たなか、Ichika Nito、ササノマリイによる注目のバンド

Dios『&疾走』の制作エピソードを公開!(ニューチャプター始動!豪華クリエイターを迎えたニューアルバム)

Dios『&疾走』の制作エピソードを公開!(ニューチャプター始動!豪華クリエイターを迎えたニューアルバム)

2023/09/08

たなか(前職・ぼくのりりっくのぼうよみ)、YouTube登録者数230万人越えギタリスト・Ichika Nito、ぼくりり過去作も手掛けたコンポーザー・ササノマリイによるバンド「Dios」。彼らのニュー・アルバム『&疾走』が9月6日にリリースされました。「ニューチャプター始動!」というキャッチコピーの通り、今作では新たなクリエイター陣(永山ひろなお・コンポーザー、TAKU INOUE・サウンドプロデューサー)なども加わり、より刺激的かつDiosの魅力が詰まった作品に仕上がっているのが特徴です。ここではメンバーにメールインタビューを行ない、アルバムにかける想いや制作エピソードをじっくりと聞いてみました。

取材:東 哲哉(編集長)


Diosの曲作りについて


──作詞/作曲のクレジットが基本的にDios名義となっていますが、曲作りでの大まかなメンバーの役割や進め方などを教えてください。

曲作りのフローとしては、Ichikaとササノで曲の原型を作っていきながらたなかがメロディと曲の世界観を構築していて色をつけていくのが多いかな。今回のアルバムは永山さんやTAKUさんなど原型を作るタイミングから一緒に作業してくださったので面白かったです。3人でやっていくという意思表示もあって、クレジットはDiosで統一してます!

──たなかさん、Ichika Nitoさん、ササノマリイさんの曲作りの制作環境、お気に入りの機材などを教えてください。

たなか:(for demo)DAW Cubase/ Mic Antelope Edge solo/ I/O Antelope Discrete 8(←気に入ってます でかくて嬉しい)

ササノ:Ableton LiveとJUNO-DS(MIDIキーボードとして)、メインイヤホンはNUARL NX3、メインヘッドホンはGRADO Hemp、お気に入り機材はAbleton Push(スタンドアロン)

Dios JUNO-DS
Dios GRADO Hemp
Dios Ableton Push

Ichika:ギターは全て自宅での宅録で、Apogee JAM X(インターフェイス)を通してレコーディングをしています。アンプシュミレーターは主にNeural DSPのCory Wongモデルを使っています。
 

Dios Ichika Guitar
Dios Neural DSPのCory Wong
Dios Ichika Neural DSPのCory Wong


 

新アルバムの収録曲に関して


──新アルバム『&疾走』では、キャラクターデザインに浅野直之さん、リード曲「自由」のサウンドメイクにTAKU INOUEさんが参加されるなど、新たな試みも感じられますが、『&疾走』を制作するにあたって皆さんは事前にどのような話をされ、また、結果的にどのようなアルバムに仕上がったと思いますか。

前作「CASTLE」は人間の内面にフォーカスして、心のなかにひとつの城を建てようという試みがありました。今作ではその城から出て、ひらけた世界をサバイブする姿を描きたかった。Ichikaのギャル性(世界を肯定的にとらえ、自分が獲得可能なものだと心底思いながら努力できること、をギャルと呼んでいます)が面白えなと思って、そのメンタリティを拡張して作品に落とし込んだ感じはあります。外部のプロデューサーを招いたのも、浅野さんにキャラデザをお願いしたのも、その挑戦のひとつであり、出来栄えには満足してます!!


<1曲目:自由>

──歌詞で伝えたかったこと、表現したかった世界観を教えてください。

「自由」という概念はもう陳腐化していて、僕たちは自由になってもどこにも行けない。そうじゃなくてむしろ縛られることが必要だった。外から来た鎖を受け入れること。その先にまだ見ぬ自分が待っている。

──トラックメイク/音作り、アレンジ、ミックスなど、制作面で特にこだわった点を教えてください。

TAKU INOUEさんにまとめ上げてもらう気持ちでひたすら自由に作った気持ちを覚えています。ササノが今までトラックをまとめ上げる立場でもあったので、無意識に保守的になりがちだったところを、各セクションごとにイチカとササノとTAKUさんで独立して作り、後からそれをTAKUさんに組み上げていただきました。各々自分のスタイルで!というこだわりが曲の全体的に溢れていると思います。

──TAKU INOUEさんとのやり取りやレコーディングなど、印象に残っていることがあれば教えてください。

今回はデータでのやりとりがほとんどだったんですが、サビの部分のトラックはTAKUさんが仕上げてくださり、TAKU INOUEサウンドが光っていて最高でした。トラック数の多さに驚きと感動がありました(トラック数多いのに余計な音が一つもなくあるべきところに音が配置されていてまさに芸術でした)。


