人気YouTuberユニットが2作同時リリース
スカイピース「Ride or Die」『BE BOY』インタビュー
スカイピース「Ride or Die」『BE BOY』インタビュー
2019/06/26
YouTubeでのチャンネル登録者数が240万人を超え、特に若い世代から絶大な人気を誇るYouTuberユニット、スカイピース。彼らが6/26(水)に待望の3rdシングル「Ride or Die」と2ndアルバム『BE BOY』を2作同時にリリースした。ここでは、☆イニ☆(読み方:じん)とテオくんの2人に、作詞や作曲、レコーディング、ミュージックビデオ撮影などにおけるマル秘エピソードを聞いてみた。ファン必見のインタビューだ!
取材:東 徹夜(編集長)
テオくん:トラックを頂いて、まずは僕がサビから書いていきました。普段はそのまま1ヴァース目(Aメロ)も自分が書いたりするんですけど、今回は曲の出だしが3拍子で難しくて。なので、☆イニ☆くんに振って。
──☆イニ☆さんは出だしの3拍子に簡単に歌詞を付けられましたか?
☆イニ☆:いえ、いつも4拍子の曲が多いので、3拍子は本当に難しかったんです。でも、1小節ごとに細かく区切って、それを組み合わせてなんとか作っていきました。
──歌詞を書く時点で、アニメ『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』のエンディングテーマという話は決まっていたのですか?
☆イニ☆:そうですね。なので、歌詞はアニメの世界観にも沿うようになっています。
──それは具体的には?
テオくん:例えば、サビで「触れた胸の拳嬉しそうな〜」という歌詞があるんですけど、これは実際の「BORUTO」のシーンでもあって。漫画本で言えば、NARUTOがBORUTOの胸に拳を当てて「頑張ったな!」というシーンがあるんですけど、そこを意識しながら書いてますね。メロディーは3拍子で難しかったんですけど、物語として歌詞はスラスラ出てきたと思います。
──「Ride or Die」の中で、特に気に入っている部分を挙げるとすると?
☆イニ☆:自分は2番の「誰かのせいにしてちゃつまらないや 清く逞(たくま)しく心と共に いつだって変わるのは自分だろ 明日を見るためOne more Time 人生はRide or Die」ですかね。ここは歌詞も好きだし、1番とは少しリズムも変わってくるんですが、歌も気持ち良く歌えるし。お気に入りの箇所です。
──テオさんは?
テオくん:僕は「敵は誰だ己ロックオンBREAK DOWN」というところです。結局自分の中で自分を壊さないと勝てないんじゃないかというのは、アニメの世界でも現実の世界でも同じだと思うし。
──作曲を担当した宮川さんとは、曲に関してのアイディア交換などはしたのですか?
☆イニ☆:しますね。この曲だと、もう少し三味線の印象を強く出したいとか。自分でも、その頃、和風のカッコ良い曲にハマっていて。で、それプラス「BORUTO」の忍者の世界観が合うと思ったし。なので、和の音色を足してもらったりしました。
──レコーディングでは、どのように歌を録っていくのですか?
テオくん:セクションごとに録っていきますね。この曲では、最初の3拍子の部分から録っていったと思います。
──いきなり難しいところですね。
テオくん:そうですね。でも、逆に難しいことがわかっていたので、事前にかなり練習していたんです。なので、実際にはスムーズにできたと思います。
──☆イニ☆さんはどうでしたか?
☆イニ☆:自分は3拍子が初めてだったんですけど、歌詞を作るのは大変だったけど、歌うのはそうでもなくて。ハマっちゃえば、自然と歌えるんだなと思った記憶があります。
──パッセージが速いと拍数は関係ないのかもしれないですね。
☆イニ☆:そうかもしれないですね。
──テオさんはレコーディングはいかがでしたか?
テオくん:僕は、後半の「夜も更け 街しずまり 静寂の中空見上げる 月光差し込む道で 拳上げ志す。」の最後の「こころざ〜す」で3拍子から4拍子になるところが一番むずいなと感じました。ここは音も上げていかないといけないし、とにかくめっちゃむずかったですね。
──このあたりは身体で覚えるしかなさそうですね。
テオくん:そう思います。
──ところで「Ride or Die 」はミュージックビデオも公開されていますけど、2人ともちょんまげ姿で出演されてますよね。まず、お互いのちょんまげ姿はいかがでしたか?
テオくん:相方は似合ってないな(笑)。
☆イニ☆:(笑)。全然似合ってないのはわかってたんで、最初に「俺はちょんまげ、やらなくていいんじゃないの?」って言ったんですけど、スタッフさん達に「いや、やるしかないっしょ!」って言われて。でも、結果的に面白い映像になったし、今はやって良かったかなと思ってます。
──ミュージックビデオでは、2人はどういう設定だったのですか?
