神戸発の注目の2MCユニット
NO NAME'S、LazyyとREViがファースト・アルバム『NO NAME'S』の制作エピソードを公開!
NO NAME'S、LazyyとREViがファースト・アルバム『NO NAME'S』の制作エピソードを公開!
2021/03/24
2019年に発表したサブスク限定のEP「CLUTCH」や昨年2020年のツアーが話題を呼び、神戸から全国へとその名が急拡大するLazyy(レイジー)とREVi(レヴィ)による2MCユニット、NO NAME'S(ノー・ネームズ)。彼らのファースト・アルバム『NO NAME'S』がついに3月31日に配信リリースされることが決まった。キャラクターの異なる2人から繰り出されるラップは、そしてリリックの世界観はまさに世界標準。ここでは、アルバム収録曲に込めた思いや制作エピソードをじっくりと聞いてみた。
取材:東 徹夜(編集長)
──そもそも、2人はどこで知り合ってNO NAME'Sを結成することになったのですか?
Lazyy:僕たちは高校の同級生なんですけど、最初、REViが廊下で音楽を聴きながら友達としゃべっていて、そこを僕が通りがかった時に流れていたのがビッグ・ショーンの「My Last ft.クリス・ブラウン」だったんですね。実はその曲は僕も中学の頃から気に入っていて。「あっ、オレもその曲好き!」って言って仲良くなったのがきっかけです。で、僕は高校になってからインスタ用にビデオなんかも作っていたので、それをちょいちょいREViにも見せていて。
REVi:それを見た時に「めちゃ、かっこいい、俺もやろう」って思ったんです。それで一緒にやり始めた感じですね。
──「NO NAME'S」というユニット名の由来は?
Lazyy:これは結構適当なんですけど、初ライブか、初レコーディングのどっちかの時に、ユニット名を何も決めずに行って。「お前ら、名前なんて言うの?」って聞かれて。
REVi:で、Lazyyが考えた「NO NAME'Sってどう?」って話になって。自分としては、名前がないやつらが売れたらバリカッコええなと思ったんです。それで「それはありやな」って答えて決まりました(笑)。
──今回、そのNO NAME'Sのファーストアルバムがリリースされるわけですが、普段はどのように曲作りを行なっているのですか?
Lazyy:基本的には自分のパートは自分でリリックを書くんですけど、まずはA4のようなトラックメイカーにビートを作ってもらって、そのビートにリリックを付けていく感じになります。ただ、サビに関しては2人で考えたりもします。
──ビートというのは、クリエイターの方から一方的に送られてくるのですか? それとも2人がある程度希望を出して?
REVi:両方あります。「こういった感じのテイストで作って頂きたいです」とお願いする場合もありますし、向こうから提示されたものを形にしていくパターンもあります。ただ、自分たちの中では「やりたいか、やりたくないか」というのはすごく大事にしていて、最終的には「やりたいものをやる」という感じでやらせてもらっています。
──今作には全20曲が収録されているけですが、何かコンセプトのようなものはあったのでしょうか?
Lazyy:いえ、今回のアルバムはコンセプト的なアルバムというよりは、僕らとしてはシングルを20曲集めたようなイメージなんです。期間で言うと約1年半くらいだと思うんですけど、その間に作ったものが入っている感覚です。
──収録曲の中で一番最初にできた曲というのは?
Lazyy:2019年の秋頃に作った「MELODY & SOUL」です。まず、A4から「こんなビートを作ったから一度聴いてみて」っていう連絡があって。すでにストックが10曲くらいあったと思うんですけど、その中から自分たちの気に入ったビートを選んでリリックを付けました。
──A4さんのビートというのは、メロディーなども入っている状態なのですか?
Lazyy:いえ、最初にもらうビートは、かなりラフな状態ですね。
──そのラフなビートを聴きながらどうやってメロディーを付けていくのですか?
Lazyy:僕らは「宇宙語」って呼んでますけど、ビートに合わせて鼻歌みたいなメロディーを考えていくんです。で、そこに歌詞を当てはめていきます。
──「MELODY & SOUL」には、どんな思いが込められているのでしょうか?
REVi:この曲のビートを聴いた時、「これは、地元で感じたことやいろんな人の気持ちを歌いたいな」と思ったんですよね。
Lazyy:「僕たちの音楽と心」は、たとえ僕たちがいなくなっても残るものだと思うんです。なので2回目のサビが終わって僕たちが掛け合う「時が流れても 全て忘れ去られたとしても 胸にあるずっと変わらないモノ この想いは残るいつまでも」という部分には、今REViが言った思いなどが詰まっていると思います。
──では、続いて収録曲の1曲目「#NONAMESPLAN - INTRO」についてお聞きします。これもビート先行で?
