デビュー15周年、活動の軌跡が詰まった全50曲を収録!
MONKEY MAJIKベストアルバム『A.RI.GA.TO』インタビュー
MONKEY MAJIKベストアルバム『A.RI.GA.TO』インタビュー
2015/10/13
これからの曲作りに関して
──他の人が歌っても、どの曲にも必ずMONKEY MAJIKっぽさがあるんですけど、自分たちではそのあたりをどう感じていますか?
メイナード:まず、歌詞によるところが大きいんじゃないかなって思う。内容というよりも、メロディへの乗せ方や、言葉の選び方。英語の散りばめ方もそうですね。Mr.Childrenや桑田佳祐さんの曲を聴くと、特にそう感じます。もちろん、メロディにも特徴はあると思います。クセみたいなものは、どうしたってありますよね。
──そこがオリジナリティであるとも言えますよね。
メイナード:確かにそうですね。あと、僕らはギターをギターっぽくないように弾いたり、ピアノをピアノっぽくないように弾いたりすることが多い。別に天才とかそういうんじゃなくて(笑)、楽器の演奏が取り立ててうまくなくても、センスやアイデア次第で面白いフレーズになる。TAXのドラムとかも、聴けばTAXのドラムだってすぐわかるんですよね。そういうことが大事なんじゃないかと思います。
──ところで、震災以降は音楽への向き合い方も大きく変化しましたよね。
TAX:当時、僕らは虚しさを強く感じていました。「音楽をやってる場合じゃないな」って思ったこともあったんです。そこから再び音楽に向き合うには、「音楽の持つ意味ってなんだろう」ということを考えましたね。それは、今まで真剣に向き合ってこなかったことだと思う。これまで、「楽しい仲間と同じ時間を、少しでも長く過ごせればそれでいい」くらいにしか考えてなかったのに、「聴いてくれる人たち」のことを物凄く考えるようになったのは、やはり震災が影響していると思います。歌詞を書いているとき、「これで何かが変わればいいな」なんて考えたのは、間違いなく震災以降ですね。
──例えばそれは、どんなメッセージですか?
TAX:「辛いことから逃げちゃいけない」とか、「目の前にあることに、ちゃんと向き合うこと」の大切さとか。そういうものを曲に込めてきた気がします。
ブレイズ:変わった部分と変わらない部分があって。歌詞のメッセージが変わっても、僕らの美しいメロディは変わらない。むしろ、その美しさが歌詞によってもっと際立つようになったらいいなと思っていますね。
──本ベスト盤には、書き下ろしの新曲「Journey」、「One Side」も収録されています。「Journey」は、ハネるリズムが軽快なソウルミュージック、MONKEY MAJIKにしては珍しい曲ですよね?
ブレイズ:そうですね、今までやったことのなかったようなタイプの曲。ホーンセクションとか、これから使っていきたい楽器を入れてみました。もちろん、今までのMONKEY MAJIKっぽさも残しつつ。今までの、そしてこれからの僕らが1曲にギュッと濃縮されたような曲です。
──「One Side」は、どんなテーマで作ったのですか?
メイナード:曲調は明るいけど、テーマはリベンジソング(笑)。でも、決してネガティブなだけじゃない。僕の曲って、割とそういう複雑なものが多いんですよ。100パーセント美しい愛なんて、人生に一度くらいしかないと思っている人間なので(笑)。人生はローラーコースターみたいに浮き沈みがあって、これはその中のワンエピソードという感じ。
──何か、新しいことにも挑戦していますか?
メイナード:ここ最近は、ウェットなボーカルサウンドが気に入っていますね。今までは割とドライなミキシングが多かったんですけど、この曲ではアーリーリフレクションもギリギリまでレベルを上げて、フィル・コリンズっぽく...(笑)。もちろん、当時の音を意識しつつ、現代的な仕上がりにしています。昔はウェットにすると音が遠くなってしまったけど、今の技術を使えばウェットのまま音を前に出すことができるので。
──常に試行錯誤を繰り返しているんですね。
メイナード:音数を目一杯詰め込みたくなるときもあれば、すごくシンプルなサウンドにしたくなる。今回は、ベース、ドラム、ギターだけで、どれだけ厚みを持たせられるか、ハーモニクスをどうやってキレイに出すか? っていうことに興味がありますね。結構僕ら突き詰めるタイプなので、「レゲエがやりたい!」ってなったり、「やっぱりロックでしょ!」ってなったときは、とことんやる。「これって、MONKEY MAJIKっぽくないからやめとこう」みたいなのは全くないんですよ。常に枠をぶち壊しながら、自分たちの音楽性を広げていけたらいいなと思っています。
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