『POPMAN'S WORLD』と対をなすアナザー・ベスト!
スキマスイッチ『POPMAN'S ANOTHER WORLD』
インタビュー
スキマスイッチ『POPMAN'S ANOTHER WORLD』インタビュー
2016/04/13
スキマスイッチが大ヒットを記録したベストアルバム『POPMAN'S WORLD』と対をなす、アナザー・ベストアルバム『POPMAN'S ANOTHER WORLD』を本日4月13日にリリースした。ここでは、大橋卓弥と常田真太郎の2人に、様々なエピソードを交えながら今回のアルバムのコンセプトや収録曲について語ってもらった。2人の言葉を借りれば、 “スキマスイッチにとってカップリング曲とは実験の場” だという。はたして実験室でどんなことが行なわれてきたのか? デビューから現在に至るまで、まさに彼らの本当にやりたかった音楽へのアプローチがひも解ける貴重なインタビューだ。
取材:東 徹夜
僕らの実験は2枚目のカップリング曲から始まったんです。
──今回のアルバムは、単なるベストアルバムではなく「アナザー・ベストアルバム」と題していますが、どういったコンセプトなのでしょうか?
大橋:簡単に言えば、カップリング曲を集めたものなんですけど、僕らは表題曲に対してカップリング曲を作る際に “何か実験的なことをやろう” と決めていて。デビューシングルこそ違ったんですけど、2枚目からは実験をしていて。その実験がうまく成功すると表題曲に昇格されることもあるし。なので、今回、スキマスイッチが行なってきた挑戦をまとめることで、表題曲につながる“かけら”を集めたという感覚もあるんです。つまり、音楽の仕組みみたいなものをわかってもらえたり、感じてもらえるんじゃないかと。カップリングベストというと、“あぁ、表題曲じゃないんだ” って思われる方もいると思いますが、僕らにしてみるとこれを聴くと表題曲をもっと面白く聴けるよっていうメッセージでもあったりするんです。実際に“あっ、ここからスキマスイッチのサウンドは変わってきたなとか”発見できると思います。
──ディスク1とディスク2に加え、ボーナスCDも含めると3枚あるわけですが、曲順なども含めて、選曲はどのように行なったのですか?
常田:まずは時系列で最初から聴き直してみました。でも、すごく聴きにくくて、むしろ、恥ずかしくて。自分たちの背景や思惑もわかるし、だから、その並びはアルバムとしては失敗のように感じたんです。また、バランスも悪いと思って。シングルの表題曲の場合は、時系列で聴いても前の曲を意識しながら作っていたりもするのですが、カップリングはそういった作りにはなってないですし。例えば、ピアノと歌が2回続いたり平気でしていますしね。なので、一回全部バラして。いつものアルバムを作るときのように “さぁ、これらの曲をどう並べようか?” という感じで並べ直して。なので、普段のアルバムを作るような感じで曲順は決めました。
──ちなみに、各ディスクで核となった曲は何ですか?
常田:どちらも1曲目ですね。1枚目の「夕凪」は、この曲でスキマスイッチが始まったようなところがありますし、これは使えるなと。あと、同じようにイントロでドンっといかせたいなと思って、ディスク2では「雫」ですね。音質でも共通するところがあって、「夕凪」は完全にアナログテープで録っているし、「雫」はテープではないですけど、その方向性で録っています。それで、2曲目以降は “どちらも楽器数の多い華やかなものに続くように” と思って、選曲していきました。
──大橋さんは、選曲に関してはどのように考えたのですか?
大橋:本来、カップリング曲はシングルに付いてくる特典みたいなところもあって。そういった意味ではカップリング曲を全部アルバムに入れると本末転倒みたいな部分もあるんですけど、例えシングルを全部持っているリスナーの方にも “便利グッズ” として使ってもらえたらと思ったんです。曲の並びに関しては、シンタくんが叩きを持って来たのを見たときに“これでいいな”と思ったんですよ。すぐに決まりました。
──なるほど。では、ここからは各年代ごとに、スキマスイッチのカップリング曲を振り返ってみたいと思います。まずは、デビューした2003年についてですが。
常田:2003年はデビュー曲の「view」が決まって、このアップテンポな曲に対して、どんなカップリングがいいのかを考えたんです。で、ライブでも人気の高かった「小さな手」を入れましょうとスタッフとも話し合って。それで決めた経緯があります。
大橋:なので、実際に僕らの実験が始まったのは2枚目からですね。
──2枚目のシングル「奏(かなで)」はセールス的にも成功しましたよね。当時はどんなことを考えていましたか?
常田:デビューの時と気持ちはあまり変わらなくて。それよりも “これでダメだったらお前らクビだっていう空気の方が強くて(笑)” 。今思えば、だからこそ、カップリングの「僕の話 -プロトタイプ-」はこうなったのかなと。もともと、この曲はアルバムに収録するつもりで作っていて、その後、「僕の話」として、生で録ったバージョンもあるんです。ただ、卓弥が曲を作り、打ち込みのアレンジで僕が仕上げるという「僕の話 -プロトタイプ-」ももったいないなと思っていて。スタイルも実験的だったし。で、当時スタッフさんからも “カップリングだったらいいのでは!?” という提案も頂いて。そんな経緯で決まったんですよ。
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