名刺代わりのソロ初アルバムがついに完成!
宮田悟志『RISE』インタビュー
宮田悟志『RISE』インタビュー
2018/01/03
BREATHEとして活動してきた宮田悟志が、ソロとなって初のアルバム『RISE』を1月10日にリリースする。本作には、自身と親友の雄平選手(東京ヤクルトスワローズ)を鼓舞するために作ったという表題曲「RISE」を始め、ソロ活動スタート時から歌っている「STORY」や「僕はコウモリ」、フジテレビ系ザ・ノンフィクションのエンディングテーマ「サンサーラ」など、全11曲を収録。ここでは、各楽曲における制作エピソードを中心に、アルバムに込めた思いを聞いた。ファン必見のインタビューだ。
取材:東 徹夜(編集長)
──ソロとして初のアルバムということですが、どのようなコンセプトや想いを込めて制作に入られたのでしょうか?
新たな宮田悟志像というか、そういうものを打ち出せるミニアルバムを出したいと思ったんです。それで「切なさ、悲しみから立ち上がっていく男の強さ」みたいなものを表現しようというコンセプトを決めて、プロデューサーの和田昌哉さんとアルバムの前半5曲の制作をスタートしたんです。でも、制作をしていく中で、普段僕がライブでやっている曲の音源化を望むファンの方達のメッセージをたくさん頂いて。それでフルアルバムを作る方向へとなっていきました。なので、6曲目以降は自分がソロで活動してきた中で、特に思い入れの強い曲が入っています。
──前半の5曲の中で最初にできた曲というのは?
1曲目の「Sorry〜海になれない〜」です。曲が最初にできて、それを作詞の小竹正人さんにお送りして。
──小竹さんの作られた歌詞を最初に見たときの印象はどうでしたか?
まず、歌い手やシンガーソングライターの人では書かないような世界観だなと思いました。小竹さんは小説なども書かれているのですが、やっぱり「海になれない」という表現の仕方はすごいですよね。表現の仕方がとても面白いなと。
──宮田さんが特に気に入っている部分を挙げるとすると?
Aメロの「今その胸の奥に 満ちている感情は 何? 哀しみ?失意?安堵?後悔?」という部分ですかね。聴いている人に問いかけて、考えている間にサビに行くみたいな(笑)。3曲目の「アレコレ」という曲もそうなんですけど、ひとつの考えた方というよりかは、色んな考え方を提示して。でも、どの感情に行っても、それ以降の展開に当てはまってくるというか。だから、この「?」が続くところは、レコーディングでもどのように歌おうか、迷ったところでもありました。
──今回のアルバムを象徴するような曲でもあると思いますが、レコーディングで特に意識した点などは?
新曲5曲のプロデュースをしてくださった和田さんからは、33歳になった「成熟した大人の感じ」と、ソロデビューの「まっすぐな感じ」をうまく出せればいいねと話していました。だから、ちょっと表現が難しいですけど、歌いすぎないところ、話すように歌うところなど、いろいろな感覚を試しながらレコーディングに臨みました。それは舞台とか、ナレーションのお仕事の感覚に近かったかもしれないですね。
──本番では何回くらい歌われたのですか?
3回くらいでしたかね。僕の傾向として、そのくらいがいいみたいです。
──というと?
1発目で慣れて、2発目ですごくいいのが録れるんですよ。で、3発目に「もう1回録ろう!」ってなると欲が出てたいていダメなんですよね(笑)。
──そうなんですか(笑)。では、続いて2曲目の「RISE」ですが、曲はいつ頃できたのですか?
これは「Sorry〜海になれない〜」と同タイミングで作っていたのですが、曲よりも歌詞に時間がかかったんですよ。実は雄平という選手がヤクルトに同級生でいるんですが、彼が今シーズンの途中から怪我で離脱して、孤独な中でリハビリをしていることを知って。で、その雄平の心情が「RISE」にハマったというか。だから、最初は自分のことを詞にしていたのですが、途中からは雄平のことも鼓舞する曲になったらいいなと思って。で、そのことを和田さんに相談して、共作という形で一緒に書き上げました。
──歌詞は頭の方から書いていったのですか?
いえ、サビの「RISE〜」というフレーズだったかな。最初からこれはキャッチーだし、残したいと思って。その後は、割と頭の方から埋めていく感じで書きましたね。最初のAメロの方は、自分のグループが解散した時の想い。で、Bメロ以降はソロになってからの想いというか。サビのあたりは雄平ともリンクさせて、すごく体育会系にしたんですよ。最初は、わりと切ない方向だったんですけど、最終的には「壁があったら、乗り越えろ!」みたいな、そんなノリになりました(笑)。
──レコーディングは順調に行きましたか?
