11月12日(土)にはリリース記念ライブを開催!
今井優子『SWEETEST VOICE YUKO IMAI』インタビュー
今井優子『SWEETEST VOICE YUKO IMAI』インタビュー
2016/10/26
“シルキーボイス” と呼ばれる美しい歌声を持ち、80年代後期、中崎英也、鳥山雄司、角松敏生といった当時超売れっ子の作曲家/アレンジャーにプロデュースされ、日本のAOR全盛期にその名を記した今井優子。そんな彼女がベストアルバム『Sweetest Voice』を発売し、来る11月12日(土)にはリリース記念ライブ「今井優子 Live 2016~SWEETEST VOICE~」を開催する。ここでは選曲を全て今井自身が行なったという『Sweetest Voice』に込めた思いやこれまでの活動の軌跡について話してもらったほか、動画にてライブへの意気込みを語ってもらった。
取材:斎藤一幸(編集部)
──今回、ベストアルバムの選曲はご自身によるセレクトとのことですが、選曲基準はありましたか?
今井:このアルバムではAORよりの楽曲を重視して選曲しました。
──今井さんはジャンル的にはAORがお好みなのでしょうか?
今井:そうですね。デビュー当時は自分で作詞作曲をやっていなかったんですけど、素晴らしい作家さんやミュージシャンと知り合って、色々な刺激を受けていくうちにだんだんと “自分のカラーを出していきたい” と思うようになっていったんです。そんな時に作曲家の中崎英也さんがプロデュースしてくださるというお話を頂いて、そこから本格的に “今井優子のカラー” を作りはじめていきました。その後に鳥山雄司さんがギターとアレンジで参加してくださったアルバム『殺したいほどTONIGHT』がAORっぽい、フュージョン風の仕上がりで、とてもかっこいいサウンドになったんですね。それから私の師匠である角松敏生さん(笑)プロデュースの『Do away』で私のAORサウンドが確立したと思います。その角松さんとの出会いがきっかけで私も作曲をするようになったんですね。そうしてだんだんと曲を書いていったらファンの方達が私のAORサウンドを “YUKO-SOUND” と呼んでくれるようになりました。
──今回のアルバム収録曲では「Capricious Boy」、「For Oneself」、「Trust Your Heart」などが今井さん作曲ですね。
今井:はい、今回のアルバムは半分以上私の曲を入れています。
──「Trust Your Heart」なんかはすごくファンキーでかっこいい曲ですよね。
今井:ミニアルバム『I WISH...』からの曲ですね。この曲はドライブ感があるのでぜひベスト盤に入れたいなと思っていたんです。今回はアルバム全体のコンセプトとして、車をジャケット写真に入れているように “かっこよくておしゃれなもの” に仕上げたかったんです。私をデビュー当時から担当してくれているプロデューサーさんと “『I Wish...』からの曲も含めて全部で14曲、それに新録のカバーを1曲やれたらいいね” というお話をさせて頂いて。そこから企画がどんどん進行していきましたね。
──そのカバー曲「真夜中のドア」についてお聞きします。この曲は80年代の日本のAOR系の走り的な作品ですが、今井さんがこの曲を初めて聴かれたのはいつ頃だったのでしょうか?
今井:中学生の頃ですね。母親がジャズをずっと聴いていた影響で、ほとんど洋楽か、邦楽でも吉田美奈子さん、山下達郎さんといったジャンルの方を聴いていたんです。それで中学のときはEPOさんや角松さんも大好きで。だから若い頃からこういうサウンドが好きだったみたいですね。
──なるほど。でしたら林哲司さんのサウンドも大好きだったはずですよね。その頃からカラオケなどで歌われたりしていたのでしょうか?
今井:この「真夜中のドア」はラジオで流れていたのを聴いて “この曲すごくいいな” と思ったのがはじめで。お小遣いでレコードを買って、それをかけながら一緒に歌ったりしていました。その頃は歌手になろうとは思っていなくて、ただ好きで聴いていただけだったんですが、色々なものを聴いていくうちにだんだん歌うことが好きになって。それで高校生の時に父親にカラオケに連れて行ってもらったことがきっかけで、本格的に歌うことにのめり込んだんです。カラオケに行くと「真夜中のドア」は必ず歌っていました(笑)。
──「真夜中のドア」はかなりテクニカルな曲ですよね。
今井:難しいですよね。
──その頃からもう歌いこなされていたのでしょうか?
今井:私にとってキーもちょうどよかったし、 “すごく気持よく歌ってた” と周りの人は言っていました(笑)。
──「真夜中のドア」はいろいろなアーティストにカバーされている人気曲ですが、打ち込み系だったりEDM風だったり派手なアレンジが施されていることが多いようです。その中でも今井さんのカバーはかなりオリジナルに近いアレンジに仕上がっていますよね。
今井:そうですね、そこはこだわりました。ただ、今は時代も変わってきているので、少しAOR寄りの感じになっています。今回、サックスプレイヤーの竹上良成さんに初めてアレンジをお願いしたのですが、竹上さんはAORが得意な方で、一度ライブで吹いてもらったらすごく良かったので今回もお願いしました。その時に “なるべく原曲のままで、少し今風のライトなサウンドにしたい と希望を出してできたのが今回のアレンジなんです。竹上さんにはサックスも生で吹いてもらっていて本当に良い仕上がりになったと思います。
──これまでのアルバムに関してもお聞きしたいのですが、一番お気に入りのものはどれですか?
今井:パッと浮かぶのは角松さんにやって頂いた『Do away』と、初めて半分ほどセルフプロデュースをした『Tenderly』ですね。『Tenderly』では初めて作曲をしたこともあって非常に思い入れがあります。
──ファンの皆さんから人気の曲はどうですか?
今井:「LOVIN'YOU」はドラマの主題歌になったから、この曲を挙げる人が多いかと思ったら以外とそうでもなくて、Facebookなんかでメッセージいただいても結構バラバラなんですよね。
──「LOVIN'YOU」は多くの人が覚えているのではないでしょうか?
今井:そう思うんですが、やっぱりファンの方は選曲がコアな曲を挙げてくださるみたいで(笑)。「LOVIN'YOU」はミニー・リパートンさんの原曲をジャネット・ケイさんがカバーしたバージョンがあって。私はそれを元にしたものを日本語で歌っています。私、自分で気に入っている曲は「I Wish…」なんですよ。
──今回のアルバムにも収録されていますね。
今井:はい。この曲はスキャットが入っているんですが、私が尊敬しているタニア・マリアさんというラテンジャズ系のシンガーさんがピアノを弾きながらスキャットするのを見て、取り入れてみたんです。かなり苦戦した思い出がありますね(笑)。
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