来年2019年はアーティスト活動20周年
Crystal Kay ニューアルバム『For You』インタビュー
Crystal Kay ニューアルバム『For You』インタビュー
2018/06/13
──ここから後半はシングル曲やCMに使われた曲が続きます。「Forever Young」はカヴァー曲ですが、改めて聴いてもいい曲ですよね。
Crystal Kay:本当にそう思います。でも、この曲を発表した当時から今までの間に、何度も何度も歌う機会がありました。しかも、最初に言ったように、今の私はもっと強く歌いたいという気持ちになっている。だから、たぶん今はぜんぜん歌い方が変わっていると思います。自分で、この曲を聴いていても、優しい歌だなって思います。
──これも大人にならないと歌えない楽曲でしたよね。というか、この先いくつになっても歌っていける気がします。
Crystal Kay:それはまちがいないです。しかも、海外の人の前でも歌える楽曲なので、カヴァーしてよかったと心から思います。それにテーマもすてき。優しいけど強さもあるし、誰もが感じるようなことが描かれていると思いますから。たぶん、この楽曲は歌えば歌うほど、自分の中で感じるものが変わってくる。それもあって、レコーディングした当時と今とでは歌い方が変化したんだと思います。
──「Lovin’ You」もいい曲ですよね。サビの〈Lovin’ You〉の繰り返しが、とても印象に残りました。
Crystal Kay:正直言うと、あまりにも繰り返すので、最初はちょっと抵抗があったんですよ(笑)。でも、実際に仕上がったものを聴いてみると、やっぱりとてもキャッチーだし、世界観がある。この曲も作曲者は坂詰さんなんですけど、さすがだなって思いました。大切な人と一緒に生きる覚悟ができている感じの楽曲なので、結婚式にピッタリだと思います。
──主人公の熱い想いが伝わってくるDメロの歌いっぷりも圧巻です。Crystal Kayの歌唱力が味わえる楽曲ですよね。
Crystal Kay:ありがとうございます。私自身に、そういう相手はいないんですけど(笑)、想いを込めて歌いました。歌っていても、とても気持ちいい楽曲です。でも、「Forever Young」と同じように、今歌うと、また違うニュアンスが出るのではないかと思いますし、この「Lovin’ You」も長く歌い続けていける曲だと思います。
──確かに普遍性がありますもんね。次の「Facesは、穏やかな楽曲。Crystal Kayさんのボーカルも歌い上げるというよりは優しいので、心に静かに染みてきました。
Crystal Kay:本当に優しい楽曲です。これは「Lovin’ You」と同じく松尾潔さんが作詞してくださったんですけど、やっぱり歌詞の書き方がうまいなって思いました。当たり前なんですけど(笑)。この楽曲も「Lovin’ You」と同じく永遠なイメージ。でも、恋人だけじゃなく、家族や友人にも当てはまる内容になっていると思います。それに、これもずっと歌っていける。歳を取れば取るほど、歌詞がグッと来る気がします。
──こういう静かな楽曲は、より歌の大切さが際立つ気がします。それだけに歌っている時に難しさも感じましたか?
Crystal Kay:はい。そこも私の課題かなって思います。「幸せって。」の部分で言ったように、力強い歌を歌うことも大切なんですけど、どれだけ言葉をしっかり伝えられるかということも大切。それもテクニックでそうするのではなく、気持ちをちゃんと言葉に乗せることが必要だと思うんです。特に、こういった歌詞がぜんぶ日本語の楽曲はそうだと思うので、今後の課題にしていきたいです。
──こういったタイプの楽曲は、きっと、ご自身のキャリアを重ねる中で、さらに味わいが出てくると思います。歌って人生経験が出るものだと思いますから。日本的という意味では「サクラ」は、その最たるものですね。
Crystal Kay:まさにジャパニーズという感じ。季節と行事がリンクするというのも日本ならではだと思います。海外には卒業と桜を合わせるという習慣はないですから。
──日本人にとって桜は特別な花。だから、思い出ともリンクするんです。
Crystal Kay:そうですよね。そのTHE日本という感じが、この楽曲にはありますし、それがとてもキレイだと思います。歌詞も詩的ですし。
──日本人は情緒を大切にしますからね。季節の移り変わりと自分の気持ちを重ねたりというように。
Crystal Kay:その感覚は英語では、あまり表現できない。そういう良さが日本の楽曲にはあると思います。この「サクラ」の主人公と同じような思い出って、日本人にはみんなあるものだと思うんです。だから、シングルでリリースした時も、たくさんの人が共感してくれましたし。それに、切なさのある楽曲なんですけど、ちゃんと前を向いている楽曲でもあるので、そこもすてきだなって思います。
──そして、最後に収録されているのが「Waiting For You」。この楽曲も作詞と作曲に携わっています。
Crystal Kay:この楽曲にも〈キミのままで きっといい〉というフレーズがあるんですよ。だから、それがここ何年かの私のテーマなのかもしれないなと今改めて感じました。たぶん、自分にもそう言い聞かせたい気持ちがあるんだと思います。
──この楽曲も歌に強さがありますし、楽曲自体に勢いもある。だから、前に進んで行くイメージが湧きました。
Crystal Kay:そういう感じにして欲しいとリクエストして、トラックを作っていただいたんです。自分の中でパッと出て来たのは、〈何回も失敗してつかみとる 小さなVictory〉という部分。何が正しいのかわからない時って、まずはやってみることが大切だと思います。やってみて、「あ、できた! これもできた!」って、小さな勝利を積み重ねていく。それが自信になりますし、そうやって自分の道を作っていくんだと思います。
──ご自身も、そういうことを歩いてきた道の中で経験してきたんですね。
Crystal Kay:はい。その結果、やっと少し自分に自信が持てるようになってきた。これでいいのかなって思えるようになったんです。
──それを実感しているからこそ、こうやって歌詞にも書けるんでしょうしね。
Crystal Kay:そうです。本当のことじゃなかったら私は書かない。自分で歌詞を書く時は、想像ではなく、ちゃんと自分の経験や気持ちから生まれたものを書いていきたいと思っています。それが、みんなに届いたらいいなと思うので、これからも作詞作曲には積極的に関わっていこうと思っています。自分で書いたものの方が覚えやすいですし(笑)。
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