REVi:そうですね。
Lazyy:完全に「宇宙語」を当てていった感じです。
──303系の歪んだベースラインが特徴のビートですよね。
REVi:はい。実はリファレンスは僕らも高校時代からよく聴いていたカルヴィンハリスの「Slow Acid」という曲で、それをイメージしたものを作って頂きました。
Lazyy:このビートを聴いた瞬間、「あっ、始まりの曲になるんだろうな」って思いました。実際にアルバムの1曲目になりましたけど、最初からそのつもりで歌詞も書きました。なので、僕もREViの歌詞にも「もう待ってられない、待つのは飽きた」みたいな、NO NAME'Sがこれから駆け上がって行こうとする気持ちが込められています。
──2曲目の「IGP」は、資料によると「ICE GET POWER」から着想を得たと言うことですが、この楽曲が生まれたきっかけというのは?
Lazyy:これは「MELODY & SOUL」の次くらいにできた曲なんですけど、もともと自分たち中で「ICE」って言葉は、スラングじゃないんですけど自分たちが遊んでいる中で「輝いている」って意味で使っていたんです。で、音楽をやっていく上で、何か光るものを想像するとやる気が出てくるし、そういものは僕たちに力をくれると思って。それで「ICE GET POWER」というテーマというか、タイトルが生まれてきました。
──2人の共通のキーワードのようなものですね。
REVi:はい。ただ、みんなの考え方次第で変わってきてもまた面白いかなと。
──この曲のリリック作りはスムーズにいきましたか?
REVi:俺は正直難しかったんですよね。もともと僕らはソロでも活動しているんですが、自分がソロでやっているようなビートではなかったし。ただ、ACKO(アコー)くんからは「これはラップがカッコよくないと“バエる”曲にならないよ」とも言われていて。それで逆に気合が入ったというか。
Lazyy:「なら、やってやろうぜ」みたいな感じになりましたね。
──ビートを手掛けたACKOさんはどんな方なのですか?
Lazyy:僕らは2018年に結成したんですけど、その頃にスタジオでエンジニアをしていたのがACKOくんで、それからの付き合いになります。めちゃくちゃ音楽おたくで、僕らも色々なことを教えてもらっています。
──「IGP」のミュージックビデオは北海道で撮影されたとのことですが、何か思い出に残っていることなどはありますか?
REVi:北海道の釧路で撮影させてもらったんですけど、あんだけ雪があるのは初めてで。
Lazyy:一面雪景色のところは実は塘路湖(とうろこ)という湖の上なんですよ。ガチガチに固まった氷の上に雪が積もって、その上に僕たちがいるみたいな。だから、一歩踏み外したら湖に落ちちゃうんじゃないかという恐怖も味わいながら撮りました(笑)
──映像を担当されたJAZADOCUMENTさんとは昔からのお知り合いなのですか?
Lazyy:いえ、今回、ACKOくんから紹介されてご一緒することになりました。ただ、JAZADOCUMENTさんもプロデューサーやラッパーとして活動されている方なので、イメージの共有がやりやすかったです。
──NO NAME'Sの輪というか、チームの輪がどんどん広がっているんですね。
Lazyy:そうですね。まさにそんな感じです。
──では、続いて11曲目の「SuMmErDaY!! (2021Remix) 」について教えてください。こちらはガラッと変わって、夏を意識した曲ですよね。
Lazyy:はい。これは去年2020年の夏の少し前に書いた曲になります。ただコロナもあったので、夏というよりは夏の思い出を意識したリリックになっています。
REVi:僕らの中学や高校の夏といえば、リップスライム「楽園ベイベー」とかが人気で。オマージュ的なリリックを入れてみたり、みんなが懐かしいと思ってくれるような歌詞が入っていると思います。
Lazyy:僕のパートだと「やられてるのは酒のせいか可愛いあの子のせい」という自分でもちょっとチャラいのもあるんですけど、それも夏ならではでいいかなと(笑)
──今年の夏こそは、コロナが収束しているといいですね。
Lazyy:本当にそうですね。
──ちなみにタイトルの中で「S」「M」「E」「D」「Y」を大文字にしている理由というのは?
REVi:これは自分が好きなアーティストがよくやってて、単純にオシャレかなと思ったんです。すみません、それ以外に特に意味はありません(笑)
──(笑)。それでは、7曲目の「SPECIAL PLAYERS」についてお聞きします。このミュージックビデオは地元で撮影されたようですね。
Lazyy:はい。もともと、高校生の時に「俺たちはこの世界で自分たちだけだから、他の誰かにもなれないし、他のみんなも俺らにはなれない」みたいな思いを込めて、「The Only One Players」という曲を作ったことがあったんです。で、今回、この「SPECIAL PLAYERS」のビートを聴かせてもらった時に、2人ともその曲を思い出して。
REVi:それはまさに自分たちのルーツというか、リリックにも「生まれた時からspecial」という言葉があるんですけど、リリックを作っている時から地元で撮りたいという思いが強かったですね。
──撮影された場所は、2人がよく知っているところなんですか?
Lazyy:はい。ハーバーランドという、神戸駅の近くのところです。まぁ、厳密にいうと僕らの実家からは少し離れてますけど。
──リリックの中で、特に気に入っている箇所を挙げるとすると?
