プライベートスタジオの作り方 2016(防音/吸音/電源/ノイズ対策などのアイテム大紹介)

音響パネル「GACシリーズ」の効果を実際に使って検証
〜エンジニアが徹底チェック〜

音響パネル「GACシリーズ」の効果を実際に使って検証〜エンジニアが徹底チェック〜

2016/05/06


暮らしの中のあらゆる防音や吸音に関するアイテムを販売している東京防音。同社がオーディオルームの音響改善用に開発した音場調整パネル「GACシリーズ」を、元COILで現在はエンジニアとして活躍している佐藤洋介氏に、佐藤氏が普段レコーディングやミックスの作業を行なっている「FIVE TREES STUDIO」のコントロールルームにて、左右のモニタースピーカーの背面にGAC-1300をセットして、モニター音がいかに変化するのかをチェックしてもらいました。主にミックスを行なう部屋で、同シリーズはどんな効果を発揮したのでしょうか。

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チェッカー:佐藤洋介(サトウ ヨウスケ)[エンジニア/ex.COIL]
1998年にCOILの一員として名曲「天才ヴァガボンド」でデビュー。完全アナログ自宅録音ユニットとして注目を集め、以降もマイペースで活動を続ける。2014年に病気療養のためにCOILを脱退。その後はエンジニアやプロデューサーとして様々なアーティストの作品を手掛けている。


 

音が濁りやすい200〜300Hzが非常にスッキリとした印象です

──佐藤さんは、普段このスタジオでどのように吸音対策をしているのですか?
佐藤:以前、別の場所にあるプライベートスタジオ「ロープランドスタジオ」を使っていた当時は、宅録ならではの音の響きや、部屋鳴りを活かしたサウンドを目指していたので、吸音をそれほど追求してはいなかったんです。ただ、エンジニアとしてこのスタジオで作業をするようになってからは、その頃よりは吸音もしっかりやるようにしているんですけど、プロユースのスタジオみたいに完全にデッドにするのではなくて、程よく響きもあるような環境にしています。

──具体的にはどうしているのですか?
佐藤:壁に吸音パネルを貼っています。中にグラスウールが入っているタイプの製品なんですけど、カラフルなのが気に入って購入しました。床に関しては、ここで楽器を録るだけなら、ある程度は響くようにフローリングのままでもいいかと思ったんですけど、やはりモニタリングをする作業が多いものですから、吸音のためにカーペットを敷いています。
──では、今回試していただいた「GAC-1300」の第一印象をお聞かせください。
佐藤:デザイン的には表裏がなくて、縦でも横でも自由に置いて使えるのがいいですね。色合いもシックで、白や黒といったカラーバリエーションがあるのもうれしいです。

──今回は、GAC-1300をどんな風に置いてみたのですか?
佐藤:左右のスピーカーの斜め後方あたりに置いて低音の溜まりを吸うのがベストみたいで、実際にやってみたら効果抜群だったんですよ。でも、デスクの向こう側にあるレコーディングブースに移動する時とかにGAC-1300をいちいち動かさないといけなくて、それが不便なので、結局スピーカーの真裏に置きました。でも、これでも効果は十分にありましたね。この部屋みたいに限られたスペースでスタジオを構築するとなると、スピーカーと壁との距離がどうしても近くなってしまうのがネックなんですよ。しかも、それが低音をブーストさせる原因になりますし。なので、スピーカーの真裏にGAC-1300を置くというのが、一般的な広さの部屋では最も現実的で効果的な設置方法だと思います。

 

リバーブをミリ単位で調整できるくらい音像が見えるようになった

──もう少し具体的にGAC-1300の吸音効果について教えてください。
佐藤:このスタジオは大きなコンソールが置いてあったり、デスクもそれなりにスペースを取っているので、反射音が結構あって、200〜300Hzあたりがブーストされるんですよ。音が濁りやすい周波数帯域なんですけど、そこが非常にスッキリとした印象がありましたね。スピーカーに付いているEQで調整してしまうと、どうしても音にヘンなクセが付いてしまうので、GAC-1300で特定の帯域を調整できるのは音痩せもしないし、それがうれしいですね。あと、リバーブの音の切れ際も、ディケイをミリ単位で調整できるくらい音像が見えやすくなりました。音の濁りが減った分、より音に対してシビアに作業ができそうです。それで仕事を増やしちゃったかなぁ(笑)。

──GAC-1300は、他にどんな使い方が考えられますか?
佐藤:アコギや歌を部屋で録る時に、複数のGAC-1300で囲めばパーテーションとしても使えそうですよね。GAC-1300よりひと回り小型のGAC-880だったら、動かすのがさらに楽そうですし。

──では、佐藤さんはGAC-1300をどんな人にオススメしたいですか?
佐藤:もし、スピーカーに搭載されたEQを使って部屋鳴りを調整されている方がいたら、一度こういうアコースティックな吸音材を使ってみてほしいですね。さっきも言ったように、EQで帯域を補正してしまうと他の帯域にも影響してしまって、音痩せの原因になりがちなんですよね。スピーカーが持っている本来のポテンシャルを活かすなら、なるべ くEQはイジらずに吸音材で部屋鳴りを調整する方がオススメです。GAC-1300は、最も音が濁りやすい帯域を自然に吸ってくれるので、部屋でスタジオ環境を作りたいという人にはピッタリですよ!

取材:黒田隆憲 写真:小貝和夫

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 左=GAC-1300 ¥78,000(2枚1組)/右=GAC-880 ¥58,000(2枚1組)


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モニタースピーカーは、メインでタンノイPrecision 6(上)、サブでヤマハNS-20Mを使用。スピーカーと約10cmほど離してGAC-1300を立てた

 

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GACシリーズは厚みが150 mmもあるため、本体だけでも自立することができるが、別売りの専用スタンドGAC-001(2個セット/¥3,500)を使うことで、さらに安定させてセッティングをすることができる

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従来の薄めの凹凸タイプの吸音材(図の青線)と比べて、GACシリーズは200〜400Hzの低音域の吸音率が高いのが特徴だ。こもりがちな低音域と高音域の音響調整を効率良く行なってくれるうえに、遮音の効果も併せ持っている

【サイズ】
●GAC-1300=440(W)×1300(H)×150(D)mm
●GAC-880=440(W)×880(H)×150(D)mm

【素材】
●高密度グラスウール(吸音材)+特殊不織布捲(カバー)


問:東京防音(株)
TEL:048-468-0033
http://www.bouon.jp/


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