<2曲目:アンダーグラウンド>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

自分自身の現状を受け入れられないとき、世界そのものを否定することで自分をどうにか認めようとすることがある。その考え方ではどこにも行けないから、それを超えていくことを目指した。世界が美しいことをまず認める。そこから始まる。

──(Ichika Nitoさんへの質問)出だしからギターが曲を引っ張っていく印象を受けましたが、曲作りで大変だったこと、演奏で工夫した点、サウンド面でこだわった点などあれば教えてください。

BPMが速いのに加えタイトなリズムのフレーズなのでよれないように何度も録るのが大変でした。

 

<3曲目:&疾走>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

「自由」で書いた、縛られることについてより具体的に表現したかった。俺たちが目指すべきなのは自分の身体が要求する「ただしいフォーム」の獲得である。ただしいフォームを理解して、ひたすらそれを反復すること!それが人生!

──Akihito Nagayamaさんが作曲にクレジットされていますが、どのようにトラックメイクがされていったのでしょうか。編曲がDiosとなっていますが、どのようなアレンジがされたのでしょうか。

Ichikaが作ったギターのフレーズをもとに永山さんがワンコーラスのたたきを作ってくれました。そこからメンバーが肉付けを行い、曲が完成していくという流れですね。


<4曲目:渦>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

裏・「自由」という気持ちで作った。縛られたほうがよいと分かっても、鎖は痛いし重い。そういう渦のなかを生きている。

──(メンバー3人にお聞きします)楽曲がドラマチックに展開していく本トラックですが、制作面、レコーディングなどで大変だった点などあれば教えてください。

普通のUK garageにならないように工夫を散りばめました。ギターもトラックくらいぶち込んでます。


<5曲目:また来世>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

言ってはいけない言葉と、言わなければいけない言葉がある。本当につらいときに大事な人に寄り添えないんだったら、何のために俺たちは言葉を持ったんだろう。あなたの横にいる資格は俺にはもうないけれど、それでも人生は続いていく。

──制作面で印象に残っているところ、こだわった音作りなどあれば教えてください。

Diosにしては明るい音像の楽曲になったなと思っています。このタイプの明るい楽曲はササノの編曲が冴えましたね(笑)

 

Dios新アルバム『&疾走』レコーディング

 

<6曲目:花束>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

俺たちは単なるヒトでしかないのだから、かっこ悪くてもやらなきゃいけない時があるぜ!!!!!!

──制作面で印象に残っているところ、こだわった音作りなどあれば教えてください。

この曲は2年前ほどにデモとしてあった曲なのですが、ようやくちゃんとした形にして世に出せて嬉しいなと思っています。


<7曲目:Struggle>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

Diosの新しい決意表明の一曲。聴いてくれるあなたたちの人生に並走したい。

──制作面で印象に残っているところ、こだわった音作りなどあれば教えてください。

調和を目指さない!それぞれの個性を全力で表現しよう!というコンセプトで、Ichikaのギターもササノのビート・カットアップも好き勝手にやった。

──(Ichika Nitoさんへの質問)演奏面、サウンドメイクでこだわった点を教えてください。

とにかく最強のギターをぶつけました。


<8曲目:ラブレス>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

ダメな恋愛、卒業!!!!!!(笑)

──編曲でクレジットされている川口大輔さん、TAKU INOUEさんとのやり取りで何か印象に残っていることはありますか。

川口さんはオーケストラ部分のアレンジを、TAKU INOUEさんにはベースとリズムまわりのトリートメントをしていただきました。時系列としてはこの楽曲が皆さんにお手伝いをお願いする最初の曲になるのですが、アレンジに参加していただくことで、自分たちの表現の偏りを超えて、より自分たちが「こうしたい!」と求めていた表現をDiosの楽曲でできたことに感動しました。

──音作り、演奏、ミックスなど、この曲でこだわったところを教えてください。

Virtual Castleを経て「よりポップなものを磨き上げて作ろう」というところから作り始めて、ジャンルとしてはよく自分で聴くものの、作る引き出しがあまりなかったのでとにかく挑戦しようと。イチカとササノで最初はアレンジしあって詰めていき、贅沢にも川口さんとTAKU INOUEさんにお願いして、より磨き上げていった曲になります。


<9曲目:裏切りについて>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

幸せになることをためらってはいけない。世界はあなたに開かれている。

──サウンドメイク、演奏、アレンジ、ミックスなどでこだわった点を教えてください。

イチカのギターの音をもらって、サビはそのまま使い、A Bはサビで使ったデータを切り貼りして加工し1コーラスのデモを作っていました。そのデータをカットアップしまくったものを元にイチカが人力で弾き直し、完成系になっています。光が見えるような、白色をイメージしてアレンジを作っていきました。


