昨年より行なってきた企画 “project『Love』” の最後を飾るアルバム
DOG inTheパラレルワールドオーケストラ『HEART』インタビュー
DOG inTheパラレルワールドオーケストラ『HEART』インタビュー
2017/05/03
──続いて、今回のアルバムレコーディングで苦労したことや心掛けた点、そして使用機材について教えていただけますか。
春:これまでの作品もバラエティに富んでいるんですけど、『HEART』は、もはや1曲1曲が違うバンドじゃないかってレベルで、過去最大に色々な曲が入っているアルバムだと思っているんです。だから、歌詞を書くのはスゴい楽しかったんですけど、ボーカルとしては本当に過酷でした。相当追い込まれて「一体俺は何なんだ?」みたいな。ただ、どの曲においても僕自身が本当に思っていることを書いているんですけどね。でも、どうあがいても同じキャラクターで歌えるような曲達じゃないので、本当に大変でした。結果的にはとても楽しかったです。
──マイクは何を使われたんですか?
春:実は僕、マイクに特にこだわりはなくて、約8年間一緒にやっているエンジニアを信頼しています。基本的にはお任せしていて、合わなければちゃんと「この歌にこのマイクは違くない?」って言います。知識はほとんどないので感覚的に言ってるんですけど、僕才能はあるんで。
──そうやって言い切れるのって、変に謙遜するよりカッコ良いと思います。
春:言ってちょっとドキッとしましたけど(笑)。あ、ただ「to greet the dawn.」と「ララバイ」の時に使ったマイクが好きでした。確かEarthworksの「SR20」だったかな。何かこうアリクイの顔の先というか、シュッとした形が特徴的なコンデンサーマイクなんですよ。細長くて、最初は「え? 大丈夫なの?」って言ってたんですけど結構領域が広くて。
緩菜:指向性がないマイクだからドラムにも立てたりしています。
春:らしいね。それが思いの外良かったんですよ。
──次にメイさんはベーシストとしていかがでしたか?
メイ:いつも、DOGのレコーディングって大体ベースがトップバッターなんです。その上でアレンジも急いで作らなきゃいけない、みんなデータを送らなきゃいけない。かつ自分がカッコ良いと思うフレーズも付けたい、でも曲は壊せない。色々追い込まれながらも、大事なところを全部早めに録れるかというのを心掛けました。
──それは常に考えているのですか?
メイ:そうですね、だいたいトップなんで。ドラムはセットをスタジオに用意しなきゃいけないし、ギターはアンプを鳴らさなきゃいけない、とかあるじゃないですか。でも、僕の場合はアンプを鳴らさずにラインで録るんです。
──そうなんですね。ところで、メイさんの使われているベースってKillerの「Kumovi」ですか?
メイ:気付いてくれましたか!(笑)。上位モデルは今手に入れられないんですよ。だからToshiyaさんご本人に許可をいただいて、ESPで作ってもらったんです。Killerの「EVE」っていうベースをモチーフにさせてもらっていて、材から自分で良いと思うものを選んだオリジナルモデルです。ちなみに「Kumovi」自体も2〜3本持っていて。あのシェイプが好きなんです。オリジナルモデルは銀ラメと白を持ってて、銀ラメが年末に出来たばかりだったんですけど、全帯域の音が出るんです。なおかつ、ゴリっとしていて自分好みの音が出るので気に入っています。白の方が上が出るんですけど、中域が弱かったりするので。だから銀をメインにしつつ、他にはKillerの「BEELZE」も使いました。
──ラインで録ったということでしたが、どのようにサウンドメイクをされたのでしょうか?
メイ:SANSAMPのプラグインを使いました。僕SANSAMPのゴリゴリした音が大好きなんです。特に旧型の。エンジニアさんもそれを知ってくれているし。あとはギターとドラムの音の間を縫うように音作りをしたり。なのでレコーディング時はPETERSONのストロボチューナーだけを繋いでラインで録りました。
──高性能なんですよね。
メイ:そうなんです、音程には超気を使っているので。その反面、正確すぎてなかなか合わないんですよ。そうやって試行錯誤しつつ、ワンフレーズごとにレコーディングしたりしました。
──次に準々さんは?
準々:曲がいっぱいだったので同じ感じにならないように、というのは心掛けましたね。だから「前はこういうの弾いたから、今度は違うフレーズを弾こう」とか考えるのが大変でした。ギターソロも弾いたんですけど、その影響なのか出来上がった「Riot」を聴いた時に「あれ? 俺こんなソロ弾いたっけ?」って。多分、最後の方に適当に弾いたやつなんです。あれはビビりました。
──では、使用機材は?
準々:僕は基本的にこだわりがないんです。ギターは普段のライブでも使っているKAWAIの月形をメインに使いましたけど、スタジオにあるギターをレンタルしたりもしました。音作りは友達に作ってもらったエフェクターを使ったり。ちなみにそのエフェクターは「ララバイ」で使いました。
──ちなみに、あの月形のギターは1本だけ?
