音楽制作向きのイヤホン試聴レポート

【エンジニア林 憲一氏がレビュー】ウェストンUM1 J

【エンジニア林 憲一氏がレビュー】ウェストンUM1 J

2017/08/15


周波数帯域のつながりが自然で、楽曲の全体像がよく見える

ウェストン
UM1 J

オープンプライス(¥11,800前後)
問:テックウインド㈱ 
info@tekwind.co.jp 
http://www.tekwind.co.jp
 

ウェストン UM1 J

サイズが小さくて、今回試奏した中では一番軽かったですね。バランスドアーマチュア型ですけどドライバは1基で、サウンド的にはユニットが1つしか付いていないフルレンジスピーカーに近いイメージを受けました。ドライバが1つだけなので、周波数帯域のつながりが自然で、低域と高域がどちらもスムーズにロールオフ(減衰)しています。ソースの持つ特性をちゃんと表現してくれますし、楽曲の全体像がすごく確認しやすいですね。

高級機種に比べると明瞭度自体はそこまで高くはないですけど、音源全体の状態がよくわかりますし、味付けがないので、僕だったらミックスが終わった後の最終チェックに使いたいですね。これで聴いて低域がヘンだったら、それは低域の処理が間違えているという判断をしてもいい、それくらい能力は高いです。制作時にシンセのどの音色を使うかを判断する際に使うのもいいですし、音作りがキモになるアレンジ作業にも向いていると思います。

【製品概要】
「UM1 J」は、独自のバランスドアーマチュア・ドライバを1基採用することで、ワンドライバながらも高品質なサウンドを再生可能にした、コストパフォーマンスの高いモデルだ。人間工学に基づいたコンパクトなデザインにより、耳への負担を最小限に留めてくれる。また、断線時などに便利なリケーブルに対応しているのもうれしい。

【SPEC】
●タイプ:バランスドアーマチュア型 ●ドライバ:バランスドアーマチュア・ドライバ×1 ●周波数特性:20Hz〜16kHz ●出力音圧レベル:114dB/mW ●インピーダンス:19Ω/1kHz ●ケーブル長:1.32m(Y型、着脱式) ●付属品:ソフトケース、イヤーチップ、クリーニングツール
 


林憲一

林 憲一氏

【試奏環境】
今回の試聴で使ったDAWソフトはアビッドPro Tools 12で、オーディオインターフェイスは同じくアビッドのHD Omniを使ってチェックをした。Pro Toolsで林氏がミックスを行なったプロジェクトを再生する以外に、そのファイルを2ミックスに書き出して、第4世代のiPod touthとスマートフォンのXperiaで再生してのチェックも行なっている。
なお、バランスドアーマチュア式のモデルは歪みやすいものもあるため、大音量ではなく、適度な音量で試聴した。

【プロフィール】
林 憲一(ハヤシ ケンイチ)  ビクタースタジオ在籍時に、10年以上に渡りサザンオールスターズのチーフエンジニアとして活動。フリー転向後も様々なアーティストの作品のレコーディングやミックスの他、THE BACK HORN、藍坊主、ジャパハリネットなどのプロデュースを手掛ける。近年ではmiwa、WEAVER、石崎ひゅーいなどの作品に携わっている。


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