高柳明音(SKE48)とのデュエット曲も収録!
野口五郎『The birth GORO anniversary』
インタビュー
野口五郎『The birth GORO anniversary』インタビュー
2016/02/24
ギターは「ザ・ヒットパレード」を見て覚えるしかなかった。
──ヤマハさんと作ったというギターは黒のSGタイプですか?
野口:いいえ、SGではなくて。ストラトタイプで、ダンカンのピックアップが付いているものです。当時、ダブルとシングルが切り替えられるように僕が考えて。特許を申請しておけば良かったんですけど(笑)。だって、エフェクターボックスを考えたのも僕が最初みたいなものですから。
──本当ですか?
野口:当時、MXRか何かを全部分解して、それをベニヤの板にくっ付けたりしてたから。スイッチでピッて全部がオンになるようにね。
──今回の「でも好きだよ」では、アンプは何を使っているのですか?
野口:パワーアンプがVHT。プリアンプがMesa Boogieかな。
──10曲目の「それぞれの時」では、高柳明音さんとデュエットされてますよね。どういったいきさつで実現したのですか?
野口:たまたま彼女と同じ番組(アメーバスタジオの番組)をやっているんですけど、初日に声を聞いて、すぐに“この子と一緒に何かできそうだな”って思ったんです。彼女の声は少しハスキーだし、歌えそうだなって。まさに初めて会ったその日ってやつです。
──そもそも、野口さんがギターを始めたきっかけというのは?
野口:ギターというよりも、最初はウクレレなんです。幼稚園の6歳のときですかね。たまたま家にウクレレがありまして。兄貴が持っていたらしいんですけど、それを押し入れから出してきて。お母ちゃんには、そんな汚いもの出してきちゃダメって言われたんですけど。ダメと言われるとやりたくなっちゃいますよね。で、隣りの家に持って行って。チューニングもバラバラでしたけど、弾き始めるとメロディーとかが作れることもわかってきて。そうこうしているうちに、近所のおばちゃん達が見ていて“あんたの息子、ウクレレ弾いてたよ”みたいな話になって。で、中学1年のときに親父がギターを買ってきてくれたんです。
──最初はギターでどんな曲を弾かれていたんですか?
野口:「影を慕いて」とか、古賀メロディーですね。グループ・サウンズとか、ベンチャーズの前ですから。コードの押え方も当時は教則本などないですからね。だから和音も耳だけを頼りに拾って。例えば、解放でAマイナーがあるじゃないですか、僕はずっと小指が一番上で押えてました。だって、当時は誰も教えてくれないですからね。
──エレキギターに興味を持ったのはどのタイミングなのですか?
野口:小学校の4年生のときですかね。
──エレキブームの影響で?
野口:そうです。ベンチャーズですね。寺内タケシさんとか。当時「ザ・ヒットパレード」という番組があって、ギターはとにかくそれを見て覚えました。レコードは買うお金もないし。リアルタイムで見て覚えるしかない。で、自分が見たいカットが出ない場合はまた翌週に期待ですよ。でも、今日こそキャラバンは寺内さんかなって思うと、ブルー・コメッツのサックスでメロディーを弾かれちゃったりしてね。“う〜、違う〜ってね”(笑)。
──見て覚えるなんてスゴいですね。
野口:でも面白かったのは、当時「ダイアモンドヘッド」の“ズン、ダーダ、ズン、ダーダ”って音が僕の耳にはディミニッシュに聴こえたんですね。ディミニッシュなんてコードは知らない小学生のときに。で、数年前にベンチャーズと番組で「ダイアモンドヘッド」を一緒にやったんですよ。そして、僕がディミニッシュを弾いたら、“五郎、お前何やってんだ。そこはDとFだ”って言われて(笑)。えー、僕そんな難しいことやってたんだって。そういう恐ろしい勘違いもありました。
──ベンチャーズからロック的なものに変わって行ったのは?
野口:やっぱり寺内さんですよね。コピーしまくって。当時は学校の卒業式に「お江戸日本橋(民謡)」をやったりしてました。友達をオーディションで選んで。ギターやベース、ドラムも全部教えて。で、ごく最近、役所を定年退職した仲のいい友達から「あの時、俺、なんでオーディション落ちたの?」って質問されたんです。それで、「あれ、俺言ってなかったっけ。素質がないからだよ」って答えたんです(笑)。「良かったじゃないか、それで公務員になって、病院の副理事長にまでなったんだから」ってね。
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