☆イニ☆:映像では修行している姿から最後に紙吹雪の中にいるシーンまであるんですけど、基本的には見習い武士ですね。
──撮影で印象に残っているエピソードはありますか?
テオくん:撮影中は13〜14時間くらいずっとカツラだったんですけど、かゆくても頭かけないし。めっちゃ頭が「ギュっ」となってて、大変でした。
──☆イニ☆さんはどうでしたか?
☆イニ☆:実は休憩中に車の中でカレーを食べてたらこぼしてしまって。「ワッ!」と思ったんですけど、それを最後まで隠して誰にも言わなかった(笑)。
──ミュージックビデオの中で☆イニ☆さんの着物にカレーが付いてるかもしれませんね(笑)。
☆イニ☆:はい(笑)。
テオくん:めっちゃ、黄色くなってると思う(笑)。
──では、続いてアルバム『BE BOY』の話をお聞きしたいと思います。アルバムには12曲が収録されていますが、特に思い入れの強い楽曲は?
☆イニ☆:自分としては、最後の「リメンバー」になりますかね。この曲は、自分たちがずっとZeppというライブ会場を目指して音楽をやってきて。で、そこにやっと立てて。「その景色をずっと忘れないぞ!」っていう想いが込められています。曲としては1曲ですけど、内容的には3〜4曲分が詰まっていると思ってます。
──歌詞はいつ頃書かれたのですか?
☆イニ☆:冬にZeppのツアーをしたんですけど、その前には書いていたので、かなり古いです。『BE BOY』の中では最初にできた曲になります。
──歌詞の中で特にお気に入りの部分を挙げるとすると?
☆イニ☆:やっぱりサビの「いつかあの場所に立って思いっきり歌おう 眺めた景色は一生忘れないだろう スタートからダッシュして夢を掴んだなら I remenber(menber)忘れないで。」ですね。この「スタートからダッシュして」は、一番最初にスカイピースとして出した曲が「スタートダッシュ」という曲なんですけど、そこにかけているんです。そして、歌詞の最後の「一歩踏み出す勇気だって 僕等にはないのに」というのは「スタートダッシュ」の歌詞のまんまなんです。だから、僕のイメージとしては「スタートダッシュ」で文字通りスタートダッシュしたけど、これからももっと突っ走っていくし、初心も忘れないぞという気持ちを込めて作りました。
──テオさんはいかがですか?
テオくん:僕は「ベー アホみたいなことをして この世に舌出して対抗しようぜ そしたらもうスターになって 明日も笑おうか はっはっはっw」の部分です。やっぱり、周りがサラリーマンだとか、就職、進学をしている中で、自分だけアホみたいなことをしていたので。歌詞にもありますけど、大人をたくさん睨(にら)んだり、言いたいことも言えなかったり。でも、ずっと自分がやりたいことをやったり、曲げなかったことで達成できたこともあって。なので、この歌詞を出せて歌えたことは良かったし、自分でも気に入っています。
──ファンの女の子たちにとっては、5曲目の「僕の夏の恋の話」も気になるところだと思いますけど、この曲は?
テオくん:この歌詞は僕が担当しましたね。
──どのあたりから書いていったのですか?
テオくん:サビの「君が僕の涙を拭くからさ 僕はその優しさに涙が止まらない 僕は君の涙を拭けないまま 君は笑ってくれたんだね」の部分です。やっぱ、恋愛というのは一筋縄ではいかないというか。もちろん、相思相愛の恋愛もあるとは思うんですけど、自分の場合はなかなかうまくいかないことの方が多くて。なんか、その20代始めの頃に経験した切なさがここには入っています。
──☆イニ☆さんは、この歌詞についてどう思いました?
☆イニ☆:すごいエモでしたね。なんか、テオくんらしいストレートではない、遠回しに伝える感じがいいなと思いました。自分もこのサビの歌詞はすごい好きです。
──レコーディングはどうでしたか?
☆イニ☆:涙があふれる感じだったよね。
テオくん:いや、全然(笑)。誰も泣いてない。
☆イニ☆:早っ。
──(笑)。
テオくん:最後の方の歌詞に「振り返ることは許さない 諦めることも許さない 頑張って不安だって 進んでいけ」という部分があるんですけど、そこは特に気持ちを込めて歌いました。夢を追っている自分に対して、彼女はこう思ってくれたいたんじゃないかなと。
──素敵なエピソードですね。では、それ以外の収録曲で印象に残っている曲というと?
