「とくダネ!」の小倉さんが自らプロデュースを申し出たほどの歌唱力を持つシンガー
Ema『Respirar』インタビュー
Ema『Respirar』インタビュー
2016/07/13
尾崎豊「I LOVE YOU」のジャズアレンジ・カバーがきっかけで、音楽通で知られるフジテレビ「とくダネ!」の小倉さんが自らプロデュースを申し出たほどの圧倒的な歌唱力を持つシンガー、Ema(エマ)。彼女がデビューアルバム『Respirar(レスピラール)』を7月27日にリリースする。ここでは、本アルバムをプロデュースしたキューバ・ジャズシーンの重鎮、サックス奏者のセサル・ロペス氏とのエピソードを中心に、彼女の生い立ちなどにも迫ってみた。
取材:村尾悦郎(編集部)
一緒に寄り添いながら音楽を作る感覚が素晴らしかったです。
──今回のアルバムは、Emaさんの強い希望でキューバのサックス奏者セサル・ロペスさんのプロデュースとお聞きしました。セサルさんにお願いするに至った経緯をあらためて教えてもらえますか?
Ema:私がセサルさんを知ったきっかけというのが、『Cu-Bop(キューバップ)』という映画なんです。渋谷の小さな映画館で観たのですが、そのときのセサルさんや出演者のミュージシャン達のあまりのカッコ良さに惚れ込んでしまいまして。で、ちょうど私のデビューの話もあり、『キューバップ』の監督の高橋慎一さん経由でセサルさんに思いを伝えることができたんです。
──セサルさんの反応はいかがでしたか?
Ema:プロデュース依頼を喜んでくれて、日本の名曲をキューバのリズムと合わせて制作することをとても面白がってくれました。
──レコーディングはキューバで行なわれたのですか?
Ema:はい。3月末から4月の最初の週まで。2週間くらい滞在しました。
──キューバには、今までも行かれたことはあったのですか?
Ema:いえ、初めてです。ちょうど映画を観て“いいな!”って思った瞬間にキューバに行った感覚なんです。キューバでのレコーディングメンバーも『キューバップ』に出ていた人達なので、“あっ、キューバップに出てた人だ!”みたいな感じで。すごく興奮しました。

──キューバの空港に降り立ったときはどんな気持ちでしたか?
Ema:3月にも関わらず空港から出たときに熱気を感じて、自分でも驚いたんですけど、初めて来た感じがしなかったんです。というのも、私の母方の祖父母が喜界島(鹿児島県)なので、私もしょっちゅう温暖な気候の地には行ってましたし、喜界島の雰囲気に似た部分もあったんじゃないかと思います。海の匂いやすれちがう人の雰囲気、ちょっと顔も似てたかな(笑)。
──キューバの食べ物はお口に合いましたか?
Ema:美味しかったですね。コングリというお豆を煮たものをお米に乗せて食べるんですよ。カレーみたいな。でも、スパイシーではなくて、ガーリックな感じで。サンドイッチも美味しかったし、食べ物には困らなかったです。
──今回のアルバムには、尾崎豊さんの「I LOVE YOU」を筆頭に、様々なカバーが収録されているわけですが、そもそも収録する楽曲は、どのように決めたのですか?
Ema:私と小倉さんとレコード会社の方とみんなで決めました。
──具体的にEmaさんが希望された曲というのは?
Ema:まずは1曲目の「I LOVE YOU」です。この曲は皆さんも同意見でやろうという感じで。あとは8曲目の「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」や5曲目の「The Shadow Of Your Smile」ですね。最終的に私の歌いたかった感じのアレンジに仕上がって、とってもうれしかったです。
──ちなみに、小倉さんはどの曲を推されたんですか?
Ema:小倉さんは「恋するフォーチュンクッキー」、「Stay With Me」、「Guantanamera」あたりですね。私自身が割と古い昭和の歌謡曲とかが好きなんですけど、せっかくだからもっと多くの色を持った作品にしようというご意見をいただき、結果的に年代も幅広く選曲しました。
──選曲の後、どのような形でレコーディングが進められたのですか?
Ema:スケジュールの都合もあって、事前にセサルさんがバンドの演奏部分をレコーディングして、そのトラックに対して私がボーカルを加える形で進めました。なので、日本で歌の準備をして、キューバに着いたらすぐに歌のレコーディングに入りました。私としてはミュージシャンの方達全員で“いっせーのせ”で録りたかったという気持ちもありましたが。
──セサルさんとはどのようなやり取りをしながら?
Ema:歌いながら「もっと、ここはこうした方がいいよ」などディレクションしてくれました。その場で、楽器を足したりすることもありました。和気あいあいな感じです。
──歌録りの時は、オケに参加したミュージシャンの方もいらしたのですか?
Ema:もう録り終わっているはずなのに何人か来てくれて、“どんな感じかな~”みたいに気にかけてくれていたようです。
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