カップリング曲ではhide with Spread Beaver「ROCKET DIVE」のカバーを収録
EXILE SHOKICHI「Underdog」インタビュー
EXILE SHOKICHI「Underdog」インタビュー
2018/05/21
EXILE SHOKICHIが、1stアルバム『THE FUTURE』以来約2年ぶりとなるシングル「Underdog」を5月23日(水)にリリースする。EXILE THE SECONDの3rdアルバム『Highway Star』では、制作面をリードしていた彼だが、はたして新作をどのように生み出していったのか!? 作詞、トラックメイク、今作にかける意気込みなどについて質問してみた。ファン必見のインタビューだ。
取材:馬渕信彦
──EXILE SHOKICHI名義でのリリースは1stアルバム『THE FUTURE』以来約2年ぶりになりますが、この2年間はEXILE SHOKICHIさんにとってどんな時間でしたか?
EXILE SHOKICHI:やはりEXILE THE SECONDの活動がメインの2年間だったと思います。全力で音楽とぶつかることができた、とても濃密な時間でした。EXILE THE SECONDの活動を通して、自分の音楽をたくさんの方々に届けることができましたし、ありがたい評価もいただきました。EXILEが夢を叶える場所なのと同じように、EXILE THE SECONDも夢を叶える場所なんだと改めて感じました。あと、『WILD WILD WARRIORS』と『ROUTE 6・6』という、2つのツアーを立て続けにやったことも大きな経験でした。夏フェスを含めると、丸2年間ライヴをやっていた感覚です。その間もずっと楽曲制作をしていたので本当にフル回転でした。
──EXILE THE SECONDの3rdアルバム『Highway Star』は、EXILE SHOKICHIさんが制作面をリードして制作した作品でしたね?
EXILE SHOKICHI:メンバー全員の人生がかかっているという責任感を持って制作しました。本気で取り組んだのでメンバーも信頼してくれましたし、音楽と真摯に向き合えたことも自分のレベルアップにつながったと思います。
──そんな時間を経て、今作「Underdog」はどのようなマインドで制作に入ったのでしょうか?
EXILE SHOKICHI:EXILE THE SECONDでツアーを廻ったりフェスに出演している間も、ファンの方々からソロをやって欲しいという声をいただいたんです。このタイミングでソロとしてのリスタートをきれた一番の理由は、そこだと思っています。じゃあ実際にどんな作品にしようかと考えた時に、EXILE THE SECONDとしてライヴや曲作りをしてきて、いろいろなものを消化できたというマインドになったんです。昔から書いてみたかった曲、歌ってみたかった曲、演奏してみたかった曲などいろいろな音楽に挑戦できたんですね。だから、過去の自分との約束を果たせたというか、フラットな気持ちになれた。まだまだ僕は夢の途中ですが、自分の音楽的な感性がフラットになったことで、またここからソロとして自由にナチュラルに音楽を表現したいと思えたんです。自分のリスタートとしても新鮮なマインドで、さらに春という季節感を含めてフレッシュ感を表現できたらと思って制作に入りました。
──フレッシュ感もあって春らしい楽曲でありながらも、今作は「Underdog」というタイトルを掲げています。日本語訳すると「負け犬」という意味を持つ言葉ですが、どのような世界観をイメージして制作したのでしょうか?
EXILE SHOKICHI:今回の「Underdog」を負け犬と訳すこともできるんですが、〈ストリート出身の成り上がりで、今もがむしゃらに生きてるヤツ〉という意味もある言葉なんです。自分自身をfromストリートと言うのはおこがましいですけど、これからもそういった気持ちでがんばりたいという気持ちでタイトルにしました。
──歌詞の中でポイントになったフレーズを挙げるとしたらどこでしょうか?
EXILE SHOKICHI:冒頭の〈ほんと爽快なほど Bad day 人生イチのハートブレイク〉という歌詞です。ハートブレイクって恋愛だけではなく、仕事の中にもあると思うんです。例えば上司に叱られて、くじけてしまったり。そういったハートブレイクがあっても、また明日へ向かっていくパワーになればと思って歌詞を書いていきました。4月に新生活が始まって1ヶ月くらい経つと、くじけそうになることも多いと思うんです。そういう境遇の人たちの背中を押してあげられる曲になれたら嬉しいです。
──ロックとトラップが入り混じるビートにディストーション・ギターが走る狂騒的なサウンド・アプローチには、どのような想いが込められているのでしょうか?
EXILE SHOKICHI:僕なりに解釈した、HIP HOPの今を表現しました。自分もいち音楽ファンとしていろんな音楽を聴いてきましたが、最近のHIP HOPは僕が90年代後半に聴いていたパンクやメロコアの感覚に凄く似ている気がするんです。ノリもファッションもあの頃のロックに通じるものがあると感じたので、そういった自分の解釈を、EXILE SHOKICHIという視点から音にしました。リバイバル感もありますし、青春ロックなフレイヴァも感じてもらえると思います。僕が思う最先端のHIP HOPを表現しながら、自分の音楽的ルーツのひとつであるロックの要素も取り込んだ曲になっていると思います。
──具体的にトラックは、どのように制作していったのでしょうか?
