人気クリエイターが愛用する “おすすめプラグイン” を大公開
【直撃インタビュー】ゆよゆっぺがNative Instruments「KOMPLETE」の魅力を語る!
【直撃インタビュー】ゆよゆっぺがNative Instruments「KOMPLETE」の魅力を語る!
2017/02/08
BABYMETALへの楽曲提供をはじめとした作詞・作曲家のほか、バンドマン、DJ、ボカロPと多くの顔を持つクリエイターの “ゆよゆっぺ” 。これまでに彼はアイドルソングからロック、メタル、EDMなど実に多彩なジャンルの作品を発表している。今回、TuneGate編集部はゆよゆっぺを直撃取材。作曲で愛用するというNative Instrumentsの音源/エフェクト集「KOMPLETE」について話を聞かせてもらった。多くのプロミュージシャンが口を揃えて “持っていて絶対に損はしない” と語る「KOMPLETE」を、ゆよゆっぺはどのように活用しているのだろうか? トラックメイカー必見のインタビューだ!
──まず、ゆよっぺさんの現在の制作環境を教えてください。
ゆよゆっぺ:僕はもともと、自作Windowsマシンを使っていたんですけど、DAWソフトやパソコンが大きく進化して、周囲がノートPC環境になっていったんですね。そういった中で昨年、アルバム『ゆとりだから本気になれない』を作った時に、どうにかして自宅でミックスをやりたいと言ったら、エンジニアさんがMacBookを持ってきて。「これ1台でやれるんですか?」って聞いたら、「楽勝です」って言われて、驚いたんです(笑)。その言葉を信じてMacBook Proを買って、今の環境になりました。それが一ヶ月ちょっと前の話なんですが、ノート環境にしたことで、Native Instruments製品の優秀さが、より実感できました。
──どういった点が優れていると感じたのですか?
ゆよゆっぺ:GUI(グラフィカルユーザインターフェース)です。一般的に、デカいサンプルを扱うソフト・シンセって、グラフィックも大きくて、画面を占領しちゃうじゃないですか。でも、Native Instrumentsのプラグインは、小さな画面の中でもDAWと同時に開けるサイズにデザインされているし、その画面の中に、いじりたいほとんどのツマミが用意されているんです。しかも、欲しいサンプルを探す際も、たくさんのタブをクリックしたりせずに、スピーディにアクセスできる。だから、モバイル環境でも、すごく作業しやすいんです。これって実際に、MacBook Proを買ったから、スターバックスで作業してみようと思って(笑)、その時に、「あれ、これメチャクチャ使いやすい!」って気が付いたんですよ。
──なるほど。そもそもKOMPLETEを使い始めた理由は?
ゆよゆっぺ:バージョン8からだったと思いますが、最初に買ったNative Instruments製品がKOMPLETEなんです。多くのクリエイターがKOMPLETEを使っていましたし、たくさんのプラグイン・シンセがパッケージされていて、そのどれもが、「これはアレに使えそう」「いずれ必ず使う機会がくるはず」と感じさせてくれるものばかりだからです。KOMPLETEがあれば、自分の音楽ジャンルを広げていける。僕は、「この音楽は自分では作れない」で済ませてしまうことが一番嫌いなんです。そういった意味でも、KOMPLETEがいろんなジャンルにトライをするきっかけをくれたと思っています。
──では、KOMPLETEの中で、お気に入りのプラグインを教えてください。
ゆよゆっぺ:多くのクリエイターは、「MASSIVE(バーチャル・アナログ・シンセ)」や「KONTAKT(サンプラー)」のライブラリーを取り上げるでしょうけど、僕はあえて、「EVOLVE」をオススメします。サウンド・カテゴリーが5つに分かれていて、そこで鍵盤を押すだけで、とてもカッコいいループが手軽に作れるんです。打ち込みの人でも、生音で音楽を作っている人でも、「あまり目立たず、でもバックを何かの音で埋めたい」っていう共通の悩みがあって、これって“クリエイターあるある”だと思うんですが、そんな時に「EVOLVE」を立ち上げれば、これでもう“勝ち”なんですよ(笑)。
「EVOLVE」
──初心者でも簡単に活用できそうですね。
ゆよゆっぺ:DAWのピアノ・ロール画面で、適当な鍵盤に全音符を打ち込むだけですから。僕が特に気に入っているのは、RHYTHMIC SUITESカテゴリーのElectro Techです。もし、「他のクリエイターと被ってしまわない?」と思うなら、4分音符とかで、適当にノートをバラバラにして打ち込めば、もうそれはオリジナルのループです。ビギナーでも、適当に鍵盤を押すだけで“勝ち”のループが鳴らせるし、突き詰めようと思えば、どこまでも突き詰められる。素人にも玄人にも優しい、質の高いプラグインです。もっと激しいループが欲しければ、「DAMAGE」がオススメ。これもよく使っています。
「DAMAGE」
──思い付いたギターリフのバックでこんなループを鳴らせば、リフをより一層、カッコよく聴かせられますね。昨年12月に開催された《ミュージック・ギア・フェス2016》でのセミナー「ゆよゆっぺがKOMPLETEを使って8小節をカッコ良くする方法」でも、そういったノウハウをレクチャーしたのですか?