テオくん:1曲目の「世界」ですかね。この曲はアニメ「約束のネバーランド」の世界観をモチーフに作らせてもらったんですけど、今この現実世界で言えることと、「約束のネバーランド」の中で言えることが両方入っていて。「しょうがないだろ なんて言葉で片付けられてしまうような命を せめて少しだけ 愛の近くへ」という歌詞があるんですけど、歌っている時もこの部分には力が入ったし、自分自身も成長できた曲だなと思っています。
──☆イニ☆さんは、この「世界」という曲に関してはいかがですか?
☆イニ☆:後半に「仲良しの輪一つ外れ 気が付いた 雨はそこにしか降らない」という歌詞があるんですけど、自分も含めて普通はみんなどこかのグループに属して、そこで悩み事があったりもすると思うんです。でも、見ている世界は実はすごく狭くて。「つらいな〜」と思っていても、一歩勇気を出して外れてみれば、そこだけが大変なところであって、世界はもっと広いことに気づけるんだよってことがわかる歌詞だと思います。自分もこの歌詞を見て、学生の頃を思い出したりしていました。
──普段、YouTubeの撮影や編集もある中で、2人はこういった歌詞をいつ書いているのですか?
テオくん:動画ではない「今日は曲や歌詞を作る日」というのを決めています。その日に色々と考えて作っています。
──歌詞は1日で1曲を書くのですか、それとも何日かに分けて?
テオくん:2人で書くんですけど、基本的には1日1曲を目指してやってましたね。例えば「世界」は、サビと自分の担当分を書いてから、その日のうちに相方に渡すという感じでした。
──宮川さんから届くデモテープにはメロディーラインは入っているのですか?
テオくん:ほぼ入っていないんですけど、「世界」の場合は1番サビだけ択さん(宮川 拓)の考えたものが入っていて。なので、2番のサビは自分がメロディーを考えて歌ったものになってます。
──メロディーはどのように浮かぶのですか? キーやコード進行とかも意識して?
テオくん:いえ、自分の場合は感覚的にやっているだけです。
☆イニ☆:感覚的にやっているだけなので、自分が作ったメロディーが実際のレコーディングで高くて歌えないこともあります。これは「宅録あるある」でもあるのですが、ニコニコ動画出身の人ならわかってもらえると思います。
── 音楽を作る場合、ソフトは何を使っているのですか?
☆イニ☆:最近Cubase10を導入しました。それまでは「サウンドエンジンフリー」とか「Reaper」でやってたこともあるんですけど、ちゃんと音楽を作ろうと思って。
──テオさんも何かお持ちですか?
テオくん:僕はCubase9ですね。
──では、普段はCubaseを立ち上げてリズムを鳴らして、そこにメロディーを当てはめていくみたいな?
テオくん:はい。
──ちなみにYouTubeで動画を編集する場合、どのようなソフトを使っているのですか?
テオくん:Final Cut Proです。最初は携帯で撮って、携帯の中の無料アプリで作っていたんですけど、今はパソコンを買ってFinal Cut Proで編集をしています。
──テロップとかは?
☆イニ☆:フリーのイラストサイトなどを利用することもありますが、基本はFinal Cut Proです。
──YouTubeの動画は今までに何本くらい作ってきたことになりますか?
テオくん:最近1,100本を超えましたね。「1,100本もネタやってきたんだ」って感じですけど。
──ネタはどうやって思い付くことが多いのですか?
テオくん:Twitterとかを見てて、その場、その場で考えることもあるんですけど、30分くらい「ボォーっ」として、何をやったら面白いかなって考えてると自然にアイディアが出てくることが多いです。それで必要なものを揃えて、次の日の撮影の準備をしておくという感じです。
──わかりました。では、最後にあらためてアルバム『BE BOY』の聴きどころと、今後予定されているライブへの意気込みを一言ずつお願いします。
テオくん:そうですね。1stアルバムの『にゅ〜べいび〜』は、色々なことに戸惑いながらも挑戦してきた1枚だったんですけど、今回の『BE BOY』は2年目の2枚目ということで、ある程度自分たちの経験してきたことを形にできたと思います。曲にも歌詞にも2年目のスカイピースが出ていると思いますので、そういった部分をたくさん聴いてもらいたいですね。
☆イニ☆:僕たちの実体験がたくさん詰まっているので、みなさん勘ぐりながら聴いてください(笑)。
──(笑)。
テオくん:あと、ライブへの意気込みですが、ライブはとにかく毎回違うことをやろうと思っていて。今回の夏でツアーは3回目になるんですけど、今までの春、冬とはまた違う作り方をしているので、そこを楽しみにしていてください。
☆イニ☆:そうですね。夏一番の思い出にするので、ぜひともライブを楽しみにして頂ければと思います。
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