“気持のいい響き” を周波数にまでこだわって作った、夫婦ユニットの初作品
Disca『Reveries of Suburban』インタビュー
Disca『Reveries of Suburban』インタビュー
2016/07/19
アコースティックデュオ Port of Notes(ポート・オブ・ノーツ)のコンポーザー兼ギタリストである小島大介と、ブラジル音楽をフィーチャーしたバンドBophana(ボファーナ)で活動していたボーカリストのLica(リカ)。夫婦である二人が結成したユニット Disca(ディスカ)が、初のアルバム『Reveries of Suburban(レヴァリーズ・オブ・サバーバン)』をリリースした。ここでは、二人が活動の拠点とする伊豆での暮らしや、作品へのこだわりをじっくりと聞いてみた。
取材:村尾悦郎(編集部)
今の伊豆での生活の中に、悪い周波数はないと思います。 by Lica
──まずはじめに、Discaというユニットを組んだ経緯から教えてください。

Lica
Lica:もともと大介さんはPort of Notesで、私はBophanaで活動していて。夫婦になってから大介さんの仕事の手伝いで私が歌ったり、大介さんが私のライブでギターを弾いてくれたりして、自然と一緒に演奏するようになっていったんです。そこで「二人で活動するときの名前が欲しいよね」という話になったんですよ。それで、お互いの名前をくっつけて “Disca” というユニット名が生まれました。
──Discaはお二人の名前を合わせたものだったのですね。
Lica:実は、それしか思い浮かばなかったんですよ(笑)。名付けた後に「二人のオリジナル曲をやろうよ」という話になって、それを作品にし始めたあたりから本格的にユニット感が出てきましたね。
──お二人は活動拠点を東京から伊豆に移されたそうですが、なぜ、伊豆に行こうと思われたのでしょうか?
Lica:始めから伊豆に行こうとしていたわけではなく、「東京に近くて緑の多い場所」ということで探していたんです。都内や周辺でも色々探してみたんですが、あまりピンと来なくて。探す範囲を広げていたら伊豆半島にたどり着きました(笑)。そこは古い別荘地で、山の上から海が見える素晴らしいロケーションだったんですよ。その環境が私たちの音楽にも合っていると感じたし、ゆっくりと活動していきたいなという想いからそこに住むことを決めました。
──実際に生活されて、何か変化は感じられますか?

小島大介
小島:東京にいた時とは“音の重ね方”が変わったなと思います。あえて “間を残す” ようになったというか、あまり音を乗せない感覚になったかな。やっぱり時間の流れもゆっくりと感じるし、精神的にもストレスのない状態が音楽に反映できているような気がします。
Lica:大介さんは熊本出身ということもあって、東京に住んでいた頃から「やっぱり緑のあるところじゃないと」とはずっと言っていたんです。ある時、ライターの友人が「森の周波数とガムラン(インドネシアの民族音楽)の出す周波数は同じだ!」という話をしていて。現地の人たちは心と体をガムランでリセットさせるそうですが、大介さんも緑の多い土地にそういった要素を求めているのかなって思っていたんですよ。
──自然豊かな土地で、ストレスなく暮らせているのですね。
小島:でも、UFOがよく目撃されるらしいですよ(笑)。
Lica:そうそう! 近くに「怪しい少年少女博物館(不気味なレトロアイテムを多数展示したテーマパーク)」とかもあったり、ちょっと変な所でもあるんですよ(笑)。
──面白い環境ですね。
Lica:家の周りは山で、鳥の鳴き声しかしないくらい静かな場所なんですけどね。
小島:阿久悠さんが気に入って、30代から亡くなるまでずっと住んでたみたいです。
Lica:あと、やっぱり水がきれいですね。周りに温泉もたくさんあって。だから今の生活の中に、悪い周波数はないと思います。
小島:絶対そうだよね。この間、久々に渋谷に出かけたんですけど、天気が悪かったせいもあったのかもしれないけど僕はもう、固まっちゃって。
──“固まる”とは体が重く感じたり、具合が悪くなったということでしょうか?
小島:そうですね。あと、ちょっと“怖い”っていう感覚に近いかもしれないです。
Lica:私は結構平気だったんですけどね。育ちが新宿区あたりなので麻痺してるのかな?
小島:僕は渋谷にいる間中固まってたけど、Licaちゃんは全然平気だったよね(笑)。伊豆から渋谷に出たら「こんな強い場所だったんだ」って、あらためて感じました。
Lica:東京に住んでいた頃の場所もちょっと都心からは外れた場所だったんですけど、そっちでは私が 逆に“怖い”って状態で。都会にも田舎にもない独特の雰囲気があって、少し苦手でした。
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