ゆよゆっぺ:そのレクチャーでは、Guitar Rigを使って8小節のギター・フレーズを録って、それにループやシンセを重ねてカッコよくしてく手法を紹介しました。その時に使ったのが、最近ハマっているサスペンス・インストゥルメント「RISE&HIT」です。
「RISE&HIT」
──このプラグインは、どういったものなのですか?
ゆよゆっぺ:これも鍵盤を押すだけで、簡単に、カッコいい「シューン、ドカン!」を作れるんですよ。人間の本能として、だんだん音が大きくなっていって、インパクトのある音が鳴ると、そこに反応するんです。EDMはその典型で、音の“上げ下げ”で盛り上げていく音楽。だから、これも“クリエイターあるある”で、いい「シューン!」と、カッコいい「ドカン!」を作れたら、やっぱり“勝ち”なんですね(笑)。そんな、盛り上げていく音(ライズ)とインパクトのある音(ヒット)のサンプルが、「RISE&HIT」にはたくさん入っています。しかも、テンポに同期してくれるので、盛り上がっていく時間(ライズ・タイム)を、拍数で設定できるんです。これだけで、サイエンス番組のジングルを、すぐに作れます(笑)。これだけで、自分ならではの“絵”が描けるんです。
──他には、どういうプラグインをよく使いますか?
ゆよゆっぺ:好きなのは、一風変わったピアノ音源「UNA CORDA」です。これは、トップ画面を見ているだけでも大好きで(笑)、しかもこの画面には、楽器のヴィジュアルと3個のツマミだけしかなくて、「この3個で好きなサウンドを作ってごらん」という意図が伝わってきて、そこが初心者に優しいと思うんです。もちろん、別のページにいけば、細かく音を作り込めます。そうしたエディット画面をあえてトップにもってこないあたりが、とてもクリエイター的な発想ですよね。
──最近はKOMPLETE KONTROL Sシリーズもお使いだそうですが、印象はいかがですか?
ゆよゆっぺ:何よりも、まずデザインがオシャレ! しかも、すごく便利。実はKOMPLETEを使っていて、唯一、「キー・スイッチがもっと分かりやすかったらいいのにな」と思っていたんです。それがKOMPLETE KONTROL Sを使えば、鍵盤上部のLEDでキー・スイッチがどこなのかひと目で分かって、作業がとてもスピーディになりました。だから、鍵盤が弾けない人でも、KOMPLETE KONTROL Sシリーズはすごくオススメです。2つのタッチ・ストリップも、とてもオシャレで実用的。ギターのチョーキングやビブラートのような感覚で、ホイールでは難しかった微妙なビブラートがかけられるようになりました。しかも指を離すと、ちゃんと「元に戻る」感覚でLEDが消えていくんですよ。普通、オシャレな物って、人間味を排除していくじゃないですか。でも、KOMPLETE KONTROL Sシリーズは、そこを両立させているし、「オシャレは必要ない。実用性が第一」という方でも、実際に使ってみれば、とても実用的なデザインだと分かるはずです。そのあたりが、Native Instruments製品に共通した、「初心者でも簡単にいじれるけど、玄人にも使いやすい」という魅力だと思います。
「KOMPLETE KONTROL S25」(25鍵モデル)
「KOMPLETE KONTROL Sシリーズ」に搭載されているタッチ・ストリップ
──クリエイターにとって、まさに相棒のような存在なんですね。
ゆよゆっぺ:そうなんですよ。「お茶!」って言う前に、もうお茶を出してくれるような(笑)。クリエイターにとって一番大事なのは、出音以上に、自分が使いやすいかどうか、フィーリングにマッチするかなんです。自分をどうアシストしてくれるか。そういう意味でも、Native Instruments製品、中でもKOMPLETEは、「こいつに任せておけば大丈夫」っていう、信頼できるセッション仲間のような感覚ですね。僕がギターを弾いて、ちょっと物足りない、何か足したいなと感じた時に、「いいアイデアはない?」って尋ねる感覚で、僕はいつもKOMPLETEのライブラリを開いています。
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