Lazyy:「生まれた時からspecial」もそうですけど、サビでの2人の掛け合いの部分もですかね。でも、この曲は自分たちだけが「特別だ」と言うのではなくて、「みんなもそうだよ」ってことも言いたくて。「人のことばかり気にして生きづらくなる必要はないんだよ」ってことや、「みんなが特別な存在なんだ」ということを共有できたらと思っています。
──ところで、13曲目の「溜息」という曲は、今回のアルバムの中では唯一日本語のタイトルですね。
Lazyy:実は最初は「Bad Days」というタイトルだったんですよ。でも、「Bad Days」だと俺たちがリスナーだったら「その曲を聴こう!」ってなるかなと思ったんです。で、思い切って日本語で共感できるタイトルに急遽変更しました。この曲は、聴いてくれる人の気持ちを考えながら書いたという点が他の曲とは違っていて。そういう気持ちでリリックを作ることは今まであまりしてこなかったので、そこが大変というか、違ってましたね。
REVi:コロナ期間も含めて、結構みんな悩まされたと思うんです。ただよく考えてみると、僕らもこの1年は色んなことで悩む場面も多かったし「俺らもみんなも一緒かもしれない」って。なので、そういう人たちを励ますような歌詞、共感できるような曲を作りたいと思ったんです。ACOくんから送られてきたビートも「何かを届けたい」っていう感じが強くて。そのビートにうまく思いを込められたと思っています。
──クレジットによると、今回のアルバムはすべて「LIFEGAME studio」でレコーディングやマスタリングが行なわれたようですが、こちらは関西にあるスタジオなのですか?
Lazyy:はい。先ほどから名前が何度も出てきているACKOくんのスタジオになります。もともと西宮にあったんですけど、今は神戸にあります。
──レコーディングはどのように進められたのですか?
Lazyy:まず、10曲くらいリリックの準備ができて、そのタイミングで1回録りましたね。でも、その後のミックス作業の段階でまた録り直したりもしているんですよ。なので、デモを作って、それを段々とブラッシュアップさせていく感じに近いかもしれません。
──ミックスやマスタリングでこだわった点というと?
Lazyy:やっぱり声ですかね。僕たちは声質がそもそも違うので、NO NAME'Sとしてのまとまりも出さないといけなし、でも、お互いの求める声にも近づけたくて。だから各パートで「ここはもうちょとハイを出した方がいいんじゃない」とか、結構言い合いましたね。曲によっては、あえてビートに別の音を追加したり、逆に声を目立たせるために削ったりもしています。
──2人の声には「Auto-Tune」のようなエフェクティブな効果も使われていますよね。
Lazyy:はい。自分たちとしては「Auto-Tune」にもかなりこだわっていまして。ある意味、今は「Auto-Tune」が定番化してきているので、他との差別化もしないといけないと思っていて。僕たちの中では「ケロケロの声は自分たちの求めるものとはちょっと違う」と考えています。なので、レコーディングする時も「Auto-Tune」の掛かり具合を調節してから録ったりしました。
REVi:「Auto-Tune」って、効果が掛かり過ぎるとリリックが全然頭に入ってこなくなるんですよね。何を言っているのかわかんないみたいな。そういうことをなくしたいと僕らは思っているので、ナチュラルに「Auto-Tune」を掛ける方法を毎回探りながらレコーディングしている感じです。今回のアルバムでも「どうやったら優しさが伝わる声になるか?」とか、細かい話ですけど、そんな話をしながら「Auto-Tune」を使っています。
──わかりました。では、そろそろ時間がきましたので、最後にまとめの言葉を頂きたいと思います。ファーストアルバムをリリースしたばかりですが、今後の目標やリスナーへのメッセージがあればお願いします。
Lazyy:これは僕にもREViにも言えることなんですけど、まずはNO NAME'Sとして世界的に活躍できるアーティストになりたいという目標を持っています。そのために、日本で僕たちのことを知らない人はいないというところまで持って行きたいですね。
REVi:まだ言えないことも多いんですが、今後の活動については色々と2人でも話し合っていて実現すればかなり面白いことになると思います。あと、本当に今回のアルバムを色んな人に聴いてもらいたいですね。初めての方もそうですし、今まで僕らのことをずっと応援してくれていた方にもすごく聴きごたえのある内容になっていると思います。アルバムの頭から順番に楽しんでもらいたいです。
Lazyy:本当にカラフルというか、僕たちのハードな部分や温かい部分が20曲入っているんですけど、僕としては最後20曲目の「BEAUTIFUL LIFE」という曲には特に注目してもらいたくて。この曲は全員に当てはまるテーマというか、壮大なテーマなんですけど、僕たちの人生について歌っています。「若いガキが何を言っているねん」って思われるかもしれないですけど、僕たちの思う理想と現実を噛み砕いて書いています。この曲も含めて、アルバムがより多くの人の心に届いてくれたら嬉しいです。
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