EXILE SHOKICHI:これまでのソロやEXILE THE SECONDの楽曲でも一緒に制作してきたUTAくんにトラックのイメージを相談したら、KENJI03(BACK-ON)くんを紹介してくれました。初めて3人で曲作りをしたのですが、KENJIくんが新しいバイブスを持ってきてくれて本当に面白かったですし、いい刺激を受けました。サビがループする構成もKENJIくんのアイディアなんですけど、ドンズバに刺さりました。制作は3人でギターを持ちながら作っていったのですが、自分がバンドをやっていた頃の曲作りを思い出しました。何か少年時代に戻った感覚もあって楽しかったです。
──レコーディングで意識したことがありましたか?
EXILE SHOKICHI:J-POPマナーにするかHIP HOPマナーにするか、またはロックマナーにするか、落としどころを凄く迷いました。でも、結果的にはそういう迷いを取っ払って耳触りのいい曲になるように歌いました。韻や言葉遊びも楽しめる曲だと思います。
──そんな話の流れから、カップリング曲の解説もお願いします。この「ROCKET DIVE」はhide with Spread Beaverのカバーですが、今回収録することになった経緯や想いを教えてください。
EXILE SHOKICHI:いつか必ずカバーしたいと思っていた曲なんです。hide with Spread Beaverは自分の音楽的ルーツのひとつであり、僕の音楽との出会いがhideさんだったんです。
──どんな出会いだったんですか?
EXILE SHOKICHI:中学1年の頃、友達がエレキギターのモッキンバードを学校に持ってきたんですよ。もうそれが僕にとっては衝撃だったんです。自分の音楽へのビッグバンが生まれた瞬間でしたね。そこからモッキンバードを使われていたhideさんの存在を知って、音楽にハマッていったのでいつかカバーしたいと思っていました。
──そのカバーのタイミングが今だったわけですね?
EXILE SHOKICHI:そうですね。EXILEやEXILE THE SECOND、もちろんソロとしても、いろんな音楽に挑戦してきたからこそ「今だ!」という心の声に反応できたんだと思います。今年はhideさんの20周忌でもあって、さらに僕もちょうどhideさんが亡くなった時の年齢になって、それも巡り合わせだなと個人的にですが感じています。精一杯のリスペクトを込めてカバーさせていただきました。
──では、実際にレコーディングしてみて、どんな感想を持ちましたか?
EXILE SHOKICHI:歌入れをしたら本当に難しくて、1回のレコーディングでも声が枯れちゃうくらいでした。とにかく抑揚のつけ方に苦戦しました。でも、録り終わった後は、歌手を夢見た少年時代の自分が重なって、込み上げてくるものがありました。人は成長しながらも、根本的なものは変わらないんだなと思いました。人生観について考えるきっかけにもなったので、またひとつのターニングポイントになりました。夢はいろんな実現の形がありますけど、また大きな夢が叶った瞬間だったと思います。だから、この「ROCKET DIVE」は、本当にいろんな方々に聴いていただきたいです。何よりも日本の宝と言っても過言ではないhideさんの名曲ですから。こうしてアーティストを語り継いでいくことも、音楽の大切な表現のひとつだと思っています。
──トラック制作は「Underdog」と同じくUTAさんとKENJI03さんとの共同作業でしたが、どのようにオリジナルのトラックを再構築していったのでしょうか?
EXILE SHOKICHI:カバーするとなるといろんな方向性が考えられるため、オリジナルから離れるか自分っぽくするかなどいろいろトライしましたが、やっぱりオリジナル感というか、hide with Spread Beaverの構成を壊したくないと考えました。20年前の曲なのに音が抜群にいいし、今聴いても古いと思うところがひとつもないんです。なので、制作陣に対するリスペクトを込めながら、自分が聴きたい「ROCKET DIVE」を作った感じです。とは言え、自分が得意とするジャンルも織り交ぜて、HIP HOPビートが入っていたり、自分らしさをつけ足すことでEXILE SHOKICHIの「ROCKET DIVE」になったと思います。
──今作で提示できたEXILE SHOKICHIらしさとはどんな部分だと思いますか?
EXILE SHOKICHI:フレッシュで新たな自分を表現できたと思っています。こんなこともやるんだというサプライズ感も演出できたと思いますし、満足なリスタートをきれました。想像以上の作品ができたという感覚は、なかなか味わえるものではないですから。これからも自分の音楽に妥協することなく、音楽に対する純粋なLOVEを追い求めていきたいです。そして、ジャンルレスな表現を続けることによって、それがいつかEXILE SHOKICHIらしさにつながればと思っています。
──018年はEXILEの再始動の年でもありますが、今後どのような活動をイメージしていますか?
EXILE SHOKICHI:いろいろなチャンスをいただいて、自分がしっかりステップアップできていると思うので、またEXILE孝行していきたいです。自分の表現の方向性がしっかり見えてきたという実感が持てているので、EXILE ATSUSHIさんとはまた違ったEXILEのキーマンになれたらと思っています。
──最後に、待望のソロ・シングルを楽しみにしていたファンのみなさんにメッセージをお願いいたします。
EXILE SHOKICHI:約2年間、本当にお待たせしました! 今まで僕が作ってきた音楽は、すべて自分のストーリーだと思っています。そのストーリーの新たな1ページとして、こういう扉を開いたんだとワクワクしながら聴いていただけたら嬉しいです。そして、次の目標はソロ・ツアーをやること。そこも楽しみにしていただきたいです。
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