そうですね。これに関しては、感情のままにという感じでした。自分のリアルな気持ちが込められたと思います。
──「RISE」のMVには雄平選手も出演されてますよね。
はい。MVの監督に、雄平をこういう風に見せたいという話しをして。2番くらいから雄平が出てきて、自分とクロスするような感じになっています。お互いステージは違いますが、戦いに向かう男を表現しています。
──さて、今回のアルバムにはストリートライブでの定番曲も収録されていますが、「STORY」などは特に思い入れが強いのでは?
そうですね。これは、ソロでスタートしたときに、自分の方向性をすごく悩んでいた頃に作った曲で。「僕がここで歌う意味ってなんだろう?」って思うと、ずっと考えて悩むみたいな。だけど、そんな時支えてくれるファンの皆さんのメッセージに励まされて、やっぱり頑張ろうって思えたし、そういう人たちのためにも僕は歌う意味があるのかなって。その時に感じた、ファンの方達のために作った曲です。今回のアルバムで一番最後にこの曲を持ってきたというのも、これからの自分のストーリーを楽しみにしていてほしいという、前向きな意味合いも込めています。
──この「STORY」は宮田さんも作詞されていますが、一番のお気に入りの部分はどこですか?
僕は2番の歌詞が好きです。まさに自分がソロになったときの心情なんですけど、それと同時にファンの方達に支えられていることにも気づいて。だから、「いつものように 笑う君が こんなに愛しくて 迷う日々に 追われるほど 気づけなかった」という部分は、今だからこそ、その気持ちも改めてわかるし、すごくリアルだなと。僕以外の誰でもそういう瞬間が日常にあると思うんです。だからこそ、この曲でみんなに寄り添えるのかなとも思っています。
──6曲目に「僕はコウモリ」という面白いタイトルの曲もありますが、、
はい、ファンの皆さんにも「コウモリ」でかなり浸透してきていると思います。これは、もともとお酒と音楽のコンセプトライブを僕がやっていて、そこでしっとりと聴いてもらうために作った曲なんですよ。ソロでやっていく上で、こういった曲を丁寧に届けていきたいなというか。なので、そういった意味ではこれからも歌っていく曲なんだろうなと思っています。
──このタイトルは素晴らしいですよね。
最初は、ライブでタイトルを言うと、みんな苦笑いしてたんですよ(笑)。タイトルはインパクトあるけど、「えっ?」っていうのもあるじゃないですか。実はタイトルを「逆さまの愛」にしたらという案もあったんですけど、どうしても僕が、「いや、これはコウモリでしょ」って言って譲らなかった記憶があります。
──歌詞の内容もユニークですよね。
最後に、「コウモリが恋をした 逆さまの愛で 君を見ている」と出てきて。自分でいうのもあれですけど、曲として仕上がっているなと(笑)。
──では、続いて8曲目の「サンサーラ」についてお聞きします。こちらは「ザ・ノンフィクション」のエンディングテーマということで、すでに様々な方が歌われていますよね。
歴代でかなりの方が歌われていて、僕自身も番組のファンで知っていましたし。
──他の方との違いというか、この「サンサーラ」で宮田さんらしさをどのように出そうと?
今までの「サンサーラ」は、ちょっとスピリチュアルなイメージも強い楽曲だと思うんですが、僕の場合はちょうどソロになった頃というのもあって、より前向きな感じが出せればいいなと。だから、輪廻転生というよりかは、「俺は瞬間を一生懸命に生きてるぜ!」みたいな。瞬間を頑張って生きているからこそ、明日や未来につながるというか。なので、アレンジは壮大ですけど、ロックな感じに仕上がっています。
──宮田さんの声に憧れている人も多いと思いますが、普段、歌う上で意識していることなどありますか?
僕が意識していることは、先ほども言いましたが「歌い過ぎない」ってことですかね。歌う前に、その曲を自分の中で理解する必要があると思うんですが、僕の場合は感情が1つでも乗せられるかが大切で。そのリアルな感情を歌い過ぎずに表現したいというのはあります。
──なるほど。では、最後にあらためて今回のアルバムの聴きどころとファンの方へのメッセージをお願いします。
今回のアルバムは、僕の名刺代わりというか、これから宮田悟志が届けていきたい11曲詰め込んだものになっています。日常で悲しいとか、つらいとか、そういうことはたくさんあると思うんですが、僕自身もそれを乗り越えようとここ何年間か過ごしてきました。聴いてくださる方の中には同じような境遇の方もいらっしゃると思いますが、悲しみや切なさを乗り越えた先に何かいいことが待っている、成長すればきっといいことがあるって、少しでも思ってもらえればうれしいですし、そうやって少しでも誰かの背中が押せたらうれしいと思います。
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