?」って。そうしたらみんなも「良いね」って言ってくれました。
──では、候補曲はどれぐらいあったのですか?
春:40曲ぐらいあったんじゃないかな。「メテオライト」「7th WONDER」「JOY TO THE WORLD」は既存のリリース曲で、それ以外の11曲はすべて新曲なんです。
──アルバムを作る時はそのぐらいの曲数を用意しているのですか?
春:それぐらい集まりましたけど、『HEART』に関しては多いほうだと思います。特に今回は「“今” のDOGの良いものを詰め込もう。良いと思ったら全部入れよう」というスタンスだったので、結果として新曲がたくさん収録されることになりました。
──クレジットがバンド名になっていますが、メンバーそれぞれで曲を持ち寄る形なのですか?
春:そうですね。
──今回は誰が一番多く用意してきたのですか?
春:うーん、作曲者は内緒にしているので、言っちゃうとバレちゃう(笑)
緩菜:多い人で20曲ぐらいじゃない?
春:うん、そうだね。
── 一人で20曲用意するなんてスゴいですね。
春:ただ、準々は「持ち曲は7億曲ある」って言ってるんで。だから、「すべて準々にかかっている」と言っても過言ではないです。
緩菜:ちなみに、この間「ハードディスク飛んだ」って言ってましたけどね(笑)。今何曲ぐらいあるの?
準々:今は、10曲ぐらい。
全員:(笑)
春:まぁ3回ぐらい選曲会をして収録することが決まったものに対して、その都度作業を進めていくという感じでした。
準々(ギター)
──選曲会は毎回何度かやるんですか?
春:シングルだろうと、アルバムだろうと一回で終わることはないですね。
──そこでメンバー同士で話し合いを重ねて決めると?
春:結構そこらへんは感覚というか。ピンとくるかこないかで。
メイ:作る時は全員一致が条件なんですよ。
春:そう、全員が「OK!」って言わない限り、“エンドレスおかわり” みたいな。
メイ:面白いのが、自分が「うーん」って思ってると、不思議とメンバーも同じ反応してたりするんですよ。
──自然と同じ気持ちを抱いているんですかね。
メイ:というより、曲のパワーとかピンとくるものだったり、メロディーの兼ね合いとかですね。
春:自ずと一つにまとまります。
──では、どのように曲順を決めたのでしょうか?
春:僕が決めました。一人で40回ぐらい組み直して「これなら!」というのをメンバーに見せたら一回で「良いよ」って言ってくれました。
メイ:春が曲の歌詞を書いている人なので、流れだとか一番見えるんですよ。
春:「これだと嫌だ」とか “嫌なこと” が一番多いのが僕だと思うんです。僕が納得いかなかったらダメ。本当にワガママなんです(笑)。
メイ:こだわりが強いんだよ。
春:うん(笑)。でも、僕が決めたものに対して一人でも「嫌だ」という声があったら、もちろん考え直します。
── 一番難しかった箇所はどこでしょうか?
春:まず、3曲目をどれにするか悩みました。例えば「Riot」が3曲目にくるパターンが何個もあったりとか。1曲目は新しくライブで使っているSEで、2曲目はリード曲で、その二曲の世界観が繋がるように作っているんです。そうなると、アルバムを聴いて「お!」ってアンテナが反応するのが必然的に3曲目になるじゃないですか。だからスゴくスゴく考えました。
──メンバーの皆さんが最初に春さんから曲順を見せてもらった時の印象は?
メイ:俺は、ライブのセットリストの組み方と少し似ている感じがすると感じました。個人的に「JOY TO THE WORLD」が最後の方になれば良いなとは思っていましたけど、後は春くんに任せようと思っていたし。
準々:俺は春さんが「これ」って言うなら絶対に良いと思ってるんで。
ミズキ:俺は綺麗な形だなと。聴いていて飽きがこないというか、1曲1曲がすんなり耳に入ってきました。
緩菜:みんなが言っている通りだと思うし、聴いているとずっとドキドキするというか。イントロが流れた時に「あ、次はこういう曲が来るんだな!」って。だから曲を飛ばさないで聴いて欲しいです。
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