「とくダネ!」の小倉さんが自らプロデュースを申し出たほどの歌唱力を持つシンガー
Ema『Respirar』インタビュー
Ema『Respirar』インタビュー
2016/07/13
私は頭で考えるよりも行動してしまうタイプなんです。

──レコーディングで印象に残っていることは何かありますか?
Ema:思い出深いのは「Guantanamera」で一緒にデュエットしたソーサさんです。私の歌を聴いてから「あっ、ちょっと僕もう一回歌い直してくる」って言って、私の声に寄り添うような形で、歌を録り直してくれたんです。それはちょっとビックリでした。キューバの方だからかわかりませんが、一緒に寄り添いながら音楽を作る感覚が素晴らしかったです。
──レコーディングでは、1日に何曲くらい歌われたのですか?
Ema:多いときは1日に5曲くらいですかね。
──そんな中で、一番歌うのが楽しかった曲というと?
Ema:「君たちキウイ〜」ですね。やっぱり、自分でもやりたかった曲ですし。あと、「Quizas Quizas Quizas」も気持ち良かったです。一緒に歌った方が本場の人というのもあって、何か後押しされているような感じでした。やっぱりキューバでないと、この歌は録れなかっただろうなと思います。
──逆に歌うのが難しかった曲は?
Ema:「Guantanamera」ですね。スペイン語というのもありますけど、彼らの空気感に付いていくのが大変だったのを覚えています。ソーサさんと、セサルさんと3人で歌を入れたんですけど、一番最初に歌ったときに私だけ何か違うなと思ったんです。なので、私も彼らになるべく寄り添うように、みんなの空気感と一緒になれるようにと、考えながら歌いました。結果として、やって良かったなぁと思いますし、楽しかったです。
──レコーディングで使っている機材はキューバと日本とは違うのですかね?
Ema:私もあまり経験がないですけど、すっごい立派な卓(ミキサー)がありましたよ。マイクも銀色のノイマンと金色のマンレイが2本立っていました。曲によって、この2本のマイクのどちらをチョイスするか、キューバのエンジニアさんに決めて頂きましたね。
──ミックスはキューバで行なったのですか?
Ema:はい。なので、日本でミックスするのとは、また違った感じになっていると思います。私もあらためて自分のアルバムを聴いたときに、「あんまり日本では聴いたことないアルバムかも」って思いました。キューバのミックスはゴツゴツしているというか、上手く言葉では言えないんですけど、なんか躍動感や空気感を大事にしている気がします。今回のアルバムは、そんなゴツゴツしたミックスを日本のエンジニアさんがさらにマスタリングで聴きやすく仕上げてくださっていて、まさにキューバと日本の良いタッグが組まれたんじゃないかなと思っています。

──人の曲のカバーをするというのは、どんなお気持ちですか?
Ema:もちろん歌っている方に敬意を払いつつ、“私”というフィルターを通してどのように聴こえるかという部分がワクワクします。
──Emaさんがジャズと出会ったきっかけについても教えて頂けますか?
Ema:ジャズと出会うきっかけは祖父と父ですね。とにかくジャズが好きな家系で、私が生まれる前からジャズとボサノヴァばかりかかるような家だったんです。そういった環境で育ったので、一番身近な音楽がジャズでした。
──それから歌をやろうと思ったのは?
Ema:代々木に「Naru」という老舗のジャズライブハウスがあるのですが、そちらで年に2回くらいボーカルのオーディションをやっていて、なんとなくそれを受けにいったのがきっかけなんです。
──そうだったんですね。でも、資料によるとEmaさんは舞台などでも活躍されていたようですね。
Ema:はい。私自身、子供のときから舞台をやっていました。でも、もう少し自分を変えたいというか、成長したかったんですね。それが、モガイている時期とも重なって、行動に出てしまったというか(笑)。私は頭で考えるよりも行動してしまうタイプなんですけど、「ちょっと受けてみよう」って、本当に直感でした。そのオーディションの後にお店の方が色々とブッキングしてくれて、そこから本格的に歌うようになったんです。
──では、最後にデビューアルバムについて、あらためて聴き所などを教えてください。
Ema:これは私の付けた『Respirar(レスピラール)』というタイトルにも通じるのですが、レコーディングしている間もずっと色々な空気感を大事にしたいと思っていたんです。なのでアルバムの曲間(秒数)にもこだわって、なるべくライブ感を失わないようにしていますし、キューバの息づかいも感じてもらえると思います。何と言うか、自然な流れで歌を聴いてもらえたらうれしいですね。
──今後の活動や意気込みなどあれば、一言お願いします。
Ema:まずは、キューバのミュージシャン達とまたご一緒したいですね。ライブも決まってきているので、ぜひ聞きにきていただけると嬉しいです。なるべくキューバで感じたものをそのまま出せるように頑張りたいなと思っています。
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