CDジャケットの撮影は、実はライティングを一切使わずに自然光だけで撮ったんです。

──歌唱力を高めるために日頃心掛けているのはどんなことですか？

安田レイ：定期的にボイストレーニングをしたり、日頃ベーシックな腹筋とかランニングとかもしています。身体に筋肉を付けたことがいい意味で歌にも影響を与えているというか。

──例えば、どんなところが変わってきたと感じますか？

安田レイ：デビュー当時に比べて、明らかに声の太さが違っていると思いますね。それは、何度も何度もライブをさせて頂いて、そういうことも関係しているのかな。

──デビュー当時に比べて、高い声が出るようになったとか？

安田レイ：それはあまり変わらないかもしれません。それよりもライブをやり始めたときは緊張がすごかったのですが、ライブを重ねることで気持ちを上手くコントロールできるようになりました。だから、ボイトレも必要だけど、やっぱり自分の気持ちの部分の成長も大きいかもしれません。

──なるほど。アルバムには、その他にも多くの楽曲が収録されていますが、一番最近のシングルだと「あしたいろ」ですね？

安田レイ：そうですね。この曲は「結婚式の前日に」というドラマの主題歌で、実は私もウェディングプランナー役で出演させて頂いて。初めてのドラマでとっても貴重な体験をさせて頂いたと思っています。この曲とドラマのおかげで、安田レイを知って頂くきっかけになったり、実際にライブに足を運んで頂いた方も多いですし。あと、ライブ中にこの「あしたいろ」を歌うと、涙を流して聴いてくださっている人がいて。本当に感謝です。

──1曲目の「Just for you」もよくCMで流れていましたが、この楽曲を初めて聴いたときに安田さんはどんな印象だったのですか？

安田レイ：「Just for you」は安田レイの楽曲なんですが、以前に歌っていた元気ロケッツというグループの楽曲ともリンクしているサウンドというか。初めて聴いたり、歌ったときには安心感に包まれる感じでしたね。安田レイの楽曲で歌詞も全部日本語なんですけど、元気ロケッツのLumiとしての気持ちも少し思い出したというか。実際にCMでたくさん流して頂いて、色んな人からCM見たよって声をかけられたし。新しい出会いをたくさん生んでくれた曲だなと思います。

──そもそも、今回のアルバムの曲順はどのように決められたのですか？

安田レイ：スタッフさん全員と決めたんですけど、とにかくそれぞれの曲が活きる順番にしようというのがテーマで。全部で14曲あるわけですが、いろんなサウンドやメッセージが安田レイとして込められていて。ちょっとしたジェットコースターみたいに“バラードがきたと思ったら、またワッと上がって”。ある意味、冒険的な曲順になっていると思います。

──CDジャケットについても教えて頂きたいのですが、撮影はどちらで？

安田レイ：ジャケットはハウススタジオで撮影したのですが、実はライティングを一切使わずに自然光だけで撮っているんですよ。撮影日は本当によく晴れて、素晴らしい太陽が出て。ここ1年で一番晴れたんじゃないかって思うくらい。ジャケットもそうなんですけど、ブックレットの中身もプリズム感やキラキラ感があって。どのページも私の好きなファッションともリンクしています。曲を聴きながらブックレットを同時に見ると、またそれで楽しめるんじゃないかと思っています。撮影の次の日が福岡でのワンマンライブだったんですけど、ツアー前の高揚感が出た状態というか、歌えている喜びみたいなものも出ているんじゃないかな。

──衣装はすべて安田さんがチョイスされたのですか？

安田レイ：はい。本当に自分が好きなものを着させて頂いて、ピンクだったりカーリーなものだったり、ちょっとレトロなものだったり。髪型とかも色々チャレンジしているのでぜひ見て頂きたいですね。

──初回の限定盤版にはDVDも収録されていますよね。こちらの見所は？

安田レイ：今回、「Just for you」のミュージックビデオをこのアルバムのために作ったんですけど、恋をしていてハッピーな部分と、でもちょっと不安で悩ましい部分と、そんな女の子の2面性を表現しています。初回限定盤版でしか見られないレアなものになっているので、こちらもぜひチェックして頂きたいです。

──今後ライブも予定されていると思いますが、ライブではどんなところを見てもらいたいですか？

安田レイ：前回（2015年12月）のワンマンツアーがファンの皆様とものすごく近づけたという思いがあって。また、今まで生きてきた中で一番いいライブができたんじゃないかなって実感できた部分も多くて。だから、5月に予定されているライブでは、安田レイとしてどのくらい進化したかをアピールしたいと思っていますし、CDだけでは味わえない臨場感だったり、私の素の部分を感じてもらいたいです。

──最後に、安田さんのような歌い手を目指すボーカリストの卵たちに、一言アドバイスがあればお願いします。

安田レイ：一番大事なのは自分の意思を曲げないってことだと思います。私も小さい頃からシンガーになりたいって夢があって生きてきたんですけど、周りの大人達にはもっと安定した職業に就きなさいって何度も言われましたし。でも、やっぱり自分には歌しかなかったですし、自分が別の職業に就いているイメージがまったくわかなかったんですよ。なので、学校の先生、親、親戚、友達、誰に何と言われようと“私は自分がやりたいことをやる”っていう気持ちを常に持ってやってきて。夢はすぐには叶わなかったですけど、途中ブランクもありましたし。みんな進むべき道が決まっていく中で、私はシンガーになるという夢が諦められなくて。“私どうしよう”って悩んだときもあったのですが、でも“絶対自分にはできる”っていう自信もどこかにあって。タイミングは人ぞれぞれあると思うのですが、その波に乗れる準備をいつでもしておくことが大切なんじゃないかなって思います。