エンジニア原 朋信氏が徹底チェック

【低価格で高音質なアコギ向きのコンデンサーマイク5本を試聴】シュアPGA27

【低価格で高音質なアコギ向きのコンデンサーマイク5本を試聴】シュアPGA27

2017/09/15


分厚いバックトラックに混ざっても前に出てくる中高域が持ち味

シュア
PGA27

オープンプライス(¥23,800前後)
問:完実電気㈱
TEL:050-3388-6838(営業時間10:00〜18:00)
http://kanjitsu.com
 

歌やギターを鳴らした瞬間、シュアのSM57やSM58で聴き慣れている、前に出てくる中高域を感じました。今回のマイクの中では音質が最もカラっとしています。サウンド自体はハイファイで、情報量もすごく多かったですね。コンデンサーマイクらしいレンジの広さがありつつも、シュアらしいキャラクターも持ち合わせているのが、このマイクの特徴だと思います。これなら、エレキギターとかが激しく鳴っているようなオケの中でも、ちゃんとアコギのコードストロークが聴こえてくるように録ることができますね。
色々なプレイスタイルで使えると思いますが、個人的には音数の多いバンドサウンドの中で、アコギが前に出てくるような音を録りたい時にこれを選びたいですね。そういう意味では、ロックやポップスのボーカルを録るのにもいいと思います。やはりボーカルマイクの老舗メーカーですし、信頼して使えるオススメの1本です。

【製品概要】
「PGA27」は、SM57などのダイナミックマイクで有名な同社が開発した、単一指向性のコンデンサーマイクだ。大口径のダイアフラムを搭載することで、クリアな高域と力強い低域を実現している。また、 −15dBのアッテネーションスイッチを装備しているので、 アンプやドラムなど、音圧の高い信号の入力にも対応することができる。

【SPEC】
●指向性:単一指向性 ●感度:ー35dBV/Pa、17.8 mV/Pa
●周波数特性:20Hz〜20kHz ●出力インピーダンス:115Ω
●外形寸法:長さ=153mm/直径=56mm ●重量:453g


原 朋信氏

馬場一人氏

【試聴環境】
今回の試聴は、各モデルをAMATERAS 1011(マイクプリ)につなぎ、RME MultiFace(オーディオインターフェイス)経由でスタインバーグCUBASE PRO 9に録音しました。マイクは、アコギから30cmほど離して12フレットのあたりにセットし、そこからサウンドホールを狙うことでプレイヤーが聴いている音に近いサウンドを収録しています。ギターはマーティンD-41を使用。試聴に協力してもらったギタリストの馬場一人さんには、アコギの奏法による音の違いが判別しやすいように、アルペジオやコードストロークなど、様々な弾き方をしてもらいました。ちなみに、モニタリングにはAMATERAS 9012M(スピーカー)とゼンハイザーHD25 MK2(ヘッドホン)を使っています。

【プロフィール】
原 朋信(ハラ トモノブ)
1人宅録ユニット「シュガーフィールズ」でデビュー。その後レコーディングの腕を磨き、レコーディング/マスタリングエンジニアとして活躍する。現在は、自身のスタジオ「カフェオレーベル・スタジオ」を設立。これまでに、くるりやスネオヘアーなどのレコーディングを手掛けている。

馬場一人(ババ カズト)
14歳でクラシックギターを始める。中学〜高校時代にバンド活動を続け、卒業後は音楽学校に進学。在校時からプロとして仕事を始める。 卒業後はギタリスト、作・編曲家、バンド活動と並行して、音楽専門学校の講師を10年以上務めた経験もある。現在はアニメ「ZOIDS」の主題歌などでおなじみの癒し系ロックバンド“RAMAR”のギタリストとしても活動中。
 


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