準々:今は3本あります。ハードオフで見つけて「やったー!」って買っちゃいました。
ミズキ:アクリルではなく木製のモデルがあるんですよ。
──なるほど。それでは続いてミズキさんはいかがですか?
ミズキ:自分の中で、ピッチャーが投げるストレートに例えていて。曲の球威だったり、ボーカルを押し出せるようなギターを意識しました。キャッチャーミットに収まった球がまだギュルギュル回転してるというか。それぐらい勢いのあるギターを弾こうと心掛けました。その方がアルバムを聴いてくれた人の耳から心へ直接届くんじゃないかなって。
──ミズキさんと準々さんって真逆のギタリストですよね。
ミズキ:そうですね。彼が変化球タイプだからこそ、逆に上手くいくんです。
──ギタリスト同士で話し合ったりは?
ミズキ:あんまりしないです。結構分かり合えているので。例えば「HeartAche」のサビは4小節ごとで交代で、最初俺が前で次は準みたいな遊び心も入れたりしました。
──機材についても教えてください。
ミズキ:ギターはライブでもメインで使っているmomoseのLPタイプを使いました。このギターは上から下まで綺麗なキラキラした音が出るんで気に入っています。それとリフ系とかガッツのある感じを出したい時はGibsonの「RD」が登場したりと使い分けました。音作りについては今はUADのMarshallのアンプシュミレーターを使っているんですけど、ある程度イメージしたものをスタジオでリアンプして。ライブでアンプはキメの細かい歪みが好きなのでENGLを使っています。それとキャビも4発ではなく2発にしてます。
──次に緩菜さん。
緩菜:みんなと色々打ち合わをしながらレコーディングしました。例えば1コーラス叩いて、みんながいるブースに行って「もうちょっとこうした方がいいよ」って話して、「スネアをもっと “パーン!”」とか「“ボスッ” の方が良いよね」なんていうやり取りをしたり。そして、そのみんなが発した擬音を忠実に再現するために色々チューニングしながら叩きましたね。
──ドラムはどこのブランドを使われてたのですか?
緩菜:SAKAEの「Almighty Maple」というシリーズです。あまりこだわりはなかったんですけど、どこかのライブハウスでSAKAE叩いた時に、感覚的に「絶対にこれだ」って思えたんです。それがたまたまメイプルだったという。だからスネアもSAKAEで5.5インチのメイプルです。実はセットを買う時に「同じ色で同じメイプルだしこれで良いや」ぐらいにしか思っていなかったんですけど、いじればいじるほどスゴいに好きになって。だから今回のレコーディングでもいくつか用意してたんですけど、みんなと相談しつつ全曲そのスネアだけで録りました。ちなみにペダルもSAKAEで、スティックだけTAMAです。以前はPro-markを使っていたんですけど、使うモデルがどんどん廃盤になってしまって。それで “たまたま” TAMAを使い始めたんです(笑)。13〜14.5mmを5mm単位で用意して曲ごとに分けたり、逆に持って叩いたり色々工夫しました。
──それでは最後に、改めて本作の聴きどころ、そして5月から始まるツアーに向けての意気込みをお願いします。
春:今回のアルバムは “project『Love』” という企画の最終リリースとなので集大成というべき作品です。ただ、アルバムとしてはバンドの新しいスタートの1枚という感覚が強いんです。ここから残り半年間かけて、アルバムのツアーでみんなで一緒に育てたものをファイナルなる9月9日のZepp DiverCityに持っていけたら良いなと思っています。
メイ:純粋に良い曲ばかりなので、たくさんの人達に愛されたいなって思っています。ベーシストとしては押し引きというか。割と動くのが好きなベーシストなんですけど、成熟してきたと思ってますし、上手いバランスで弾けたと思うのでそういった部分も聴いてもらえると嬉しいですね。ツアーに関しては、ライブが終わった直後に「ね、良かったね!」とファンと分かち合えるような、心と心で通じ合えるようなライブを全公演でやりたいなとは思っています。
ミズキ:こうやって新たにたくさん出来た素敵な武器を持ってライブに行くのが楽しみです。そこでDOGも色々と新たな一面だったり、表情を変えていくと思ってるんですよ。そう言った部分をお客さんにも楽しみにして欲しいし、最後にみんなで笑顔でいられる素敵なライブになったらなと。
緩菜:アルバムが出て、これだけの新曲をライブでやるのを非常に楽しみにしています。今回のツアーではその新曲達を僕らとお客さん達で育てて、ZEPP TOKYOまでつなげていければ最高ですね。
準々:まずはスゴい良いアルバムが出来たと思ってます。聴いてくれたらライブに行きたくなるような曲がいっぱいなので、ぜひ聴いてみてください。ライブも今から楽しみで、早く新曲を披露したいですね。それと、ライブに来る来ないは良いとか悪いとかではなく、人それぞれですけど、俺から言えるのは「このアルバム聴いてライブ来ない奴はキクチ(※マネージャーさん)のケツ毛に付着している何か」だと思っててください。以上です。
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