<10曲目:王>

──歌詞で伝えたかったこと、この曲で表現したかったことを教えてください。

アルバムの最後の曲だから、ひらけた場所で終わりたかった。あたしは王だしあなたも王。自分の国にあらたな法を取り入れていくことで変わっていける。

──サウンドメイク、演奏、アレンジ、ミックスなどでこだわった点を教えてください。

クールなギターのアルペジオに、クールなトラップビートをつけて冷たく硬質なサウンドデザインにしました。そこからのサビは大きく開きつつも、重厚感のある作りにしています。
 

 

今後のライブや活動に関して


──アルバムリリースライブが予定されていると思いますが、ファンの方へのメッセージをお願いします。

僕たちは正しいフォームで走り続けますので、その成果をカマす予定です。刺激的な二時間にするのは前提で、ライブが終わった後の人生がすこし変わるような、そういうライブにしたい。ぜひお越しください。ぼくらも待ってます。



8/30 ライブの模様  写真:Yukitaka Amemiya


Diosライブ 2023年8月30日
Diosライブ 2023年8月30日
Diosライブ 2023年8月30日
Diosライブ 2023年8月30日
Diosライブ 2023年8月30日



 

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・プレゼント内容は予告なく変更や中止することがあります。あらかじめご了承ください

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Dios
『&疾走』

2023年9月6日(水)発売


Dios「&疾走」

収録曲 
1. 自由 * 作詞Dios * 作曲Dios,TAKU INOUE
2. アンダーグラウンド * 作詞作曲 Dios
3. &疾走 * 作詞 Dios * 作曲 Dios , Hironao Nagayama
4. 渦 * 作詞作曲 Dios
5. また来世 * 作詞作曲 Dios
6. 花束 * 作詞作曲 Dios
7. Struggle * 作詞作曲 Dios
8. ラブレス * 作詞作曲 Dios
9. 裏切りについて * 作詞作曲 Dios
10. 王 * 作詞作曲 Dios

 


Diosプロフィール

Dios=プロフィール 
たなか(前職・ぼくのりりっくのぼうよみ)、YouTube登録者数230万人越えの今最も注目すべき世界的ギタリスト・Ichika Nito、ボカロやオンライン・ゲーム界隈ともリンクしぼくりり過去作も手掛けたコンポーザー・ササノマリイと新たに結成されたバンド。バンド名は、たなかの好きな漫画『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』の登場人物・Dioと、ギリシャ神話における陶酔や酩酊を司る神・ディオニュソスを掛けて名付けられている。

たなか(Vo.)
98年生まれ。前職はぼくのりりっくのぼうよみ。ぼくりりを辞職した現在はたなかとして、ヴァーチャル・シンガーの葛葉や花譜などに楽曲制作・提供、また自身も楽曲参加を行なっている。音楽以外にも、文筆業やボルダリングにも取り組んでいる。また、やきいも屋を営み、わずか2ヶ月でやきいもを1.5トン売るなどの成果を残し、やきいも界でも注目を集める。
twitter:@aaaaaatanaka Instagram:@aaaaaa_tanaka

Ichika Nito(Gt./Comp.)
イギリスのギター雑誌「Total Guitar」の読者が選ぶ「史上最高のギタリスト100選」で「現在最高のギタリスト」として8位にランクイン。2018年からはゲスの極み乙女。の川谷絵音らとインストバンド「ichikoro」でも活動している。Dream TheaterのJohn PetrucciやThe WhoのPete Townshendといった著名なギタリストはもちろん、ZeddやMartin Garrix、Halseyや、などの楽曲をプロデュースしているJohn Cunninghamといった別ジャンルの世界的アーティストたちからも厚い支持を受けている。Instagramのフォロワー数はギタリストというカテゴリーにも関わらず80万人以上、そして去年から始めたYouTubeは現在登録者数が240万人越えと、ワールドワイドな注目の高さが伺える、今日本で際立っている知っておくべきギタリスト。
twitter:@ichika_mo Instagram:@ichika_mo

ササノマリイ(Key./Comp.)
エレクトロニカやClub Music に深い影響を受けつつ、ボカロやオンライン・ゲーム界隈ともリンクするビートメイカー/コンポーザー/シンガー。耳に残るメロディラインと、融合された深度のあるサウンドデザインが特徴的で、自作のみならず、他アーティストへの楽曲提供や楽曲制作、プロデューサーとしても活動している。また、過去の映像作品が動画サイトvimeoのstaff picks、アヌシー国際アニメーション 映画祭 2016 委託作品部門(フランス)、 Anifilm(チェコ)、Golden Kuker-Sofia(ブルガリア) など数々の映像、アニメーションfestivalにて入賞するなど、音楽のみならずアート方面での注目度も高い。
twitter:@nekobolo Instagram:@sasanomaly_nekobolo

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