“世界観系”の曲だけで固めた渾身のフルアルバム!
神聖かまってちゃん『幼さを入院させて』インタビュー
神聖かまってちゃん『幼さを入院させて』インタビュー
2017/09/14
──「緑の長靴」は、後半で少しジャジーなテイストになるのが面白かったですが、この曲を作った時に、そういうグルーヴに興味があったりしたとか?
の子:いやぁ、ジャジーなのかな?(笑) それもまったく意識してないですね。
ちばぎん:でも、の子さんって、たぶんコードにマイブームがあると思うんですよ。実は結構、同じ時期に作った曲に、共通したコードがあったりして、「あ、今これブームなんだ」って感じることはありますね。
みさこ:それでコードが似てくると、曲も似てくるから、コード進行以外で各曲の個性を生み出せるように、アレンジをいろいろと考えたりするんです。
──歌詞についても話を聞きたいのですが、「夕暮れの鳥」はなぜ英語詞にしたのですか?
の子:最初は日本語で作っていたんですけど、アニメ制作サイドの要望で、締切ギリギリに英語詞に変えました。でも最終的には英語詞でよかったなって。発見もあったし。
──その発見とは?
の子:実はこの英語詞、最初に書いた日本語詞をGoogle翻訳したものなんです(笑)。それでも、そういった雰囲気、世界観は伝わるんだなって。
みさこ:日本人にとって、日本語の歌詞って、やっぱり強いですから。
の子:逆に詞の意味が曲の邪魔になることも多いですからね。
──ちなみに、日本語詞の段階では、どういう内容だったんですか?
の子:最初は「鳥かごの歌」という仮タイトルで。《進撃の巨人》って、壁に囲まれているじゃないですか。それで鳥かごをイメージして、そこから飛んでいきたいなっていう……まあ、すごく普通の歌詞ですよね(笑)。それをGoogle翻訳して、歌に上手くハメていきつつ、自分英語みたいなものも組み合わせていって。
みさこ:その英語詞を、もう一回Google翻訳で日本語に戻すと、全然違う歌詞になるんです(笑)。
の子:だから正直に言って、そこを突っ込まれると思ってたんですよ。文法が違うじゃねぇかとか、意味わかんねぇとか。でも誰からも、スタッフでさえも突っ込まなかった(笑)。みんな忙しいんだなって(一同爆笑)。
ちばぎん:一応は、内容をチェックしてくれているんですけどね。
の子:でもそれって、「F●●Kって言ってないか」とか、そういうチェックですよ(笑)。
みさこ:でも、英語詞にしたことで、アニメ作品の世界観を壊さずに、しかも、曲自体も歌詞の意味に引っ張られすぎないような作品にできたと思っています。
──最後に、レコーディング時にプレイ面で意識したことを教えてください。また、楽器.meの歌詞コードサイトなどを見ながら、かまってちゃんの曲をコピーしたいと思っている人たちにアドバイスがあればお願いします。
みさこ:まず、今回のレコーディングでドラムを叩いていて楽しかった曲は「日々カルチャア」です。疾走感のあるドラムなんですが、これまでの8ビートとはちょっと違う跳ねたリズムで、しかもドラムが要になる曲なので、もしコピーしてくれるなら、楽しんで演奏してもらいたいです。逆に試行錯誤したのは、「緑の長靴」でした。ライブではもう何度か演奏していた曲なんですが、このテンポ感で、こうしたプレイを周りの音と合わせるのが難しくて、この曲だけライドシンバルを変えたり、バスドラムには、大太鼓を叩くバチのようなモコモコした特殊なビーターを使いました。
mono:キーボード関係は、今回はソフトシンセをたくさん使って、基本的にはMIDIで鳴らしながら録りました。もう、本当に大変で、何回録り直したか分からないくらい(笑)。ただ、ハーモニカの音色だったり、独特のシンセっぽいストリングスはローランドFantom-Xでしか出せないなので、それも使いましたが、ほとんどがソフトシンセで、ピアノもProToolsのソフト音源を使いました。あと、アドバイスということですが、何かあるかなぁ〜〜。。。今はYouTubeとかを見ていると、俺よりも演奏が上手な人はいっぱいいますからね。本当にアドバイスなんてないっすよ(笑)。
ちばぎん:僕は時期によって、動きのあるベースラインだったり、メロディックなベースラインを考えたりするんですが、今回は一番にメロディを引き立たせることを意識して、今までの集大成的なベースラインを作れたんじゃないかって思っています。ただその分、難しかったですけどね。コピーする場合は、ドラムとベースの土台を意識してもらえるとうれしいです。
──ボーカルについては、いかがでしたか?
の子:いや、今回も何にも変わってないですよ。変わっていないというか、何にも考えてない(笑)。もちろん、機材とかにもちょっとは興味はあるんですけど、ただ、意識的に上手くなろうとかはしてないから。どちらかと言うと、マイペースでやりたいので(笑)。
──勝手な想像ですが、感情の表現の仕方、伝え方が少し変わったようにも感じたのですが、その点はいかがでしょうか?
の子:いや、毎年変わってますよ。でも、それって人並ですし、当然、変わってない部分もありますし。もし、今回のアルバムを聴いて「変わったな」と思われるのなら、次の作品とかは「もっと変わった」って思われるんじゃないかな? 今回のような世界観系の曲だと、歌詞とかでパーソナルな面が強く出てきて、そこは今までで一番強かったと思うし、内容的にも、そういったところを詰めた作品に出来たような気がしています。
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